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山靴の音②@富士山 2017.08.04(金)~08.05(土)



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富士山登頂を目指す第二部のスタートです。

第一部の記事へはこちらからどうぞ。





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小屋から出ると、少し肌寒い朝の空気に黎明の光が射していた。


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04:30、わらじ館に不要な荷物をデポ、頂きを目指して歩き始めた。
Sちゃんは高山病の症状も無く、元気なままで一安心である。

わらじ館ではアタックザックの貸出を無料で行っている。
しかしそんな善意を裏切る盗人がいるのだから山の世界も世知辛くなった。



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その瞬間をどこで迎えようか。
ジグを切りながら、相応しい場所を求め上げて行く。


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予想通り雲ひとつ無い快晴だ。
風も弱く、この上ない好条件でのアタックである。


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わぁ、そろそろ出そうだね。


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よし、あそこに決めよう。


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04:56、登山道で迎えたその日の光景は、それはそれは見事なものだった。



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光の玉が飛び出すようなクッキリとした御来光とはならなかったが、荘厳な光の海に浮かぶ丹沢山塊には心を奪われた。



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凄いものが見られたね。



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良い写真は撮れたかな。



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光のショーは収束し、盛夏の蒼が還って来た。
対する山肌は、熱を感ずる程に深みを増しこれまで以上に紅くなった。



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見下ろせば宝永山が随分と低くなっている。



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05:20、標高が3400mを超えた。
空気の薄さがハッキリとわかるようになり、カーブを一つ曲がる度に息を整えるようになった。



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5月にトラバースした場所に僅かな残雪があった。

積雪期も素晴らしいが、力強い夏富士が私は好きだ。
何れにせよ、日本一を登るこの高揚感は、他の山では得ることのできない、かけがえのないものだ。

5月の記事へはこちらからどうぞ。


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御殿場ルートに登山者の姿は無かった。
ジャリジャリと、二人の靴音だけが空に溶けて行く。


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歩いては休み、休んでは歩く。
その単純な繰り返しが結果となる。



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鳥居が近づいた。
少し距離をおき、Sちゃんの後を追う。



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これまでも、いくつかの山で仲間の初登頂に立ち合ってきた。
その度に、喜びと共に思うのだ。

「山はいいな。」と。



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06:35、銀明水前の山頂に到着。
大切な瞬間を残してあげたくて、何度もシャッターを切った。



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荒々しい火口、紅い山肌と紺碧の空。
Sちゃんは初めての景色をどんな気持ちで眺めたのだろうか。

私の初登頂と重ねようと記憶を辿るも、霧がかかりディテールはすっかり曖昧となっていた。
新鮮な気持ちで立つことのできる山頂が羨ましい。



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山頂部は流石に人が多かった。
郵便局のある浅間大社は後で訪れる事にして、まずは剣ヶ峰へと向かう。



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元気一杯にSちゃんが進む。
「れっつご~!」


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近づく最高点。



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剣ヶ峰直下には、記念撮影待ちの長い行列が出来ていた。



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こればかりは、晴れた日の夏富士の宿命であり避け難い。
大人しく列に加わり順番を待つ。



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待つこと35分。
07:35、剣ヶ峰(3775.51m)登頂。



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やったね!
おめでとう。


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その赤ペンキが岩盤上の最高点なんだよ。



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手早く撮影を済ませ剣ヶ峰を離れる。
その後、大沢崩れの直上へと移動した。

あれが南アルプス。
爺やの一番好きな山域だよ。



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山で食べるカップ麺は最高に旨い。



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食事の後はお鉢巡りを再開。



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お鉢(大内院)は深さ約237m、山頂火口の直径は780m、底の直径は130mだ。
コースタイムは1.5h~2.0hである。



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「れっつご~!」



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主要な展望地には一通り立ち寄った。

「滅多に来ることのできない場所だから。」
そんな当たり前のことを忘れていた私はなんだか嬉しくなって、その度に写真を撮った。



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08:50、吉田ルートを見下ろした。
眼下の恐ろしい光景に、御殿場ルートを選択した自分を思わず褒めた。



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うわぁ、自販機まであるんだね...。



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観光地の土産物屋はもちろん通過する。



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国内最高所の稜線歩きにテンションは最高潮。



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剣ヶ峰が間近になれば、お鉢めぐりは終了だ。
ずっと晴れててくれて良かったね。
それにしても、いつも同じポーズだな
息子くんと同じ類いの人間なのか



