憧れのテン泊デビュー@平標山 2016.09.03(土)~04(日)



f0344554_20433568.jpg
平標山(たいらっぴょうやま)は、群馬県みなかみ町と新潟県南魚沼市にまたがる標高1983mの山である。
谷川連峰最高峰となる「仙ノ倉山」(2026m)とは、広く緩やかな稜線で結ばれており、展望と高山植物に恵まれたこの二座を歩くルートは人気のコースとなっている。
平標山の「標」とは、乗越の分岐点や分かりにくい場所に、目標の柱などを建てた所という意味なのだそうだ。





f0344554_20525816.jpg
平日の疲れが相変わらず酷く、テントを担いで山に登りたい気持ちはあっても準備する気力が残っていなかった。
かといって、準備の容易な低山ではあまりに暑く、日帰りで登りたいと思える山がどうにも浮かんでこない。
この週末も家でだらだら過ごして終わりだろうと考えていた。

そんな時、新潟在住のA嬢から平標山でテン泊デビューするんだと連絡が入る。
彼女がテントを買ったのはおよそ一年前。
北岳で使用するために購入したが、骨折諸事情により蔵入りとなっていた、いわくつきの装備である。
その後何度かテン泊の練習をしようと話していたが、なかなかタイミングが合わずにいた。

骨折北岳の記事へはこちらからどうぞ。

f0344554_20511912.jpg
聞けば、案の定ぶっつけ本番で登るのだという。
私も平標山から仙ノ倉山へと続く美しい稜線は一度歩いてみたかったし、体力の落ちている今の私には丁度良いコースだと思え、同行することを申し出た。
毎回とんでもない事をやらかすA嬢が心配だったのだ。

人生初となる関越トンネルを走り抜け車中泊を行った。
満天の星空の下走り続けてきたが、谷川山系が近づくと雨に叩かれた。

翌朝「越後湯沢」の文字を見て、新潟に来たんだなぁと嬉しくなった。
お天気は回復したようだ。


f0344554_20512060.jpg
三国トンネルを抜けた先で、ぴょんぴょん跳ねながら手を振っているA嬢と合流、登山口へと車を走らせた。


f0344554_20512175.jpg
今回は山の他にも楽しみがあった。
なんとA嬢の妹さんが一緒なのである。


f0344554_20512098.jpg
Mちゃんはぼぉ~っとしたどこか抜けている大人しい印象(本当は違うけど)のA嬢とは違い、明るく元気いっぱいの女の子だった。
挨拶を済ませ準備を整える。
6:00、登山届を提出し歩き始めた。


f0344554_20511974.jpg
登山口からすぐ、平元新道コースと松手山経由コースとの分岐がある。
これらを使用して周回するルート取りに人気があるようだ。


f0344554_20512382.jpg
f0344554_20512347.jpg
二人は平標山への登頂経験があった。
彼女たちの思い出話がとても楽しい。
いつもとは少し違う、A嬢のお姉さんらしい言葉遣いが聞こえてくるたびに可笑しくなった。



f0344554_20512496.jpg
何がどう違うのか明言することは出来ないが、ホームの山とは雰囲気が違う。
森や清流、そして空気が新鮮だった。


f0344554_20512441.jpg
二人があまりにも楽しそうなので、私は少し距離とり先行した。
しばらくは車道を歩く。


f0344554_20512289.jpg
晴れ予報であったがどうにも雲が多い。
それでも初めての山域、そして未だ見ぬ、たおやかに伸びた稜線を想うと心が躍った。



f0344554_20512976.jpg
テン場は「平標の家」という山小屋にあるのだそうだ。
テン場が小屋に隣接しているのは、初心者にとっては都合が良い。



f0344554_20512911.jpg
7:00、林道歩きを終え「平元新道登山口」に到着。
小休止の後、登り始めた。


f0344554_20513064.jpg
f0344554_20513014.jpg
登山道はとても良く整備されている。

お姉さんらしくテントを背負ったA嬢の足取りは重い。
Mちゃんはすたすたと登って行く。


f0344554_20512810.jpg
f0344554_20513696.jpg
途中、荷物を下ろして休憩を取った。
ここでA嬢があっさり音を上げ担ぎ手を交代。

あらら。
そんなんじゃ北岳は無理だったろうねぇ。
それにMちゃんの方が明らかに山向きな感じだぞ?


f0344554_20513633.jpg
整備は行き届いているが斜度はそれなりに強い。
鈍った体が重たく感じた。



f0344554_20513773.jpg
f0344554_20513867.jpg
f0344554_20513592.jpg
一瞬晴れ間があり苗場山が見えた。
その後はガスが強くなりテンションが下がる。

