百貫の貫禄@金峰山 2017.07.15(土)



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金峰山は奥秩父連峰の盟主である。
森林限界を超えた山頂からの展望は素晴らしく、全く以て文句のつけようがない。
甲府盆地を隔てて聳える五丈岩と鳳凰山のオベリスクは、好対称をなした山梨を代表する山岳シンボルでもある。

開山の歴史は古く、467年にまで遡ることができる。
かつて山岳信仰の盛んだった時代には参詣道が9つも通じ、表登拝口の金桜神社の門前には神職の家が70軒、参拝者の宿舎は200軒を数えたと伝えられているほどの有名な霊山であった。
今でも古の参詣道を辿る参拝者がいるようではあるが、一般的な地図に引かれている山梨側の参詣ルートは僅かに一本を残すのみとなっており、多くの登山者達は、瑞牆山荘、廻目平、大弛峠を起点とした日帰り山行を楽しんでいる。





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金峰山は廃道を中心に足繁く通った馴染みの一座である。
息子くんに大好きな景色を見せたくて何度か計画してきたが、その度に諸事情が発生し流れ続けてきた。
そのため、数日前より天気図を念入りに読み、満を持しての決行となった。

金曜日の夜から大弛峠での車中泊を行った。
真夏だと言うのに寒さで何度か目を覚まし、その度に美しい満天の星空を仰ぎ見た。
流石は自動車が通行できる日本最高所(2360m)の車道峠である。

04:30、雲海に浮かぶ白峰三山を見つけ、大急ぎで息子くんを叩き起こす。



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身支度を整えているとふいに名前を呼ばれて驚いた。

「ゆたかさんですよね?どこで会ったか覚えてますか?」
「.....」

あ、もしかして…。



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記憶の像が結ばれる直前で正解が発表される。
すると、それまでピンぼけのモノクロだった写真が高精細な天然色となった。

声をかけてくれたのは3年前に平ヶ岳で出会ったNさんだった。
驚くべき健脚の持ち主で、下山ではあっと言う間に引き離され姿が見えなくなった。
その日初めて出会ったA嬢とも、すごい人がいたよね~と、今でも度々話題にあがることのある人物だ。

平ヶ岳の記事へはこちらからどうぞ。


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あれからNさんは当ブログを読んで下さっていたようで、『昼休みの楽しみにしている。』『毎週山ですよね。理解のある奥さまですね。』『実は今日辺り会うんじゃないかと思ってました。』などと言われ理解じゃなく諦め大いに照れて驚いた。

度々ブログに登場する息子くんのことも良くご存知だった。

これに気を良くした息子くんがさっそく弾丸トークを炸裂させる。
挙げ句の果てには一緒に歩きたいと言い始めたので必死で止めた。

お前、、、相手はアスリートなんだぞ。



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05:10、山頂で再会できることを楽しみに二人で歩き始めた。



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朝の空気がひんやりとしており森の香りが心地好い。



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明るい空に向かい緩やかに上げて行く。



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コメツガやシラビソに包まれ進んで行くと僅かに窓が開いた。



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よし、今日は大当たりだね。



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ややペースを上げ美しい森を行く。



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05:35、朝日峠通過。



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緩く上げると大展望が広がった。



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絶景ポイントの大ナギである。
大弛峠からのルートは他のそれより高低差が少なく、長く歩きたいと考える登山者にとっては物足りないかもしれない。
しかし早くから展望に恵まれ、徐々に近づく五丈岩を眺めながら歩くことのできる本ルートは私の一番のお気に入りである。



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荷物を下ろし100m程続く岩稜からの展望を楽しむことにした。



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振り返って国師ヶ岳と北奥千丈。



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いいねー!

しかし実は息子くん、一秒でも早くこの場を離れようと必至だったのだ。
なかなか笑顔にならないためテイク4まで撮影すると一目散に逃げ出した。



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せっかくレンズ交換したのにな…。
もう少しだけ撮影しよう。

御座山の向こうには噴煙をたなびかせた浅間山が浮かんでいる。
肉眼ではNさんと出会った平ヶ岳も良く見えていた。



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寄せた南アが素晴らしい。
しかし画面ノイズが高いことにお気づきになるだろうか。


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ノイズの正体は無数の羽虫達。
息子くんの逃げ出した原因はこれだった。



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待ってくれよ~。



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06:10、羽虫エリアを突破し朝日岳(2579m)登頂。