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富士山頂郵便局に戻り、Sちゃんは自分宛てに葉書を書いた。



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待っていると雨が落ちてきたがすぐに止んでくれた。



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つまらない土産物を買うより、ずっと良い思い出になるよね。
私も一筆求められ、当たり前の言葉を一言添えた。



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10:00、山頂部を離れる。
下界は曇りみたいだね。



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危なげなく降りる様子に一安心。
体力にも余裕があるようだ。

そして何より、楽しそう。



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11:00、わらじ館に戻り荷物を回収。

Mさん、お世話になりました。
近い内にもう一回遊びにきますね。

この頃になるとガスが体を濡らすようになった。



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11:30、下山開始。



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復路はもちろん大砂走りだ。



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砂が湿っており、砂埃が舞い上がることも無く、快適に走り抜けることができた。



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12:30、往路でクロックスを買った大石茶屋を通過。



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12:40、下山完了。
おつかれさま!


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登頂証明書を発行してくれるというので、「Mt.Fuji Trail Station」へ立ち寄ることにした。

舗装された敷地を進むと、「カツンカツン」と聞き慣れない、妙に甲高い音がする。
音の正体は....

あの靴だ!



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うぁ、よくぞその靴で...。



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私自身、山の魅力が何であるのかは未だによくわからない。
だから未経験者に山を薦める気はさらさら無い。

しかし富士山には、「日本一」という万人を惹き付ける、実に分かりやすい肩書がある。
富士をきっかけに登山を始めたという人も数多くいるのだろう。



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この山行の後、あのケチなSちゃんが登山靴を買った。

「きれい、楽ちん、美味しい、爺やが荷物を全部持つ。」が条件ではあるようだが、あれだけの体力があれば、この先多くの山に登ることができるはずだ。

普通に生活していたのでは感じることのできない何かが山にはある。
なんでもない朝の光、獣道、苔むした三角点に、何故か涙が止まらなくなる私は森林限界以下の南アがストライクである。
Sちゃんが喜ぶのはどんな山だろう。

せっかく買ってくれた登山靴。
ソールが剥がれる無くなるくらい登って欲しいなと思っている。
好みやスタイルは人それぞれではあるが、登山は総じて、悪い趣味では無いと思うからだ。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

おしまい。


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by yama-nobori | 2018-10-02 20:00 | 登山 2017 | Comments(4)
Commented by ねも at 2018-10-05 11:40 x
ハッピーな山日記ありがとうございます。混み合わない富士山もあるのですね。
「爺や」に爆笑、私なら「大爺や」でしょうか!?
日付は2018年に直されたほうが……
Commented by yama-nobori at 2018-10-05 12:11
いつもコメントありがとうございます。
ちゃっかり楽しみにしております。
返事書いてないけど(笑)

これ、2017年の記事ですわ。
もう全くもって追い付きません!
Commented by よし坊 at 2018-10-05 16:19 x
山やトレッキングのブログが中々無い中でネットサーフィンして居るとこのブログがヒットしました。
楽しそうですね。
僕も世界の山と言うか麓をトレッキングするのが好きで毎年出かけます。
山だけでなく日常の旅行や食べ歩き、そして旅行と何でも話題にしています。
ブックマークしましたので又見に来ます。
Commented by ねも at 2018-10-09 00:05 x
返信ありがとうございます。
昨秋、赤石岳でご一緒された賢パパさんから「ゆたかさんはお知り合い?」と聞かれたので、『山がまんなか』の熱心な読者だけど、最近音沙汰ないので嫌われてるかも!?と答えました。訂正しておきます(笑)
失礼しました。昨年ですね。ならば日付を直したほうが…… 5日(土)と6日(日)でしょう?
私は南アルプス北部にいて、台風接近の7日(月)、北沢峠から仙丈ヶ岳に登りました。山中の天気読みはほぼ正解で、下山で少し降られたくらいだったのですが。
北沢峠でバスを待つうちに雨は本降りに。それでもバスで広河原まで行けたのですが、そこから甲府に行く道も奈良田に行く道も通行止めに。楽しい広河原の夜になりました(苦笑)
南アの林道が雨に弱いことをうっかりしていました。
お次も楽しみにお待ちしています。
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