山は招く@雨乞岳 2016.06.18(土)



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雨乞岳(あまごいだけ)は、山梨県北杜市(旧:白州町)にある標高2,037 mの山である。
南アルプスの北端にある前衛山であり、全山が花崗岩からできている。
その名の通りかつては雨乞い信仰の山であり、同名の山は全国に数多い。

※扉の一枚は日向山から展望した雨乞山(2016.02撮影)。
 左斜面に白いザレ場の水晶ナギが見えている。




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横尾山からの下山後は、「白州塩沢温泉フォッサ・マグナの湯」で汗を流した。
この日は行動時間が長く、移動も加わって疲れ果てていた。
一刻も早くビールを飲みたい登山口へ向かい睡眠時間を確保したかったが、月を眺めながらのお湯があまりに心地よく、すっかりのんびりと過ごしてしまった。




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登山口は「ヴィレッヂ白州」の先にある「平久保池」のすぐ側にある。
車を駐車場へ滑り込ませて早速ビール眠りについたのは、かなり遅い時間となった。



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4:00に起床、飲みすぎたせいか昨日の疲れが残っているためか頭がぼけぼけだ。
立ちショントイレのため車のドアを開ける。
すると、目の前の木の上から黒い塊が「どすん!」と落ちた。

しばし呆然。
見つめ合った相手は熊だった。

慌ててドアを閉める。
もちろんトイレは中止。少しちびった
10m程の距離でもぞもぞ動いていたが、エンジンをかけクラクションを鳴らすと立ち去ってくれた。
しかし早く出すものを出したかったけれどしばらく外に出る気にはなれなかった。

ただ、熊のお陰で頭はスッキリ。
朝食を食べ身支度を整える。



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4:47、再度クラクションを派手に鳴らし、熊鈴と大音量のラジオをぶら下げ標高1130mから登り始めた。



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雨乞山へは山梨百名山の制定以前に登ったことがあった。



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登山道は石尊神社から登るコースと、平久保池からの二通りがある。
以前歩いたのは前者からのルートで、途中「水晶ナギ」と呼ばれる甲斐駒ヶ岳の展望台へも立ち寄った為になかなかタフな行程だった。
多少ルーファイを行い登頂した記憶があるが、その後は整備されたのであろうか。
山梨百名山に引きずり出される以前は、さほど名前も知られておらず登山道は荒れ気味だった。



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今回は近年整備されたという平久保池ルートからのピストンである。
かなりお手軽な山になったようだ。



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登山道はとても良く整備されており、道標なども豊富にある。
しばらく丸太土留階段の登山路が続く。
整備された遊歩道は道標三番まで続き、その後ようやく登山道らしくなる。




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熊のことをすっかり忘れ気持ち良く登り続けていると、前方の草木が揺れて固まった。

飛び出してきたのはキジの親子であった。
気を取り直して登り続ける。



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すると再び物音が聞こえ、大きな木が揺れる。
思わず後ずさると、今度は鹿が走り去って行く。

熊の存在を思い出してからは、獣達に怯えながらのビクついた山行となった。



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やがて梢の間から甲斐駒ヶ岳が見えるようになる。



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ガレ場の縁に開けた場所を見つけ思わず駆け寄った。



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う~ん、いいねぇ。
急峻な鋸岳、そして甲斐駒ヶ岳と鳳凰も間近に見えている。



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白く見えているガレ場は日向山の雁ヶ原だ。
息子くんと日向山山頂で幕営し、雨乞岳を眺めたあの日が懐かしい。

日向山の記事へはこちらからどうぞ。


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美しい笹原の登山道を行く。



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稜線の縁に付けられた登山道の勿体ぶった演出が実に憎い。
更なる展望を求め自然とペースが早くなる。



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さあ、次はどんな景色が広がるんだろう。



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気付けば見慣れぬ角度からの甲斐駒ヶ岳が蒼天に高くなっていた。



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ダケカンバやカラマツが多くなり、再び南側の展望が大きく開けるようになれば山頂は近い。



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6:45、「雨乞岳」(2037m)登頂。
所要時間約2時間での到着となった。



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爽快な展望だった。

日向山から伸びる日向八丁尾根が長大だ。
その奥には鳳凰山が良く見えている。



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日向山の向こうには富士山が小さく浮かぶ。



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北東には八ヶ岳。
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南東へ視線を向ければ、金峰山を始めとした奥秩父山塊が横たわる。

最近は一日に複数座を無理やり登っていたため、良い時間帯を歩くことのできていない山が多かった。
やはり山は朝が良い。



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展望をのんびりと楽しんでいたかったが、写真に映り込んでしまう程の高密度でアブが寄ってくるようになった。
下山後は更に三座登る予定もあったので、小休止のみで下山を開始した。



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暑い一日になりそうだ。
しかし早朝の空気は未だひんやりとしており、緑を通して落ちてくる光が涼しかった。



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見納めとなる鋸岳を目に焼き付ける。



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往路では確認しなかった「運が良ければ水場」に立ち寄った。
花崗岩で磨かれた水がスッキリと美味い。



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標高が下がると汗が吹き出すようになる。



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日差しが下草を焼くほどに強くなった。
山には今日も初夏の霞がかかるだろう。

夏には冬を思い、冬には夏が恋しくなる。
正しく季節が移ろうが故に、四季折々の自然を我々は愛しむ。



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春になれば山は瑞々しい喜びに満ち、夏になれば山はむせ返るほどの命が香る。
秋になれば山は装い、冬になれば山は白銀に眠る。

山に空疎な美辞麗句は似合わない。
山の四季はただ美しい。

山は強引に私を招き、そして離さない。



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8:30、下山完了。
さあ、次の一座に向かおうか。



おしまい。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2016-12-15 21:01 | 登山 2016 | Comments(0)
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