富士山選抜登山@陣馬山~高尾山 2017.06.10(土)


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「一度は登ってみたい。」
日本人なら誰しもそう思うのが富士山だと、少し前の記事で書いた。

今年50歳になる義兄もその一人。
人生節目の登頂を祈念した初詣の日から月日は流れ、決行の時が徐々に迫っていた。

高尾山の記事へはこちらからどうぞ。





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若干の焦りもあり、そろそろ作戦会議をやろうと義兄に打診したところ、せっかくだからトレーニングしたいとの返事があった。

それは素晴らしいと快諾し現地に到着すると...。



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げ、おっさんが増えてる。

義兄の先輩がいるとは聞いていた。
しかしその友人達まで一緒だとは...。

しかも揃って、運動習慣も山の経験も無いと言う。
加えて案の定、全員揃って日本一に登りたいんだと口にした。



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この頃の私には、義兄の富士山プランが重くのしかかっていた。

荷物は全て私が担ぎ、負荷を下げる。
御来光には拘らず、混雑のピークを避ける。
呼吸の浅くなる小屋泊を避けることで高山病を予防する。
最短の富士宮ルートを利用して、問題が発生したら小屋に放り込む。

最も心配なのは日程だった。
ご存知の通り富士山のシーズンは極端に短い。
ガチの山屋であればチャンスは一年中あるが、相手は運動習慣を持たない中年の素人だ。
よって、セーフティハウスとしての営業小屋の存在は大前提であり、天候を味方につける必要もある。
人としての尊厳を保つことのできない三連休は論外、その上、既に決っている互いの予定などを差し引くと候補日は決して多くはない。



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厳しい諸条件の中、それなりのプラン、持ち物リスト、候補日などを携えた私の前に現れたのが、神を見るような瞳で私を見つめる、志だけが無駄に高いおっさん達だったのである。

お願いだからそんな目で見つめないで...。
歩くのは自分なんだよ?

06:30、陣馬高原下から歩き始めた。



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義兄の富士山には「人生の節目」という大義名分があるので何とかしたい。
しかしその他のおっさん達はどうでもいいどうしたものか...。
そもそも日程調整は可能なのか。



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SNSでよく見るような、知らない人間同士でまともなリーダー不在のまま山に登るという行為は、愚の骨頂だと思っている。
そんな私が、何が悲しくて運動不足の見ず知らずのおっさん達と歩かねばならんのだ。
転倒、骨折、心臓発作、脳溢血、高山病...物騒な言葉が頭をよぎり不安でならない。
一番の心配事は私自身の精神



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ある程度の人間が集まると和を乱すやつが必ず現れる。
ペースを保たないと疲れるからと何度アドバイスをしても、だーーーーっと登って、ぜぇぜぇ肩で息をしながらへたり込む。



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そんな愚行を繰り返すおっさんを息子くんが呆れて見つめている。

息子よ案ずるな。
今日は富士山への選抜登山だ。

あれは勿論落第だ。



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今日の行程は高低差の少ない距離20km程度の散歩である。
主な目的は、義兄の靴慣らし。
登山らしい要素は限り無く少ない。



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年齢が近いこともあり話題に事欠くことはなかった。



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山に関する内容は皆無ではあるが、やんちゃな青春時代を送った人間ばかりだったので、それぞれの武勇伝に花が咲く。
某芸能人のひろみはスペクター時代には舎弟...



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おいおい、、、お前まで疲れたのか?



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そんなこんなで散歩を続けていると稜線が近づいて来た。



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お、良く見えてる!



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いつものように息子くんがダッシュする。



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07:40、陣馬山登頂。



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我々の目指す一名脱落、日本一の頂が良く見えていた。



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山座同定などには全く興味の無いおっさん達を尻目に、私は一人展望を楽しんだ。
お、赤石が見えてるぞ。



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何かの記事でも書いたが、私はこの馬の像を「十代くん」と呼んでいる。

十代くんは京王電鉄が陣馬山に人を呼び込む為に設置したシンボルで神仏とは無関係な代物だ。
なのに、時々お供え物が置いてある。
信者は当然男性なのだろう。
在りし日の自身の己自身を懐かしみ記念撮影を行った。



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しばらくだらけていると、素晴らしい景色も見たし、もう下山しようという本気の意見が聞こえて来たのでスルーする。



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地図でCTを確認し、慌てて重い腰をあげさせた。



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08:10、陣馬山出発。



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散歩道は空いていた。
人身事故の影響で、京王線が長時間に渡り止まったことが原因であったようだ。



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暑い日であったこともあり足取りはもはや老人の徘徊、早くもバテ始める我がパーティー。



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私は一人脇道にそれ、堂所山に立ち寄った。
久しぶりに訪れたピークには、随分と立派になった真新しい標柱が立っていた。



