偉大なる通俗①@富士山 2017.05.27(土)



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八面玲瓏(はちめんれいろう)を辞書で引くと、「どこから見ても透き通っていて、曇りのないさま。」「心中にわだかまりがなく、清らかに澄みきっているさま。」「誰とでも円満、巧妙に付き合うことができるさま。」と書かれている。
美しく均整のとれた山容が生んだ、心地良い響きをもった美しい日本語だ。

深田久弥は書いている。
『世界各国には名山は多くあるが、富士山ほど一国を代表して国民の精神的資産となった山はない。』

全くその通りだろう。
富士の高嶺に起因する、歌・画・写真・文献・言葉は、一体どれ程の数があるのだろうか。
富士の名を冠した固有名詞も我々の周囲に満ちている。

「人生一度くらいは富士山へ登りたい。」

そう思うのは、至極自然なことなのである。





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蛭ヶ岳でIくんと再会を果たした際、翌週一緒に山に行こうと約束をした。
その候補の一つに残雪の富士山があったのだ。

数日間、天気図を睨み続け決行を決めた頃、同じ日に近所の変態T氏が別パーティーで入山することを知る。
詳細は改めて書く機会があると思うので割愛するが、彼等はとある大きな目標を掲げ結成された登山隊である。
せっかくなのでT氏を乗せて3人で前入りすることにした。



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深い霧の中、数頭の鹿をやり過ごしながら富士宮口五合目に到着すると、強風を伴った雨とみぞれが激しく降り始め、やがてそれは翌日の登山が不安に思えるほどの大荒れとなった。

軽く飲んで翌日に備える。
本物の岳人と触れたIくんには、とても良い刺激になったことだろう。
終始良い笑顔であった。
それにしても、T氏は心配無用だが、真新しいテントの彼はまともに寝ることができるだろうか...。

風に煽られ車が揺れている。
私は一人車中泊でにんまり心配で熟睡眠ることができなかった。

起床。
案の定、Iくんは辛い一夜を過ごしたようだ。
ペグも打てないからひどい有様



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外気温+5℃。
理論上山頂はマイナスだ。

山頂泊の計画である登山隊メンバーの到着を待つT氏の出発は遅かった。



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日帰りである我々は身支度を整え、T氏のテントを残しここで別れた。
あれれ、T氏の写真が無いw



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5:30、標高2400mスタート。



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彼はあの北岳の日から装備を整え、既に幾つかの冬山に登ってきたようだ。
大学生である彼は当たり前のことながら若々しく、しっかりした身体つきのスポーツマンだ。
体力は申し分無いだろうし、何より山が好きだという気持ちが全身から溢れ出している。
間違いなく楽しい山行になるだろう。



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多少の風が残ってはいたものの、昨夜の大荒れが嘘であるかのように、空は高く澄み渡っている。



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それにしても驚くほど雪が無い。
夏道をてくてくと歩く。



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入山者はさほど多くは無いようだ。



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残念ながら御来光を見ることはできないが、春の陽光に煌めく駿河湾を背負って短時間で登ることのできる富士宮ルートは、残雪期におすすめのコースである。



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標高が2700mを越えると、ようやく雪が繋がり始めた。
富士特有の硬い砂礫に靴底が削られるのを嫌い雪上を選んで進む。



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更に標高をあげるとアイスになる。

重たいアイゼンの使用を避けるため砂礫を選ぶ。
この時期のルート取りは何かと忙しいが、どこをどう歩いてもとやかく言う人間は皆無である。




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山頂の鳥居が見えてはいるが、まだ900m程の標高差が残されている。



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富士山はとにかくメンタル勝負の山だ。
特に晴れている日は距離感がおかしくなる。



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見下ろす愛鷹山が雄大だ。
この辺りで見えていた先行者を全て抜き去った。



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頑張れよ~!



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標高3000mを越えても雪はまだまだ繋がらない。



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変わり映えのしない行程を寡黙に詰める。



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標高が北岳に並ぶ。



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標高は確実に高くなるが、上をみても実感は持てない。
それを教えてくれるのは眼下に広がる雄大な景色である。

箱根連山と愛鷹山、そして海岸線が美しい。



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7:45、八合目池田館、標高3,250m到着。

流石に空気が薄くなってきたね。
呼吸乱すと体調悪くなるから.....でも元気そうだね(^^)



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あの鳥居をくぐれば、浅間大社奥宮の境内だ。



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やや強めの風が吹いており気温は低い。
果たして山頂はどうなのだろうか。



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斜度が徐々に強くなった。



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標高3370m、アイゼンを装着する。
雪がようやく繋がったのである。



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ここまでやや体が重たく感じていたが、エネルギーを入れると軽くなりペースがあがる。
九合目「万年雪山荘」(3,460m)通過。



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次にアイゼンを使用するのは半年以上先のことになるだろう。
雪の感触を楽しみながら高みを目指す。



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九合五勺「胸突山荘」(3,590m)通過。



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ここからが正念場。



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空はいよいよ紺碧となる。



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特に高山病の症状もみられない。
良いペースで嬉しそうに登ってくるIくん。

さあ、あと少し。



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ここらからは後ろ姿を撮らせてもらうね。



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うん、それだよ。



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初登頂は一度だけの宝物だ。
やや距離をあけ、後をついていく。



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日本一の山への初登頂が、これほど素晴らしい快晴の日に当たるなんてなんだか羨ましい。
私の想い出はここには書けない悲惨なものだったからなおさら



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さあ、そろそろついたかな。



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9:50、富士宮口登頂おめでとう!



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所要時間4時間20分、その瞬間に立ち会えたことが嬉しかった。



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さあ、本当の日本一へ向かおうか。

第二部の記事へはこちらからどうぞ。



今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

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by yama-nobori | 2018-03-24 11:09 | 登山 2017 | Comments(0)
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