素晴らしき即席パーティー②@白峰三山縦走 2016.11.03(木)~11.05(土)



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肩の小屋を出発する第二部のスタートです。

第一部の記事へはこちらからどうぞ。




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4:30、先行するパーティーの身支度音で目を覚ます。
相変わらずの風が小屋を揺らしている。

温かいシュラフの中で改めて今日からの計画をイメージしてみる。

白根南嶺、蝙蝠岳、池山吊尾根...いずれにしろ強風の中進むのが少し面倒に思えてきた。
よし、じゃあ北岳だけはピストンして、前回宿題に残ってしまった小太郎山で幕営しようか。
N氏も起きたので私の予定を伝え、北岳までの行程のみをご一緒させて頂くことにした。

行程が決まって一安心。
当初の予定よりはかなり緩くなってしまったけれど、大好きな北岳を一日中眺めていられる贅沢な予定ににんまりである。

5:50、御来光の時刻が近づいてきた。
この時間特有の光の中、私の一番好きな撮影ポイントへN氏を案内する。

すると昨日は何も無かった場所に、テントが張られていることに気がついた。



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「おはようございます。T氏の友人の方ですか?」と声をかけると「はい!」と笑顔の素敵な女性が顔を出した。
聞けば昨日17:00過ぎ爆風の中到着し、旦那さんと二人してようやくの思いで設営したのだそうである。

これからの予定を聞くと、白根三山縦走とのことだった。
ただ北岳から先には行ったことがなく、間ノ岳からのルートと雪、そして前日から続いている風に行程を決められずにいるとのことだった。
確かに間ノ岳から先のトレースに期待は出来ない。
快晴であれば迷う場所は少ないが、一度ガスが出れば大門沢への下降点はわかりにくく、危険な通過箇所も多い。

私なりにアドバイスし、互いの行程を進むこととなりお別れとなった。



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6:00、力強い朝日が周囲の山々をモルゲンに染め上げる。
風は強いままであったが、澄みわたった快晴の一日が始まった。
気温は-10℃程度であるが体感温度はかなり低かった。



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風は徐々に収まる予報である。
N氏と北岳をピストンすることは決定事項であったので、一旦小屋に戻りしばらくのんびりすることにした。



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朝食を食べ地図を広げる。
するとテントの二人が気になり始めた。

うん、降雪直後の白根三山を歩かせてあげたいな。
それにこんな晴天続きの日もなかなか無いだろう。



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案内人になることを申し出ると、二人揃ってにっこり笑顔。
とても素敵なSご夫婦である。



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行程を再度変更する旨をN氏に伝え、一緒に行かないかと誘ってみる。
すると快諾。
こうして即席パーティーが誕生した。

風が収まることに期待し、出発時間をやや遅い8:00に設定する。



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即席パーティーを組むようなことは滅多にない。



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しかしN氏は20年以上の登山歴があるベテランであったし、S夫婦においてはT氏の友人というだけで変態に決っている。
事実T氏との出会いもアコンカグアのトラバースだったと言うのだから案の定のド変態夫婦だ。

そしてこの快晴。
私の好きな南アルプスを紹介するにはもってこいの登山日和である。



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8:00、準備を整えまずは北岳に向け出発!


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私とS旦那は12本、S女房は10本、N氏は6本。
一部岩が露出しており北岳手前での前爪はオーバースペックな状況だった。



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ときおり突風が吹き付けてくるがクラストも無く危険箇所は無い。



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S夫婦は半年振りの登山になるのだそうだ。
その状態で3000m峰の縦走を計画するのだから頭が下がる。

少しづつ広がって行く大展望にみんな揃って良い笑顔だ。



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両股分岐を通過。
紺碧の空が美しい。


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素晴らしい景色に何度も振り返る。



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やがて間ノ岳へと続く日本一長い3000m稜線が見え始めた。
二週間前、次にこの景色を見るのはいつの事だろうかと思っていたが、まさかこんなに早く再訪することになろうとは...。

あれが間ノ岳であることを伝えると「遠いねぇ~」と変態らしく喜ぶ一同。



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北岳山頂が見えてきた。
さあ、あと少し。


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8:40、北岳登頂。
ここでメンバー登頂の瞬間を狙う。


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8:46、S夫婦到着!


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8:48、N氏北岳初登頂!
おめでとう!


