激藪の弘法小屋尾根③@間ノ岳 2016.10.15(土)~16(日)



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弘法小屋尾根の激藪に突入する第三部のスタートとなります。

第二部の記事へはこちらからどうぞ。




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11:25、標高2620mついに激ハイマツ帯へ突入となる。



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身の丈を優に超えているために前方への視界はない。
可能な限り幹に乗り、顔を叩かれずに済むよう頭を下げて前へと突き進む。



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運良く安定した幹に乗ることが出来れば素晴らしい展望だ。
見慣れない角度からの北岳が蒼天に凛々しい。



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しかしそのような機会はなかなか訪れない。
ハイマツは四方八方に枝を伸ばし行く手を阻む。



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右上のピークが地形図に数値のある2821Pであろう。
距離はさして遠くはない。



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しかし遅々として進まない。
降雪直後の深雪ラッセル相当の体力消費だ。
運良く視界が得られたら、進行方向を見失わないようその都度頭に叩き込んで再び潜る。

この頃から、憧れ続けてきた細川カールの全容が徐々にその姿を現し始める。



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隣の尾無尾根には3000m付近までハイマツが付いていることを確認することができた。
ということは、こちらの尾根も同じ状況だということか。



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かつて存在していた登山道を隠しているようなハイマツ帯の突破なら、さほどの大仕事ではない。
しかしこの弘法小屋尾根の彼等は、全く逃げ場を与えてはくれなかった。

密度が薄く幹が横に流れている方向へと自然と体が流される。
しかしそれを続けていると稜線を外してしまうので、都度の軌道修正が必要となる。
この僅か2~3mの修正に要する体力は筆舌に尽くし難い。

目標に向かって最短距離を結ぶのが正解であると気付くのに随分と時間がかかってしまった。



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そしてようやく激藪を抜ける。
ここまでに十分な達成感を味わい、そして安堵した。



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予定より3時間程早い到着だった。
この標高2700m地点のハイマツの切れ間は、森林限界突破後、最初に現れる幕営適地となる。

間ノ岳との標高差は、残すところおよそ500m。
ここで幕営し、翌日暗い内から歩けば大丈夫だろうとの考えがよぎる。

しかしその刹那。
この先に広がった絶望的な光景を目にした私は、2821Pの存在を思い出した。



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左上が地形図からは読み取りにくい2821P手前の小ピークである。
ここまでの藪漕など序盤戦に過ぎなかったのだ。



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スプーンですくったかのような細川カールが美しい。
ずっと以前からこの角度からの間ノ岳を眺めて見たかった。

なんて巨大な山体なんだろう。
白峰山脈と赤石山脈はあの直上で結ばれる。



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尾無尾根の向こうには大唐松山尾根を引いた農鳥岳が大きかった。



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池山吊尾根を引いた北岳の尖塔が碧天に高い。
極上の幕営適地じゃないか。

ここで眠れば素晴らしい時間の移ろいを眺めることが出来るだろう。



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しかし後ろ髪を引かれる思いで前へ進むことを決めた。
この藪をヘッデンで進むのだけはどうしても避けたかった。



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しばらく写真を撮る余裕が無くなった。
あまりのハイマツの手強さに稜線を外し岩稜へと逃げた。



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そして後悔する。
登り返しの斜度は強く、ハイマツを両手で握りしめ力任せに体を持ち上げる。



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バキバキと音を立て、尾根上への復帰目指してとにかく進む。



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そしてようやくの思いで復帰し目に飛び込んできたものは、相変わらず続く呆れるほどのハイマツの海だった。



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弘法小屋尾根を振り返る。



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12:40、再び写真を撮る余裕が無いままで漕ぎ進むと、整地すれば幕営可能な場所が現れた。
2821Pのやや手前である。


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しかし、先程の2700m地点と同じ理由でここも立ち去ることにした。
近づけば近づくほど、間ノ岳が遠くに感じるようになったのだ。



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程なくして現れる幕営候補地もパス。
彼等の勢力は全く衰えない。

寡黙にハイマツの大海原を進む。


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鳳凰は既に眼下に感じるようになる。
辻山が立派な一座であることを主張している美しい稜線風景だ。



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北岳も見慣れた姿になり始めた。
北岳山荘の水場もよく見えるようになる。


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弘法小屋尾根が長くなった。
そう、遅々とした歩みではあるが、標高は確実に高さを増しているのだ。



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目指すはこの難ルートの先に待つ小さな一点だ。
必ずその場所に立ってやる。

この頃になると彼等との付き合い方もようやくわかり始めた。



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13:01、幕営候補地としていた中で、最も標高の高い位置に辿り着いた。
2821Pにある安定した平坦地である。



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展望は文句のつけようがない。


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ハイマツもようやく背丈を落とし、目指す稜線上の先にある間ノ岳もさほど遠くには感じない。
素晴らしい幕営地に大満足だった。

荷物を放り出しこの先の偵察へ向かう。



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そして、愕然。

近いだなんてとんでもない。
今までとは全く違う、痩せ尾根の岩稜帯が続いていることがわかったのだ。



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その上、地形図上には現れていなかったアップダウンが続いている。
そしてなにより驚いたのが、その痩せ尾根を覆い尽くしているハイマツ達の隆盛ぶりだった。



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この先に幕営可能な場所があるかわからなかったが、幕営は取りやめ少しでも進んでおくことにした。
ただでさえ足場の悪い痩せ尾根に密集したハイマツ達が実にいやらしい....



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稜線に近づきすぎてしまったので展望はやや狭くなる。



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しかしここまでの行程でさえ、予期せぬ渡渉と地形、手強すぎるハイマツに行く手を阻まれ続けた。
この先にも何が待っているのかはわからない。

展望よりも優先すべきは他にある。



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体力的には全く問題はない。
時間も十分にある。
動けるうちに進み、明日からの行程を楽にしたほうが賢明であろう。

明日の予定は間ノ岳に立ってから決めるつもりだ。
南北どちらに向かうにしろ、時間の余裕はあるに越したことはない。



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次に目指すは右手の2935P。
ハイマツの背丈は随分と低くなり、慎重に進めば問題はなかろう。

次に現れるであろう平坦地求めて先に進むことを決めた。
さあ、安息の地目指してもうひと踏ん張りだ。




第四部の記事へはこちらからどうぞ。


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by yama-nobori | 2016-10-23 09:07 | 登山 2016 | Comments(1)
Commented by yama-nobori at 2016-10-30 22:06
> chat77さん

わー、chatさんその節は短い時間でしたが濃密なひと時をありがとうございましたw
各々のペースで登って、テン場合流。
今度はゆっくり山の中でお話しましょう。
そんなのも素敵ですよね!
どこかリクエストがあったらお声がけ下さいね!
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