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次の山頂まであと僅か。



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10:00、景信山登頂。



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記念撮影もそこそこに休憩へと向かう。



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遠縁の親戚である某茶屋に挨拶し、息子くんといつもの天ぷらをご馳走になっていると...。

あれ。
おっさん達がいない。


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辺りを見回すと、一つ下の段で何やら盛大に始まっている。



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聞けば義兄の先輩が店主と同級生であるらしく、食べ切れぬ程の天ぷらと漬物、なめこ汁やビールにアイスが振る舞われ大いに盛り上がっている。



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でも、ぼちぼち次に行きましょうかね...。

どれが高尾山だかわかります?
まだ遠いんですがね...。



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すっかり体を重たくしたおっさん達。
10:50、足取り重くぼてぼてと歩き始める。



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暑いよねぇ。
あれだけ飲めば汗も出るよねぇ。



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でも歩かないと進まないからねぇ。
ぼてぼて...。



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11:30、小仏城山到着。



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ここでも勿論、しっかりと休憩をとる。



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息子くんと名物を食べた。



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お値段400円なり。
この大きさ、実に良心的である。



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ここまでで一名の脱落は決定だ。
これ以上増えない事を祈りつつ、そろそろ次に参りましょう。

12:10スタート。


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ぼてぼてと進む。



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ぼてぼてぼてぼて...。
更にぼてぼてと階段を登る。



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登り切ると想像通りの光景が広がった。



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うげぇ...。

富士山も霞でぼんやりだ。
というか、誰も見ようともしない

13:00、高尾山登頂。



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一眼に慣れていない人に写真を頼むと往々にしてこういう結果になる。
ファインダーを覗いている時点で妙な方向にレンズが向いているので気にはなったが、高尾山なのでこれで良い。



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撮影を終え逃げるように山頂を去った。
休憩なんて、させてなるものか。



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下山は人の少ない稲荷山ルートを選択した。



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みんな頑張ってくだせー。
頼むから怪我とか勘弁してくだせー。



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14:10、下山生還
無事の下山を一番喜んだのは、間違いなく私である。



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気が抜けてしまったのだろうか。
もう歩けないと言うのでベンチへと移動する。



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おっさん達はへたり込み、加齢臭を撒き散らしながらセルフマッサージを開始した。
その後は妖精でも見えていたんだろうか、30分以上口を開く者はなく、目がうつろで実に不気味であった。



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合格者は義兄だけかな。
申し訳ないけれど、あとは上手いこと断るしかないよね...。



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下山後は反省会の名の下に、馴染みの店へとやって来た。



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するとどうだろう。
さっきまで浜辺に打ち上げられ数日経過したサバの様な目をしていたおっさん達が息を吹き返した。

水を得た魚達は饒舌となり、もちろん山の話題は皆無ではあったが、山で一番駄目だったお調子者が話し上手であり実に楽しい。
気付けばすっかり意気投合してしまい、富士山登頂を誓い全員と固い握手を交わしている自分に気がついた。
哀しいかな、私も立派なおっさんなのだ。

少人数故にかろうじて成り立っていた富士山計画は、こうして破綻した。
夏富士に小屋泊で登る。
しかも運動不足のおっさん達を引き連れて...。

どうか毎週台風がやって来ますように何事も無く登頂できますように。
どうか義兄だけは全員揃って登頂できますように。

この日を堺に、私の頭の中は富士山でいっぱいになった。


おしまい。

今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

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by yama-nobori | 2018-04-15 06:53 | 登山 2017 | Comments(2)
Commented by humanspider2006 at 2018-04-19 09:28
いつも大変良質でためになる登山記録をここで読ませていただいております。
今回は都心に近い身近な山紀行で、いつもよりはビギナー向けだったのでコメントさせていただきます。
この山には数年前に友人と2人で何度か訪れました。高尾から陣馬、醍醐丸、秋川渓谷の方に降りたり、バスで都民の森の終点まで行ってこの前遭難があった三頭山から陣馬、高尾までを歩いたり走ったりしました。最近はトレイルのハセツネレースがあるところなので、それ風のランナーも多く、水場はほとんどないけどいい山だなあと思いました。
城山茶屋のでっかいかき氷はちょっと魅力ですね。相模湖の方のルートはまだ行ってないので、次は試したいです。といっても今年の目標は北岳なんですが。
また面白い山紀行を楽しみにおります。

h
Commented by ねも at 2018-04-24 09:15 x
いやぁ面白かったです。でもゆたかさんにしては、少しおとなしめの記述では!?
私もたまに素人から富士山に連れてってと言われますが、富士山より白馬岳のほうがずっと楽しいからどう?と返すとほぼそれっきりになります。
本番の富士山はどうなったのでしょうか? 興味津々(笑)
なお驚愕されそうですが、富士山未踏です。実際に登った人から良い話はほとんど聞かないので。
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