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風はかなり穏やかになった。

最近素通りばかりであった北岳山頂で久しぶりにゆっくりとした時間を過ごす。
皆の笑顔がとにかく嬉しい。
万歳三唱の声が澄んだ青空に吸い込まれて行く。
大好きな北岳にまた新たな素晴らしい思い出が加わった。

しかし残念なことにカメラが不調をきたす。
よって、ここから先はフォーカスのずれた写真と、借り物やスマホ画像の混在となる。



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マニュアルならどうにか撮影することが出来そうであったが、日差しが強く現場ではピントが怪しかった。
それにそうそう撮影だけに時間をかけているような余裕は無い。
先はまだまだ長いのだ。


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その反面、メンバーが撮影してくれた自分の写真を使わせて頂こうという気になった。
撮られる側はどうにも慣れないが、滅多に無いことなので有り難く貼って行く。



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9:15、間ノ岳目指して歩き始める。

ここから先、三人は初めて歩くことになる稜線だ。
さあ、頑張ろう!



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八本歯への分岐までやってくるとヘリが現れた。
風が収まるのを待っていたのであろう。
先日八本歯から滑落し、夜を越すことができずに亡くなられた登山者の収容作業である。



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夏道をそのまま歩くことができた。
おそらく根雪にはなるだろうが、本格的な雪山になるにはまだまだ時間がかかりそうだ。

11/6で今年の営業を終了終える北岳山荘が見え始めた。



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二週間前に激闘を繰り広げた弘法小屋尾根が白くなっていて感慨深い。



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10:00、皆の足取りもしっかりとしていて行程は順調だ。
北岳山荘で小休止をとる。


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これから向かう間ノ岳へは、風を遮るものの無い稜線歩きとなる。
10:20、行動再開。


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ここからしばらく危険箇所は無い。
我々だけの稜線と、離れるほどのに迫力を増していく北岳を写真に収めたくて、私はやや先行する。



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余程風が強かったのだろう。
さほど雪が多いわけではないのにシュカブラができていた。



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徐々に伸びて行く南陵稜線。
日本一長い3000m稜線はこの辺りからスタートする。

間ノ岳手前、過去何度か言葉を交わしたことのあるカメラマンと出会いこの先の雪質を訪ねた。
雪に問題な無く、なかなか良い間ノ岳を撮影することが出来たとご満悦であった。



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11:15、中白峰山登頂。
小休止の後、間ノ岳目指して歩き始める。


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あれほど遠くに感じた間ノ岳が眼前に大きくなり、北岳は随分と遠くなった。



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弘法小屋尾根が見えるようになると、ハイマツの匂いを思い出した。

二週間前に一般道を認めた場所はこの辺りだったであろうか。
あの時の気持ちが不意に蘇ってきた。


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12:54、間ノ岳登頂。
N氏が到着と同時に雄叫びをあげる。



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S夫妻は仲良くそろって笑顔での登頂だ。



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雪山でパーティーならではの一体感を味わったのは久しぶりだ。
荷物を放り出しての撮影会を開始する。



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私は南アルプスの布教に余念が無い。
間ノ岳を西に逸れれば仙塩尾根に乗り、塩見岳の直下を経て蝙蝠岳へと至る。
その遥か先に見えている荒川岳と赤石岳、更には聖岳を経て光岳へと縦走路は続く。

今年もまた蝙蝠岳で寝ることが出来なかった。
『山は逃げない』という言葉は、敗退時の言い訳か無責任な他人の発する慰めの言葉だ。

『山は逃げる』
来年以降に宿題を残してしまったことが少し残念だった。



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膨張色である雪の白が遠方の山々を近くに寄せている。
これからの季節、山はより美しくなる。

目の前のでかいやつが農鳥岳で、我々の目指す農鳥小屋はその鞍部にあるんだよ。

森林限界を何度も繰り返し行き来する南アルプス独特の大きなアップダウンの話をすると、みんな揃って南部に行ってみたいと言ってくれた。
変態らしい反応が実に心地良い。



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うん、蝙蝠岳で眠ることよりずっと貴重な時間だな。
即席パーティー最高じゃないか!



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13:25、たっぷりと展望を楽しみ間ノ岳を後にする。
ここから先は下りのみ。
約1時間程で本日の行動は終了となる。


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北岳とは明日までお別れだ。
やや尖り始めた北岳の姿を目に焼き付け、一気に400mの下りに取り掛かる。

さあ、あと一息頑張ろう!

第三部の記事へはこちらからどうぞ。

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by yama-nobori | 2016-11-13 13:38 | 登山 2016 | Comments(0)
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