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あの先まで進めばまた開けるよ。



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うわぁ~。

たおやかに延びた稜線の先に目指す五丈岩がある。
羽虫達は姿を消し、のんびりと撮影を楽しむことができた。



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朝日岳からは急なガレ場で一度下げる。



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鉄山と金峰山が青く横たわる。



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暫く針葉樹林帯を進む。
次に視界が開けるタイミングは、あまりにも早い森林限界だ。



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鉄山は巻いた。

以前登った鉄山は展望も無く山頂標識も見当たらない地味な一座であった。
強いトレースがあったが現在は何か建てられているのだろうか。



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やがて植生が変化する。
森林限界だ。



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さあ、開けるぞ。



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わぁ~。



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小川山が秀麗だ。
なんて開放的な山岳風景だろう。



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オオヤスリ岩の向こうに八ヶ岳連峰。



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高妻山・妙高山・四阿山・トーミの頭・浅間山が小川山の先に青い。



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奇岩群に囲まれた「日本のヨセミテ」廻り目平が異形である。



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ね、凄い景色でしょう?
紺碧の空に吸い込まれそうだね。



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賽の河原からは蛇行した登山道で緩やかに進む。



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左手に富士山、右手に小川山。
それぞれが視界の中心になれば山頂は近い。



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岩のトンネルをくぐり抜けると...



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07:30、金峰山(2598m)登頂。



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登頂おめでとう!
五丈岩が大きいね~。



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南アルプスもバッチリ見えてるね。



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息子くんが喜んだのはこっちの標柱でした。



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五丈岩から山頂を望む。
思いの外、人が少なく快適だった。



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私は五丈岩の裏側からの展望が大のお気に入り。
あまり人が来ないことから休憩はここだと決めいている。



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南アルプスが長大だ。



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うん、言うこと無し。



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我々より遅くにスタートされたNさんご夫婦がやってきた。
一緒にお菓子を食べ、山談義で楽しいひと時を過ごす。



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Nさん、息子くんの弾丸トークにお付き合い頂きましてありがとう御座いました。



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のんびりしちゃったね。
ガスも増えてきたしそろそろ戻ろうか。

09:16、下山開始。



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構ってくれる大人が大好きな息子くんが、奥さんを捕まえて離そうとしない。



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この若葉が妙に気に入ったんだよね。
一年経った今も、見つける度に手触りを楽しんでいます。



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Nさんから貰ったフルーツが美味しかったね。



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さあ、足を引っ張っちゃ悪いからここからは別々に下りよう。
そう決めると、お二人はあっという間に見えなくなった。

やっぱり健脚だなぁ。



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11:00、下山完了。



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ご夫婦とは駐車場で再び合流し、昼食を食べた後は鼓川温泉で汗を流しお別れとなった。

Nさん、ブログの更新がこんなにも遅くなってしまいました。
加えて写真をお送りする約束をしておりましたがメアドを紛失してしまい送信することができませんでした。
本当に申し訳ない...。

金峰山では楽しい時間をありがとうございました。
またの再会を楽しみにしております。


さて、明日は日曜日。
食材の買い出しを済ませ、次の一座に向けて移動を開始する。
息子くんに、あの思い出の景色を見せてあげることができるだろうか。

記憶の道を歩いている息子くんの姿が脳裏に浮かぶと、なんだかとても不思議な気持ちになったことを良く覚えている。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

おしまい。

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by yama-nobori | 2018-07-18 23:24 | 登山 2017 | Comments(3)
Commented by ねも at 2018-07-20 08:38 x
お久しぶりです。
お、アップが早いじゃんと思ったら昨年でしたか(笑) 私はこの日、岩手山のコマクサに大喜びしてました。

下界は毎日暑いですね。3連休に、ゆたかさん仰る「帰省」してきました。16日は宿泊者20人ちょっとでゆっくりできました。榎田さんたちは変わらずお元気で。山もちょっと暑かったですが(汗)
Commented at 2018-07-20 12:57 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 平ケ岳のおじさん at 2018-07-30 12:40 x
御無沙汰しております。まさかゆたかさんにお会いできるとは夢にも思いませんでした。ちょうど一年前でしたが晴天下の国師ケ岳と金峰山
からの眺望は素晴らしいの一言でした。帰りに教えていただきました鼓川温泉は気に入ってしまい今年の5月にも再訪しました。6月初旬に日帰りで笊ケ岳に行ってきましたが、寝不足がたたり半分位で足がつり出し、子泣きじじいにいじめられました。今まで二回お会いしましたが、「二度あることは三度ある」と言われていますので又どこかの山でお会いすると思います。それまで楽しみにしています。
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