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西丹沢の白き輝き②@矢駄尾根~檜洞丸~蛭ヶ岳~風巻尾根 2017.05.20(土)


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蛭ヶ岳を目指す第二部です。

第一部の記事へはこちらからどうぞ。






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09:18、檜洞丸を後にする。

それにしても初めての丹沢でこのルートを選ぶとは、流石変態知人の中で最も山を歩いている女性である。
武勇伝の多いSさんではあるが、ヤマビルに怯える姿が意外だった可愛らしい。
残念ながらこの日は最後まで見かけることは無くホッとした。



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金山谷乗越、神ノ川乗越、臼ヶ岳(1460m)、ミカゲ沢ノ頭(1421m)を経て到達する蛭ヶ岳は、アップダウンの連続するハードな行程である。




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少し進むとシロヤシオの群生地が現れた。



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しかしこの年は外れ年だったようで、余り多くの花を見ることはできなかった。



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加えて少しタイミングが早かったようだ。
それでもやはり、この清楚な白はたまらない。



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源蔵尾根下降点を通過、金山谷乗越(1300m)までやってきた。
蛭ヶ岳は近づくほどに高くなる。



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少し進むと下山に使用する風巻尾根が良く見るようになった。



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その後も小さなアップダウンを繰り返し、じりじりと標高を下げて行く。



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10:07、神ノ川乗越(1250m)。
檜洞丸から下げた標高は350m程ではあるが、数字以上にメンタルにくる。



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10:30、臼ヶ岳(1460m)登頂。
私と同じくらい暑さに弱いSさんは、ここまでの行程が心底辛かったようだ。



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臼ヶ岳には展望がある。
蛭ヶ岳から伸びる主稜縦走路を乗せた稜線がようやく見えるようになった。



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蛭ヶ岳を正面に捉えるべく、尾根はやや回り込む。
臼ヶ岳までにせっかく稼いだ標高は、無慈悲にも再び低くなる。



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コイワザクラの見事な群生地を通過。



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ミカゲ沢ノ頭(1421m)を通過すると、標高計がようやく上昇を開始した。



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鎖場を通過し振り返ると、檜洞丸は随分と遠くなっていた。




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遠くまで歩いてきましたね。
あと少し頑張ろう。



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さあ、あと少し。



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お、意外と空いてるね。



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11:55、蛭ヶ岳登頂。
Sさん初登頂おめでとう!!



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少しすると嬉しい再会があった。

彼は前年初冬の北岳で下山するよう促した大学生パーティーの一人。
私が蛭ヶ岳に向かうことを知り、Iくんは西丹沢自然公園から駆けつけてくれたのだ。

初冬の北岳の記事へはこちらからどうぞ。




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さぞ喉が乾いたでしょう。
蛭ヶ岳山荘でビールを購入し、彼にご馳走する。




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いや~うまいねぇ!

あの日からの山との関わりを詳しく聞いたところ、熱心に山と向かい合っていることがわかりすっかり嬉しくなった。
それじゃあ来週は、Iくん未踏のあの山に付き合おうかと約束し笑顔で別れた。



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13:20、顔を真赤にしたIくんを見送り蛭ヶ岳を後にする。

ここから先は、小御岳~ポッチノ頭~地蔵平~原小屋平~姫次~袖平山を通り神之川ヒュッテへと至る、丹沢屈指の激下りが待っている。
まずは緩やかに下げて行く。



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気温の割にさほど霞の強まることは無く、山々が良く見えていた。



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かつて小屋があったという原小屋平を通過する。
この山域では珍しく給水も可能ではあるが、近年大腸菌が検出されているので煮沸が必要である。



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14:25、姫次(ひめつぎ・ひめつぐ)到着。
平坦な地形ではあるが、山として地図に記載されているこの場所は、東海自然歩道の最高地点(1433m)である。

落葉松に囲まれた姫次は富士山の好展望地であり、晩秋の頃もおすすめだ。



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次に袖平山(1431m)を目指す。



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登山道は緩やかに続く。
尾根は大きく回り込み、これまで歩いてきた檜洞丸~蛭ヶ岳を大観すれば、晴やかな気持ちに包まれる。



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14:46、袖平山を通過。
ここから道志へ下りることのできる袖平山北尾根は、未だ歩いたことが無い未踏の尾根だ。



