頂上と実質的な山頂@富士見山 2016.06.15(水)



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富士見山(ふじみやま)は山梨県身延町にある標高1,640mの山である。
富士川の西側に大きくそびえるその山体は実におおらかな山容だ。
山名由来のそのままに富士の絶景が望め、振り返れば南アルプス南部の山々が一望に収まり、遠く白根三山までを眺めることのできる展望の山である。
2月8~12日、11月1~3日頃にはダイヤモンド富士が見られることでも有名だ。





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七面山の下山後に向かったのは山梨百名山の一座である富士見山。
平須登山口目指し、約1時間程の移動となった。

七面山の記事へはこちらからどうぞ。


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ナビを利用するなら「なかとみ青少年自然の里」をセットすると良い。



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その後は狭い集落の間を抜け急坂を登って行くと、10台程が停めることのできる駐車場に到着する。



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駐車場のすぐ近くに平須バス停があるが、運行は平日のみであり本数も少ない。
南部の山梨百名山は往々にしてマイカー以外のアクセスは厳しい印象だ。



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登山口はバス停の目の前にある。
山梨百名山にしては珍しく明瞭な看板があり一安心。

「山梨の百名山」「山頂まで徒歩3時間30分」「展望台まで2時間30分」と書かれている…が、この時はあまり気にとめる事も無く撮影を行った。

7:35、標高約700mから入山となる。


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階段を登るとすぐに植林地となる。
道標が豊富に設置されているが50m間隔なのは短すぎて少々煩い。



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大岩を通過すると林業関係者のものと思われる作業小屋が現れる。



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7:50、歩き始めて僅か15分で「山頂まで2時間」と書かれた道標に出会う。

登山口の看板を信じるならば、まだ3時間15分はかかるはずなのに....。
いくらなんでもそんなに巻けるはずがないと不思議に思った。



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登山道は良く整備されており急登も無く登りやすい。
国道52号を走ると、昔から「でかい山体だなぁ」と眺めていたので身構えてやって来たが、あまり心配することは無さそうだ。



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やがて短い尾根に乗る。



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1150m地点からは水平道となり、少し進むと注意喚起の看板が現れた。



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崩落したトラバースがありトラロープが張られていた。
雪が着くと少々やっかいな通過点になるだろう。

同レベルの崩落地がこの先にもあった。


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この日は残念ながらガスが強く、全く展望が無い。
本来なら迫力ある崩落地の様子や、時折、富士山の姿を眺めながら歩くことができるのだそうだ。

8:40、「山頂まで1km」。


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8:47、標高1450m。

「山頂まで0.75km」「あと30分」。
道標の数字が刻み始めた。




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8:53、「山頂まで0.5km」「あと20分」。



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標高1600mである「御殿山分岐」で稜線に乗る。
目指す富士見山へは南下となる。

ただこれだけ道標があれば迷うはずもない。


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9:00、「山頂まで0.25km」。

この僅か10分間の区間で、一体いくつの道標を見ただろうか。
過去に大きな事故でもあったのか。



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感覚的に0.2kmを進んだ頃、前方が明るくなった。
よし、山頂だ。


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9:03、「富士見山」登頂。

CT210分対し所要時間は90分であった。
それにしてもコースタイムの40%とは....なんて甘い設定値なんだろうか。



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残念ながらご覧の通りガスに覆われており、富士山の姿を見ることは出来なかった。
下山後には更に二座登る予定がある。
兎にも角にも、早く登頂出来たことは良いことだ。

短い休憩の後、下山しようと立ち上がり奇妙な事に気がついた。
山梨山頂標の代表である、お団子タイプの標識には「1640m」、その下のおせっかい親切タイプの道標には「1639m」の文字...。



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更には祠の横にこんな道標が落ちていた。

慌てて地形図を引っ張り出す。
すると現在立っている場所は単なる小ピークであり、この先の三つ目の小ピークに三角点が打たれている。

「おいおい...ここはいわゆる実質的な山頂ってやつなのか」


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山梨百名山には標柱の立っている場所が最高地点ではないという山がいくつもある。
春日山・棚横手・源次郎岳・岩殿山・羅漢寺山・鶏冠山・大蔵経寺山....、数え上げたらキリがない。