しかし楽しそうに登ってくる仲良し姉妹の笑顔が嬉しかった。



f0344554_20514472.jpg
f0344554_20514413.jpg
f0344554_20514549.jpg
8:20、「平標の家」に到着。



f0344554_20514595.jpg
f0344554_20514372.jpg
f0344554_20514843.jpg
f0344554_20514853.jpg
収容人員25人の小さな山小屋ではあるが、雪深い場所なのであろう堅牢な造りである。
水場からは冷たく美味しい水が豊富に流れており、トイレも清潔で手を洗うことも出来る。



f0344554_20514838.jpg
幕営の申込みを行いテントを張った。
私が設営を終えた頃、A嬢はまだポールの組み立てに悪戦苦闘の真っ最中だった。

わはは、まあ頑張れ。


f0344554_20514956.jpg
小石へと結ばれた、指で触っただけでぐらついている張り綱にダメ出しし、テントの再固定を行った。
完成おめでとう!


f0344554_20514737.jpg
天候は悪く無いはずだったがガスが強い。
それでも仙ノ倉山まで行くとなるとそれなりに時間がかかるので、ガス抜けをのんびり待つわけにも行かなかった。
9:10、最小限の荷物を持って、まずは平標山目指して歩き始めた。



f0344554_20515548.jpg
f0344554_20515637.jpg
f0344554_20515664.jpg
植生保護のためであろう、登山道はほぼ全てが階段になっており、これがなかなか足にくる。



f0344554_20515608.jpg
ガスの中を黙々と登る。
時折ガスが薄くなると、なだらかな山の斜面が浮かび上がる。
本当なら素敵な景色なんだろうな...。


f0344554_20515530.jpg
f0344554_20515813.jpg
標高が高くなるにつれ風が強くなってきた。
下りてくる登山者達は、口々に「凄い風でとっても寒い」と言っている。



f0344554_20515985.jpg
お、見えた...のかな?



f0344554_20515855.jpg
f0344554_20515949.jpg
9:44、「平標山」登頂。
強風の山頂で二人の到着を暫し待つ。


f0344554_20520377.jpg
「お疲れ様!」
「これじゃあ仙ノ倉山まではとても無理だよね、諦めようか?」と尋ねると、二つ返事で敗退が決まる。



f0344554_20520402.jpg
うぐぐ...仙ノ倉山行きたかったな。
せめて美しい稜線を眺めてみたかった。


f0344554_20520454.jpg
風はますます強くなり、寄りかかっても倒れない程となった。
たいして変わらないのにいつも前髪を気にするA嬢のおでこは全開だ。



f0344554_20520326.jpg
このあとガスが抜けるような気もするけれど...テン泊を楽しみに来たんだもんね。



f0344554_20520392.jpg
途中、平標山の主と談笑。
地元の登山者に愛されている山に外れはない。
主の熱い話を聞き、再び登りに来ようと強く思った。


f0344554_20521190.jpg
f0344554_20521269.jpg
ガスだけど、楽しそうだからまあいっか。



f0344554_20521242.jpg
f0344554_20521098.jpg
10:25、テン場に戻り、お昼ご飯を食べ少し寝た。


f0344554_20521335.jpg
f0344554_20521458.jpg
f0344554_20521501.jpg
爆睡後テントから顔を出すと、Mちゃんに天国じじい扱いされた青空が見えるようになっていた。
ただ稜線上の風は相変わらず強いままで、雲が足早に流れ去って行く。
笹を渡る風が波のようで美しかった。


f0344554_20522241.jpg
f0344554_20522223.jpg
f0344554_20522350.jpg
f0344554_20522326.jpg
f0344554_20522528.jpg
しばしまったりとした時間を過ごす。



f0344554_20522198.jpg
f0344554_20522614.jpg
f0344554_20522608.jpg
お姉さんなりに考えて、食料を色々と用意してきたようだ。
私のメニューは水も使わず5分で完成する冷凍チャーハンとソーセージ。
A嬢は一人用のコッフェルで二人分のラーメンを作ることに頭を抱えている。
シェラカップは無いので取り分けて食べることも出来ない。
野菜などは二人分を先に茹でてしまったようだ。
野菜の一時保管の為、予備で持ってきていたお皿を差し出した。



f0344554_20522758.jpg
結局腹ペコMちゃんに先に食べてもらい、コッフェルが空になった後に改めて一人前を作ることにしたようだ。
A嬢が食べ終わるまで一時間近くかかったのでは無いだろうか。
全くもって詰めが甘いのだ(笑)

