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過疎の里山@三石山 2016.06.11(土)



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三石山(みついしやま)は、身延町にある天子山地に属した標高1173mの山である。
山頂部に三つの巨岩があり、この岩から山名がつけられた。





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三石山は、思親山とセットで登られることも多く、井出駅と身延駅を利用することでスムーズな縦走が可能となる。
車の場合は、身延駅の東の山中にある「大崩地区」に駐車場と登山口がある。

先程登頂を終えた「十枚山」の登山口からは、およそ22km、1時間程の移動を行い身延駅までやってきた。
駅からは道標に従い、まずは中部縦貫道の工事現場を通り抜ける。
その後は山のある方向に進めば大崩集落へと通じる林道へと至る。

さて、この林道がなかなか凄かった。
桑柄川沿いの道を走るのだが、道幅は狭くすれ違いは不可能。
凹凸や落石も多く斜度も強い。
緊張を強いられる危険な林道を3km程ぐいぐい進んで行くと、唐突に道が広がり舗装路となる。
そして驚いたことに、立派な民家がいくつか建っている。



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大崩地区は上と下の集落に分かれており、両方合わせても十軒ほどの小さな集落だ。
標高550mの下集落からは、更に2km程走る。
すると、駐車場のある標高670mの上集落に到着となる。

5台程停めることができるこの駐車場は、大崩地区の方々がが登山者へ提供してくれている貴重な平坦地である。
感謝して利用させて頂こう。
※トイレ無し



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なかなか立派な道標が建てられており、思いの外整備が行き届いているようだ。
11:40、三石山目指して歩き始めた。


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道標に従い「三石山ハイキングコース」に入る。
するとごく一般的な民家裏の畑に出る。



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畑を守る優秀な番犬に吠えられまくり、逃げるようにしてその場を離れた。



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この時期訪れる登山者は少ないらしく、下草が育っており登山道はやや不明瞭であった。



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振り返ると、小さな大崩地区の向こうに、七面山が大きい。


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畑から樹林帯に入るとルートは明瞭となる。
よく整備されており道標も豊富である。


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スズタケの多い樹林帯だ。



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「椿草里」への分岐で尾根に乗る。


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しばらくは緩やかな雑木林の中を行く。



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その後は身延町と南部町の堺界尾根に乗り南下となる。


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三角点を過ぎるとすぐに三石峠の展望台が現れる。

ぼんやりしているが、七面山のナナイタガレと身延町の街が良く見えていた。
今回の山行ではすっかり南アルプスに嫌われたようで、この日もガスの中にいる秀峰達に思いを馳せるのみに留まった。



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展望台を過ぎると斜度が強くなり、ようやく山登りらしくなる。



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短いながらも岩場があり、危険箇所にはロープや鎖が設置されている。



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岩場を過ぎると古いブナの多い天然林となった。



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天然林を過ぎるとヒノキ林の緩やかな登りとなり、再び自然林となる。
山頂までは残り300m。


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さて、三石山の山頂には、大崩地区の人々が数百年にわたって守り続けている「三石大明神」の社殿が建っている。
甲斐国志には「大崩村ノ東ニ存リ山中ニ三ツ石明神ヲ祀ル早天ニ土人登零ス」と、村と三石山に関する記載が残る。
社殿の横にある三つの巨岩を信仰の対象とし、かつては雨乞いの儀式などが行われていたそうだ。



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大崩地区の人々は年に数回、標高差500mの山道を登り、参拝を行い手入れを続けている。
登拝のためにスズタケを刈り、登山道の整備を行っているのも地区の方々である。

歩きやすい登山道に感謝である。



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やがて社殿が見えてくる。
材料を運び上げた人々の努力がしのばれる。


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三石山は、過疎に悩む小さな山里に暮らす人々の精神的な支えなのである。



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趣のある鳥居の向こうに、巨岩が見える。


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巨岩の前に建っている小さな社殿が三石明神奥宮だ。


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社殿の横を僅かに進むと山頂だ。



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12:50、「三石山」(1173m)登頂。
所要時間は1時間10分であった。

山頂部は森の中にあり展望は無い。


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改めて参拝することにした。


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小さい社殿ではあるが、とてもしっかりとした建物だ。



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アルミサッシの戸を引き、中に入って手を合わせた。

参拝を終え振り返ると、「三石山参拝日誌」と書かれたノートが置かれていることに気がついた。
最初のページには「ご自由に記入して下さい。大崩地区。お気づきの点は遠慮なくご記入下さい。」と書かれている。
ページをめくると、登山者達の三石山への温かい言葉が数多く並んでいて嬉しくなる。



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登山対象の「山」としては、魅力は少ないのかもしれない。
けれど、山里の人々の思いが伝わってくる三石山は、静かな気持ちになれるとても良い「山」であると思った。
次回は、登り始めから「参拝」する気持ちで訪れてみようと思う。



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しかしそんな静かな気持ちも、この忠犬にかかっては台無しにされる。
逃げるように駐車場に向かった。


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14:00、下山完了。

さて、三石山のCTは往復3時間50分。
11:40に出発したので、本来ならば15:30の下山予定である。
中途半端な時間になりそうだったので、のんびり温泉につかって帰宅する考えで登っていた。

しかしこの時間に下山できたなら、いんちきして楽をしてもう一座行けそうだ。

そうと決まれば移動を急ぐ。
例の狭い林道を慎重におりる。
すると、やたらと飛ばして登ってくる対向車と対峙した。
相手のすぐ後ろには待避スペースがあったので、下がるように伝えてみるがガンとして動かない。

しかたなく1km程の危険な急斜面をバックで登ると、挨拶も無しに、大崩地区のとある民家の車庫に軽トラが入っていった...。

「山への思い」=「人の優しさ」では無いことを痛感した三石山であった。



おしまい。

今回も最後までお読みいただきまして大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2016-09-18 00:21 | 登山 2016 | Comments(0)
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