この富士見山もお団子標識が示しているように、元々はこの富士見山展望台が実質的な「山頂」であったのであろう。
山梨百名山の制定とその標柱設置に当たり、何故この富士見山は最高点に拘ったのであろうか。
融通の利かないくそ真面目な役人仕事をするこの担当者なら、鳳凰地蔵岳の場合はオベリスクに設置しかねない
それほどまでに魅力のある場所なのか。

すっかり下山モードになっていた心と身体を「山頂」に向けた。
地形図を見る限りほぼ高低差は無い。
つまり「山頂まで30分」=「往復60分」のCTということだ。



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「山頂」に向かうとあれほどあった道標はパッタリと無くなり、ようやく現れたそれに書かれた時間は、なんと空白だった...。
おいおい、あんまり笑わせないでくれ



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七面山で「感謝」することを覚えた私であったが、早くも忘れてしまいそうである。
足早にぐいぐいと進む。



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当然のことながら地形図から読み取った通りの地形が続く。
微妙なアップダウンが妙にいらいら疲れる。

登山口にあった看板のCTは「最高点である山頂」を指していたのであろう。
今思えば「山梨の百名山」の文字があった。
おせっかい親切標識は「実質的な山頂である富士見山展望台」を指しているのは距離感からして間違いなかった。



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まったく、ブログになんて書いてやろうか....などと考えながら更にぐいぐい。
このガスガスな状況がネガティブ思考に拍車をかける。



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平坦な登山道になったのでメールチェックを行いながら歩いていた。
すると右側の視界に何かが通り過ぎた。

振り返り....「ぎゃはははは」。
思わず声を出して大笑いしてしまった。



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平坦な登山道の横に山梨百名山の山頂標が立っていた。
確かに三角点もある。

9:22、「富士見山」(1640m)登頂。
視界不良の時などには気が付かないかもしれないほどに周囲と同化している。
この登頂の瞬間は、「最高点」への山頂標設置に拘った山梨百名山選定委員会の方を問いただしたいと、ぜひとも話をしてみたくなった瞬間でもあった。

おせっかい親切標識には「頂上」の文字。
こちらは「山頂」と文言を使い分けているらしい。



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振り返ってみたが、おせっかい親切標識が無かったら恐らく気が付かなかっただろう。
展望は無く腰掛ける場所も無いので早々に戻ることにする。



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展望台直下の急登が憎らしいキツい。



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本日二度目となる、頂上、いや山頂…、あ、実質的な山頂、あ~めんどくさい展望台に戻ってきた。



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それにしても、展望の無いあの場所が「富士見」山の山頂だなんて、あまりに滑稽過ぎるのでは無いだろうか。
やはり山頂は、明るく抜けていることに越したことはないと思う。
ましてや山梨百名山制定前には、この場所が「山頂」として受け入れられていたはずだ。

しかし時には、山頂の位置を再検討し明確に周知した方が良いのではないかと思う場合もある。

深田久弥の踏んだ浅間山は最高点そのものであったが、その後は前掛山となり、現在は黒斑山が実質的な山頂であると言えよう。
この禁を犯しその醜態をネットに流す輩が未だにいることが信じられない。
御嶽山もまた然りである。
深田久弥に罪はないが、その弊害であることは間違いない。

浅間山の記事へはこちらからどうぞ。


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念力教会の奥之院に一礼し、私にとっての「山頂」をあとにした。



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標識と数字に翻弄されてしまったが、富士見山は良い山であると思う。



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今回は景色を見ることが出来なかったので、再び訪れてみたいと考えている懐の大きな一座であった。
しかし三角点に触れることはもう二度とない。



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10:55、下山完了。
「山梨の百名山」での往復CT360分に対し、所要時間は200分であった。

さあ、次の一座に向かおうか。



おしまい。

今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2016-10-10 18:49 | 登山 2016 | Comments(0)
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