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檜洞丸はすっかり遠くなり、これから歩く尾根の先には風巻ノ頭が良く見えていた。



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下りに取り掛かると、この日一番美しいと思えるシロヤシオに出逢うことができた。



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15:30、風巻尾根唯一の鎖場を登り返し、更に進むと休憩所のある風巻ノ頭(1077m)に到着となった。




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私もSさんも暑さにやられ、へたり込むようにして暫く休憩をとる。



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ここからは激下りが待っている。
かつて膝を壊した苦い記憶が甦る。



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強い斜度を慎重に下る。
しかし以前より整備が進み、かなり歩きやすくなったようだ。



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人工物が現れればゴールは近い。



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橋を渡れば風巻尾根の入り口だ。



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振り返ると風巻ノ頭がやたらと高く見えていた。




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16:30、車道を進み下山完了。

Sさん、次回はもうちょっとキツイ緩いやつを紹介しますね。
お疲れ様でした。

おしまい。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

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晴れた日は、左の座席と決めている。

最寄り駅を出発してから約10分、弧を描き高台を走る車両は速度を落とし、やや傾きながら朝陽の中を進んで行く。
やがて対面の車窓に姿を見せ、右手後方へとゆっくり流れて行くのは丹沢山塊と富士山だ。
次の駅へと電車が滑り込んでしまうまでの僅かな時間、低い街並みを包み込むように高く聳え立つ秀麗なその姿を、サラリーマン達の垂れた頭越しに目で追って行く。

こんな日にあの場所にいられたらどんなに幸せだろうか...。
しかしそんな思いは、我先にとなだれ込んでくる人々に視界と共に断ち切られ、今日も始まる無機質で無色な昨日の続きを思い、心を暗くし目を閉じる。

今まで書いたことは無かったが、IT系の仕事で生計を立てており、新宿へ通っている。
決してハードな業務内容では無いし、ほぼ毎日定時で帰路につき、その気になればいつでも有給の使用が認められる恵まれた職場環境だ。
確実に座ることができるので、1時間程度の満員電車もさほど苦にならない。

しかし都会の風は常に悪臭を帯び、全ての音はイヤフォンから漏れ聞こえてくる不快なノイズと同義であり、原色の光が望まぬ刺激を執拗に目にねじ込んでくる。
この街の全てが嫌で嫌で堪らない。
だから五感を殺し、時の過ぎ去ることをただただ祈って一日を過ごす。
すると日々驚くほどに心が疲弊してしまい、帰宅後には何もできなくなる。

当初この異常な疲れの原因は、慣れない仕事と人間関係のせいだと思い込んでいた。
しかし時間の経過と共に、それは違うのだとハッキリと認識するようになった。
足早に通り過ぎて行く人々の数に孤独感が比例する、この都会にいること自体が嫌なのだ。

地上高100mを優に越すオフィスからは、南アルプスまでもが良く見えている。
しかし汚れたフィルター越しに望む峰々はよそよそしく、知らない山域のように思え、何も語り合うことは無い。

建ち並ぶ高層ビル群はまるで墓標のようだ。
ここは私の居場所じゃ無い。
無意味な一日が終わり、乾いた笑い声と色彩の溢れる無色無音のこの場所を出るのは脱兎の勢いだ。

季節は巡りようやく日が伸びた。
車両が傾き始める少し手前、私は決まって席を立つ。
まばらな街灯りの上に、残照を背にした大きな漆黒のシルエットが、静かに少しずつ近づいてくる。
それはその日見たどんな色よりも美しく、その日に話をした誰よりも人間らしさを以って、大きな声で「おかえり。」と言ってくれのだ。

こんな帰宅を終えた日は少しだけ元気が戻り、PCに向かって駄文を重ねることができる。
明日もせめて、左の席で一日を始めたいと願う。
だから最近、都会の快晴も無駄だとは思わなくなった。

以上、ブログが一向に進まない言い訳でした。


by yama-nobori | 2018-03-12 22:35 | 登山 2017 | Comments(1)
Commented by いっしー at 2018-03-12 23:35 x
先日はビールご馳走様でした〜〜〜
自分の中の山の転換点にゆたかさんはよく居ます。
また山でお会いしたいです^ ^
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