僕たちの失敗@飯盛山 2017.08.20(日)



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雨降る芦安で前入りを行った。
メンバーはSくんと息子くん、そして私の三人である。

この日の我々は、崇高なる使命を果たすべく燃えに燃えていた。

閉鎖空間で長期間生活していれば、健康な男子であればあるほど避け難い大問題が発生することは周知の事実であろう。
北岳肩の小屋で幽閉生活を続ける近所の変態T氏もまた然り。
悶々とした黒い顔が夜な夜な脳裏に浮かび、我々は不憫でならなかったのである。

早急に「あれ」を届けねばなるまい。





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仕事と学業で疲れた体に鞭を打ち、善意の塊である我々は、ついに決戦の地へと降り立った。


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通い慣れた山ではあるが、息子くんがいるとなれば、日帰りの北岳はまずまずしんどい。
朝一のタクシーで入山することを決め、酒の力を借りて寝ることにした。


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T氏は泣いて喜ぶはずだ。
酒に美談に酔いながら互いの優しさを称え合っていると、Sくんが何やら取り出した。

ん?
何それ?

「クソうめ~な、このワイン!」

夜は益々更けていく。


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04:20、周囲の騒がしさに目を覚ますと、見慣れたカオスがそこにあった。
テントから僅か1m程の至近距離に、朝一のタクシーに乗り込もうと殺気立った、登山者達の列があったのだ。


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なんて醜く最低な人間達だろう。
我々もあそこにいるはずなんじゃ?

いつの間にか雨は止んでいた。
Sくんと息子くんは車から出てこない。

それにしても、うるせぇ奴らだ。
迷惑だぜ...zzz...。


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05:50、周囲はすっかり明るくなり、そして静まり返っていた。


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のそのそと起き出してきたSくんとの会話はこんな感じ。

「雨上がりだと滑るから、息子くんには危険だよね。」
「草で体濡れるのはちょっと面倒だよね。」
「上の方は天気怪しそうだよね。」
「頭いて~。」

青空は見なかったことにした。


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やはり大自然の力には勝てない。
行き先を変更せざるを得なくなった我々の向かった先は野辺山だった。


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ここには、大展望なゆるふわ山として人気の高い「飯盛山」(めしもりやま)がある。
登山口となる平沢峠で身支度を整える。


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SくんはおNEWの靴を大好きな北岳で卸そうとしていたらしい。
それが何で飯盛山になったのか。


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呪いの言葉を口にしながらSくんが靴紐を締めている。
対して、思いがけずゆるふわ登山になった息子くんはご機嫌である。


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ガスに包まれながら眺める展望写真のなんと虚しいことか。


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07:30、登山開始。


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整備された登山道をゆるゆると登る。


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ゆるゆる。


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ゆるゆる。


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やがて稜線とおぼしき場所に出た。


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目指せ、お椀に盛られたご飯山。


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ガス抜けないね~。


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お前は元気だな。


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景色が駄目だったので、足元に目が向いた。
ひっそりと咲く花達が可愛らしい。


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平場に出た。
山頂が近いはずだがどこにあるのだろう。


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するとガスの中からシルエットが浮かび上がる。
あ、おむすび山だ!


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息子くんがいつものように駆け出した。


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08:25、「飯盛山」(1643m)登頂。


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Sくんは小学6年の林間学校で登って以来、20年ぶりの登頂だった。
当時は将来登山にハマるとは全く思っていなかったらしい。

私もまさか、飯盛山を夏に登る日が来るとは夢にも思っていなかった。


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展望が無いことに加え虫が多かったので早々に下山する。


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下山途中、驚いたことに数人の登山者とすれ違った。
こんなガスの中を登ってくるなんて...。

人気のある山なのだろう。
積雪期の晴れた日に、テン泊装備で再訪しようと約束をした。


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しし岩に立つと僅かばかりの展望があった。


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晴れたら綺麗なんだろうなぁ。


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下山後は焼失から再建されたばかりのROCKにやってきた。
息子くんはにんまりだ。


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八ヶ岳へ登ろうとしていたSくんの友人であるOくんを強制招集して一緒に食事をとった。
有り難いことに、こんなブログを以前から読んでくれていたらしい。
初対面なのに息子くんのことを良く知っており、それに気を良くして喋りまくって煩かった。


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うんまい!
運転しなくても良い私はビールを飲んだ。
Sくん、あんがと。


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次は清里駅へと移動して、K氏の職場を襲撃した。


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自称寡黙なK氏が身振り手振りで良く喋る。
これで給料が貰えるなら代わってほしい
結局2時間近く立ち話を楽しんでから帰路についた。


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予定の北岳より遥かにゆるい山行になってしまったが、ネタに困らない楽しい一日はこうして終わった。
T氏に渡し損ねた「あれ」は、Sくんへのお土産となった。


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さて、この話には後日談がある。
T氏の息子を元気にするという崇高な使命は、翌週無事に果たされた。
北岳に登るのだという友人Sさんに、物の購入から受渡しまでの全てを依頼したのである。

「何を買えば良いのかわからない。」
「レジが恥ずかしい。無理。」

何度か不毛なやりとりの末
「困難なミッションを遂行できるのは貴女しかいない。」
「T氏の喜ぶ顔を直接見ることのできる貴女が羨ましい。」

結果、私の人選に狂いは無かったのである。
Sさん、崇高な任務の遂行をありがとう。

後にT氏はスッキリとした黒い顔で述べている。

「あんな物を女性に持ってこさせるなんて最低っすね。」

本物の山男というやつは、素直になることを潔しとしないようだ。
今年もまた、彼の働く山小屋に善意の「あれ」を届けたいと考えている。
近所の変態T氏の黒くてスッキリとした笑顔が見たいからだ。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

おしまい。


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by yama-nobori | 2018-10-09 19:49 | 登山 2017 | Comments(0)
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