山に抱かれて①@赤石岳~聖岳 2017.09.28(金)~10.02(月)



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遅い夏休みを取得して、南部をのんびり歩くことにした。

本来の計画は椹島を起点とし、千枚岳から光岳を加えた茶臼岳への縦走だった。
しかし残念ながら初日が雨予報。
加えて数日前から体調を崩していた事もあり、1日目は椹島までの移動日として千枚岳を諦めることに決めた。




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翌朝からの移動でも問題はなかったが、一通りのパッキングを済ませてしまうと逸る気持ちが抑えられなくなった。
南部の登山基地である椹島は、山に登らずとも十分幸せな気持ちになれる場所だからだ。



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滅多に飲むことの無い風邪薬を気休めに、畑薙までの遠い道のりを突き進む。
弱雨の降る山道のいたるところでニホンカモシカを見た。



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生活圏からの畑薙は遠い。

この道を走るたび、南部好きが高じて都内から川根本町へ越していった憧れの藪屋ブロガーのファミリーを思い出す。
彼の経営するお店に遊びに行きたいと願いつつ、機会に恵まれないままだった。

今回こそは立ち寄ってから帰りたい。



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既に井川観光系の山小屋は全ての営業を終えており、東海フォレストの小屋閉めも間近に迫っていた。
この時期になると南部の山は極端に静かになる。

すると、無性に「あの人」に会いたくなるのである。



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数台しか停められていない畑薙臨時駐車場に車を滑りこませ、ようやくプルタブを起こした。
風邪は酒を薬に山で治すのが一番早い。

ところでこの「頂」という名の第三のビール。
商品名と度数が高い(7%)ことは良いことではあるが、何故にこんなにも不味いのだろう。

好き嫌いはあるが、私は酒を残したことが無い。
もちろん酔って酒を吐き出すなどは言語道断、愚の骨頂だ。
そんな奴に限って「食べ物は粗末にしちゃいけない。」とかホザクのだから世の中は矛盾で満ちている。

しかしこの発泡酒は、こんな私でさえどうにも飲み込むことのできない代物だった。
少し前のBBQイベントに参加した息子くんがお土産のジュースをわざわざ断って、この「頂」を私に飲ませようと嬉しそうに貰ってきてくれたことがあった。
その時私は、「おえっ」となりながらも「美味しいよ。ありがとう。」と言ったのだ。
すると...我が家の冷蔵庫にこいつが並んでいたのである。

「パパが好きなお酒だからママに教えた。」

すまん、息子くん。
パパは嘘つきだ。

何度もえずきながら半分程飲み、地面に流した。



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雨音で目覚めると、始発バスが到着する3分前だった。
これは間に合わないなと一度は諦めたものの、パッキングされていない荷物をレジ袋にぶら下げ傘もささずに駆け出すと、いつもの運転手さんが待っていてくれた。

だからバスの写真が一枚もない。



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08:30、椹島到着。
弱い雨が降っており、他に人の気配は無い。



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暖炉の中で愉しげにはぜる火を見つめている時間がなんとも暖かい。



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やっぱり早く来て良かったな。



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テントを張ろうか悩んだが、体調もいまいちだったので安価に泊まることのできる登山小屋を利用することにした。



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しかし受付は13時からなので、まだ4時間以上もある。
何もする必要が無い贅沢な時間がこうして始まった。



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一週間前には登山者達でごった返していたのであろう施設もご覧の通り静まり返っている。



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弱いWi-Fiで近況報告を終えたあとは風邪の治療に専念することにした。



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自炊小屋で療養を開始する。



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10:45、弱雨があがり薄日がさすようになると、心はすっかり元気になった。



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少し散歩しよう。

熱があるのか酔っているのか、はたまたその両方なのか。
足元はふらふらだった。


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ここ数日間の雨で大井川は濁流だった。



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11:50、療養には体力が必要だ。
気休めの風邪薬をビールで流し込んだ。



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13:10、表に出るとすっかり良い天気になっており、雨と芝の香りが鼻腔を心地良くくすぐった。



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受付を済ませ登山小屋に荷物を運び入れる。



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何度か利用したことのある登山小屋は、2019年に建て替えられるのだそうだ。
知っていればもっと写真を撮っておいたのに...。



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シュラフを取り出し少し寝た。



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15:50、表に出ると、明日の快晴が約束された青空が頭上にあった。



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一番風呂で体を温め水分を補給。



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白旗先生の写真館では心を震わせた。


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椹島はやっぱり良いところだな。

食べてひたすら飲んでいただけの療養に専念することのできた静かな一日だった。
翌朝からの登山に備え薄暗い時間にシュラフへ潜り込むと、あっという間に眠りに落ちていた。



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04:00、スッキリと目覚め、登山小屋をあとにする。

水を汲むため自炊小屋へと移動すると、テーブルいっぱいに荷物を広げ、もりもり朝食を食べている登山者達がいた。
よく見れば、やたらと元気な子供もいる。


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「そっか、足の遅い子供がいるからこんな時間にスタートするんだな。」
そんな風に思っていると、急に記憶が鮮明となり「あああっ!」となった。

「工場長ですよね?」
「はい。」

彼等は私の憧れ続けた、あの藪屋ブロガーのパーティーだったのである。

工場長のブログへはこちらからどうぞ。


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興奮して話したんだと記憶している。

山への趣味嗜好が全く同じであること。
川根本町への引越しが死ぬほど羨ましかったこと。
10年程前からブログのファンだったこと。
工場長に憧れてブログを始めたこと。

早立ちの目的は私と同じ。
3120mで過ごす時間を少しでも長くするためだった。



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聞けば前日の遅い時間に椹島へ入りテントを張っていたのだそうだ。
自己紹介すると工場長も私のことを知っていた。

この日の行程も全く同じ。
軽荷の彼らについていけるだろうか不安だったが、ご一緒させて下さいと申し入れると快くOKを頂いた。



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こんな奇跡が起きようとは。



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05:20、風邪はすっかり治っていた。


第二部へと続きます。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

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by yama-nobori | 2019-01-08 20:42 | 登山 2017 | Comments(1)
Commented by at 2019-01-09 03:53 x
ブログ拝見して記憶がよみがえって来ました。
あの時は天気予報調べて一番良さそうな日に決めたんですが午前中まで雨が残ったんですね。
あの日の数日前に「竜爪山」で検索していてユタカさんのブログを読んだばかりだったのに本人とは気づかずじまい・・・知ってればhaiziさんとかの話題もあったのにねぇ。
又、どこかでお会いしましょうね~。
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