山での調理も一つの技術である。
でも、初めてだもんね。
上出来かな?


f0344554_20523083.jpg
f0344554_20522428.jpg
その後風はやや落ちついて、この低い位置からでさえ、稜線上の美しさを容易に想像することの出来る素晴らしい光景が広がり始めた。
う~ん、でも今から登るのは面倒だよなぁ。


f0344554_20523188.jpg
f0344554_20523106.jpg
夕日を眺め、暗くなるまで山の話で盛り上がった。


f0344554_20523143.jpg
翌朝起き出してみるとガスの中だった。
雨ではないが新品のテントがぐっしょりと濡れていた。

朝食に焼いたホットサンドが好評だった。
山では水をあまり使わず、手早く作れる片付けいらずのものが良いんだよ。


f0344554_20523963.jpg
雨天での撤収方法、帰宅後のメンテナンスについてレクチャーする良い機会となった。



f0344554_20523934.jpg
f0344554_20524071.jpg
6:23、下山開始。


f0344554_20524020.jpg
f0344554_20523837.jpg
f0344554_20524275.jpg
標高が下がるとガスが抜け始める。



f0344554_20524258.jpg
f0344554_20524335.jpg
f0344554_20524382.jpg
f0344554_20524194.jpg
f0344554_20524721.jpg
f0344554_20524859.jpg
駐車場が見える頃にはすっかり青空となり、低い位置に美しい虹がかかっていた。



f0344554_20524919.jpg
8:00、下山完了。
おつかれさま!


f0344554_20524999.jpg
f0344554_20525528.jpg
f0344554_20524711.jpg
下山後は越後湯沢駅近くの温泉を案内してもらう。
ほのかな硫黄臭漂う素晴らしい温泉だった。


f0344554_20525543.jpg
f0344554_20525688.jpg
ずっと憧れていた越後湯沢駅の土産物コーナーで試食お土産を購入。



f0344554_20525416.jpg
f0344554_20525963.jpg
その後は「へぎ蕎麦」のお店で舌鼓を打ち解散となった。



f0344554_20525933.jpg
店の前からは素晴らしい山容の山々が見えていた。
あれが八海山と巻機山なのだと教えてもらい、また新潟に遊びにくる理由が増えたことが嬉しかった。

帰路、関越トンネルが近づくと雨が落ちてきた。
どうやらこの二日間、この谷川山系だけが不安定な天気だったようだ。
谷川岳がバックミラーに映る頃には、青空が戻ってきた。


f0344554_20525716.jpg
夢見ていた美しい稜線の景色は見ることが出来なかったが、久しぶりにとても楽しい山行となった。
今年こそは互いにテントを担いで何処かに登ろうと思っている。
でもトレーニングしておけよ!

引きこもりがちだった私の背中を押してくれたA嬢とMちゃんに感謝した平標山である。



おしまい。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


↓励みになりますので、よろしかったら『ぽち』っとお願い致します(^^)/


by yama-nobori | 2017-03-21 19:52 | 登山 2016 | Comments(2)
Commented by sen230727 at 2017-03-22 15:39
テン泊現場指導お疲れ様でした。
平標山?登ったことは無いが聞いた事が有る。田中陽樹氏の2百名山の登山で仙ノ倉山放映の時、
【たいらっぴようやま】と聞いて変わった山名と思った。改めて登山地図を広げてみるとこのルートから谷川岳
にトライできるコースが有りますね。強風で仙ノ倉山は残念でした、地図には360度大展望と記述がある。
下山してからのへぎ蕎麦の盛り付け、私の勤務時の記憶と違う!まあ良いか、美味しければ。
この新潟近辺の山で、花の百名山で霧の塔(1,994m)残しています。祓川コースから苗場山に向かい、
途中分岐点から小松原コースに入り霧の塔に向かう予定。今年登る事が出来るだろうか?
Commented by yama-nobori at 2017-03-22 20:41
> sen230727さん

実は2日前、猛ラッセルで谷川周辺を歩き回って参りました。
その深雪の稜線上から見た仙ノ倉山の美しさが頭から離れません。
残念ながら平標山は仙ノ倉山に隠れて見えませんでしたが再訪を誓ったばかりです。
さほど遠く無い積雪期、そして花の季節と草紅葉に登ろうと思っています。

花の百名山「霧の塔」、素敵な山名ですね!
今年は南アから少し離れ、あの周辺に通うことになりそうです(^^)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< トレーニングのつもりが...@... 息子くんと行く日光観光③ 20... >>