第一部の記事へはこちらからどうぞ。 訪れたのは、日本三名泉の一つに数えられる草津温泉だ。
噂通り、住み着いているんじゃないかと思われる程に生活感の溢れまくった車がそこいらじゅうに停めてあった。 予備知識の無いまま案内に従って進んでみる。 「西の河原公園」として遊歩道などが整備されており足湯まである。 観光地ずげーなと息子くんが大興奮だ。 集金係がいてぼったくられるのではないかと身構えていたが、どうやら無料であるようだ。 すげーな観光地。 まずは汗を流したいよね。 観光地にしては安価(600円)な入浴料を支払い、施設に入って驚いた。 ただ事ならぬ広さの大露天風呂が現れたのだ。 どうやら草津温泉を代表する温泉の一つであったらしい。 洗い場が無いのは正直残念ではあったが、泉質が良く何より解放感が素晴らしかった。 はじめの内は広い湯の真ん中に沈んでいたが、やがて落ち着かなくなり、結局隅に固まって過ごした。 貧乏性故に狭い場所が性に合う。 どういうわけか、ずっと貸切だった。 草津温泉と聞いてイメージできたのは、「湯畑」と「鬱陶しい観光客達の人混み」、この二つだけだった。 汗も流し終わり用事は無くなったが、折角なので湯畑だけは見ておくことにした。 新旧入り乱れる妙なオブジェ達に嫌悪感を抱きつつ中心部へ向かう。 あ、試食だ。 食べたいけれど押し売りされるから素通りしよう… すると売り子のばあちゃん達が井戸端会議を中止してやたらとフレンドリーに話しかけてきた。 しかも積極的に売る気は無いらしく、とにかく旨いから食っていけと言う。 すすめられるがままに腹が膨れるほど食いまくった。 白根山帰りであることを伝えると、くしゃくしゃな笑顔で登ってくれてありがとうと言われ、こちらも嬉しくなった。 が、もちろん何も買わなかった。 なんだか人が少ないね。 草津温泉って人気無いのかな? 温泉卵の誘惑にはあっさりと負けて観光地 冷静に考えればほとんどタレの味ではあるのだが、これが実に旨かった。 やるな観光地。 もちもちとしていて驚くほどに旨い。 こんなに旨い温泉饅頭は初めて食べた。 近くに似たような店が数軒あり食べ比べたが、こいつはずば抜けての逸品だった。 店の親父は我々の顔をすぐに忘れてくれるので、他店と何度も行き来を繰り返しては食べに食べた。 しかしタダなのは良かったが、毎回同じ昔話を聞かされるのが苦痛だった。 どうせケバケバしく品の無い これは無料で入ることのできる温泉施設「関の湯」。 地元民優先と書かれた文字に、歴史ある本物の温泉街なんだと感心した。 中を覗くと三人で一杯になると思われる小さな浴槽に白濁の湯が揺れていた。 服を脱いで足をつけたが、飛び上がる程の高温にすごすごと退散することになった。 最初の温泉は透明なお湯だったので不思議に思ったが、草津温泉には二種類の源泉があるようだ。 温泉街をしばらく進むと前方が開けた。 お、あれはもしや。 湯畑だ。 すげー。 テレビで見たやつとおんなじだ。 遠くで鳴っていた雷が光と同時に轟くようになると、蜘蛛の子を散らしたように人気が無くなった。 我々も急いで品定めをして、お好み焼き屋に逃げ込んだ。 うわ~、早めに下りてきて良かったね。 試食し過ぎて満腹だった。 しかし何も注文しないままで店にいるわけにも行かず、もんじゃ焼きを一つ頼んで雨音を聞いていた。 店内は静かでのんびりと良い雰囲気だ。 やるな観光地。 観光の続きを再開する。 湯畑の眼の前にある「白旗の湯」という温泉施設に目が止まった。 案内を読むと無料だと書かれている。 こんな一等地にある温泉施設が無料なはずがない。 現に横の温泉施設はえらい金額ではないか…。 おそるおそる覗いてみる。 うわ、人がいない。 しかも何て良い色のお湯なんだ。 「タダより高いものは無い」 疑心暗鬼なまま湯に浸かると、実に素晴らしいお湯だった。 仄かな硫黄の香りがたまらない。 しかも本当に無料なのだから驚かされる。 後に調べたところ、草津温泉にはこの様な施設がいくつもあるようだ。 やるな観光地。 くそぉ、またしても観光地如きに金を落としてしまうとは...。 やってくれるぜ観光地。 空いていたのは、どうやら到着が早かっただけなようだ。 嫌悪感しか感じなくなったので中心部を離れる。 うぐぐ…観光地。 息子くんにせがまれて「とんぼ玉」を作った。 もちろん無料では体験できない。 観光地のばかやろー。 今はどこに眠っているのやら...。 けれど頼んだのは石焼きビビンバ+水。 無駄金ばかり使っていられるか。 観光客は鬱陶しかったが、あのお湯が忘れられず再び「白旗の湯」へ。 ちなみに浴槽は2つあり、こちらは「熱めの湯」。 温度は46.2度もあり、「10秒入っていられたら土産を買ってやる」というと、なんと根性で耐え抜いた。 また余計な金が… 中心部を離れると、徐々に灯りが少なくなった。 来年は家族で来てみようか。 結局暗くなるまで遊んじゃったね。 すっかり観光地に魅せられた我々だった。 タダでこんにゃくの試食ができるのだ。 無論欲張って全種類を盛れるだけ盛った。 しかし他の変り種を口に運ぶと.... 良く知る「焼きそば」に見える物体の味と触感とが、記憶のそれとは明らかに違う。 あまりのギャップのでかさに『おえっ』とえづきまくった。 スープやうどん汁に一切麺が絡まず、喉ごしだけがやたらと良い。 こんにゃくをラーメンスープにつけて旨い訳がないのである。 欲張ってよそってしまい申し訳ない。 こっそりダストボックスへ流し込んだ。 リピーターっているのかな。 餌はもちろん、本物の食堂だった。 金をかけたほうが良い想い出になるとは思わない。 しかし、観光地であまりにもケチりすぎるとトラウマになる。 適度に金をかけるからこそ、プライスレスな想い出になるのだろう。 まだしばらくは、ごみ溜め通いを続けることになりそうだ。
by yama-nobori
| 2018-08-16 21:53
| 登山 2017
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