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武田家支えた黒川金山@黒川鶏冠山 2016.05.25(水)



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鶏冠山(けいかんざん)は、山梨県甲州市にある標高1716mの山である。
鶏冠山と名のつく山は多く、同県の三富村にも「とさかやま」と呼ばれる鶏冠山がある。
これらを区別するため、黒川山と鶏冠山などのピーク群を総称し黒川鶏冠山と呼ぶことも多い。




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黒川鶏冠山へのルートはいくつかあるが、最も一般的な登山口は、青梅街道の最高地点となる「柳沢峠」である。
しかし今回は、ひょんなことから「ハンノキ尾根」と呼ばれるルートから登頂することとなった。


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この日は「棚横手山」「大蔵経寺山」「兜山」を登ってきた。
各々が低山であり標高差自体も少ないために体力的には問題は無かった。
しかし都度の移動に疲れてしまっていた。



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うっすらと富士山が見える程度に天候は安定してきたが、気温はやや低目。
自宅までは2時間程バイクで風を切るため、暗くなる前には帰宅したい。
茶屋に入るとストーブが焚かれていてとても暖かかった。



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この時点で既に15:15。
柳沢峠の茶屋で食事をとりながら、後日登ろうと考えている「黒川鶏冠山」の地図を眺めていた。
柳沢峠からのピストンの場合、CTで約4.0hとある。

登山口だけ確認しておとなしく帰宅しよう。

すると茶屋のご主人に話しかけられた。
「柳沢峠からだと標高差は無いけれど長くて時間がかかる」
「落合のハンノキ尾根が最短だ」

確認してみると、なるほど3時間10分程度のCTであるようだ。
この辺りのCTはかなり甘いので60%で登れる自信がある。

そうか...

ならば今日登ってしまおうか。
でもヘッデンは無いから急がなくちゃな。

遅すぎる時間の登山開始にご主人がとても心配してくださり、手持ちの地図より詳細なものを手渡してくれた。
「落合からのぼれし」の甲州弁が優しかった。


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15:50、無事登山口に辿り着き、標高1150mの落合地区を出発した。
「鶏冠山」(1716m)までのCTは110分である。


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民家の飼い犬に、ひとしきりまくし立てられながら登山道へと入って行く。


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登山道は驚くほど緩やかで歩きやすい。
これなら薄暗くなってもどうにかなりそうだ。


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南に向かって付けられた登山道を緩く進むと、1500m地点で東方向へと変わった。


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苔むした岩畳などもあり、しっとりとした趣きある登山道である。


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標高1680mの分岐に到着。
尾根に添って「鶏冠神社」方面へと向かう。


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尾根道はやや上り坂となり、岩場への注意喚起を促す標識が現れる。


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上方が明るい。
さあ、いよいよだ。


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そう思い岩の上に立ってみると、そこには何もなく下りの道が続いていた。
手元の地形図からは、ここからの下り道が読み取れなかったので、しばらく山頂標を探してしまった。

少々不安になりつつ先へと進む。


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程なくして再び上りとなり、大きなコブを巻くようになった。


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もう騙されないぞと思いながら岩場に体を押し上げる。


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すると樹木に隠されるようにして建てられた、鶏冠神社の小社と向きあった。

16:37、「鶏冠山」(1716m)登頂。
CTの110分に対し、所要時間は73分であった。


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狭く切り立った岩壁の山頂から展望を確認してみる。

長い尾根を引いた、ピラミダスな山頂の見慣れない姿の大菩薩嶺が新鮮だった。
薄っすらと富士山も見えている。

素晴らしい展望じゃないか。


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奥多摩方面もまずまずの展望だ。


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そしてこの高度感が良い。

この直下に食い込んでいる深い谷を形成したのが黒川山の由来となった黒川だ。
かつてこの谷には、武田家の財務基盤を担って栄えた黒川金山があった。
最盛期には数千人の鉱夫が暮らし、黒川千軒とうたわれたそうである。


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近くの丹波川にも金にまつわる伝説が多い。
金山の秘密を守るために遊女を谷底に落とした「おいらん淵」、武田家の埋蔵金があるという「牛金淵」などなど。
しかし黒川金山は武田家の盛衰とともに幕を閉じた。

現在でも当時使用されていた、石臼・すり石・土器・陶片などが落ちているのだそうだ。
そんな歴史探訪のハイキングも面白いかもしれない。


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なかなか良い山じゃないか。
この日はやや不完全燃焼な山歩きだったので、最後に素晴らしい山頂に立つことが出来て本当に良かった。

あまりゆっくり過ごすわけにも行かなかったので、少し休憩し下山を開始した。
また雪の付いた頃には訪ねてみたいと思う。

登りでは気づかなかった山頂直下に、今年はじめて見るコイワカガミの群生があった。
これから訪れる花の季節が楽しだ。


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下山は順調だった。
17:40、無事、日の暮れてしまう前に下山することができた。


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帰宅途中、奥多摩周遊道路から西の空を眺めると甲府盆地に日が落ちようとしていた。

最近は同じ山域の似たような標高の山ばかりに登っているので、植生を通じ季節の移ろいがとても良く分かるようになってきた。
アプローチにバイクを使っている事もこれに一役買っている。
少し前までは首にマフラーを巻き、パンツもグローブも二重であったが、もうその必要は無くなった。
日は徐々に伸び、この記事を書いている「夏至の日」で折り返す。
梅雨があければまた熱い夏山のシーズンがやってくる。

さて、今年はどんな計画を立てようか。
青空に白い雲湧く夏山が、私の一番好きな山の季節である。
実際にはあまり登らなくなるんですけどね。
でもその前に溜まりに溜まったブログネタを処理しなければ.....


おしまい。

今回も最後までお読みいただきまして大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2016-06-23 08:06 | 登山 2016 | Comments(0)
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