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息子と歩く山梨百名山①@甘利山 2016.05.04(水)



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甘利山(あまりやま)は、山梨県韮崎市と南アルプス市との境界にある標高約1,731mの山である。
例年6月に咲く大規模なレンゲツツジの群生地であることでも知られており、アプローチが容易なことから大勢のハイカーで賑わう。
鳳凰山の東側山腹に位置しており、甘利山~千頭星山~苺平を経て南御室小屋へ向かうマイナールートもある。

地蔵岳からの下山を完了し、増冨ラジウム温泉で汗を流した。
このまま帰ろうか?と息子さんに話をすると、GW中はずっと山梨で過ごしたいと答えが帰ってきた。

もちろん構わないけれど、いわゆる観光地には絶対に行かないぞ?





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甘利山へ登るには「甘利山グリーンロッジ」のある「広河原」(1640m)が起点となる。
とても広い無料駐車場が用意されており、ここからは僅か30分ほどで山頂に到着することができてしまうお手軽な一座だ。

但し、甘利山に続く県道甘利山公園線には路線バスが無く、マイカー若しくはタクシーで向かうことになる。
また、12月~4月末まで冬季閉山により麓からゲートが閉じられてしまうので、入山する際には注意が必要である。

※行程図は千頭星山までを示している。
※年間を通じ、最下部から徒歩で登ることは可能である。


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車中泊場所を何処にしようかと考えていると、夜景の見える所が良いと息子さんからのリクエストがあった。
明野村・フルーツ公園などなどいくつかの候補が浮かんだが、甘利山・千頭星山が山梨百名山であったことを思い出した。

スーパーで買い出しを済ませ、真っ暗な林道をぐいぐい登ってくると、狙い通り眼下に甲府盆地の夜景が広がり始めた。
夜景を見ることのできる位置に車を停め、キラキラとした街明かりを眺めながら夕食を食べる。
標高1640mからの景色は素晴らしかった。

しかし夜景が見えていたのは僅かに30分程だった。
辺りは深いガスに包まれ始め、風は強まりやがては雨となる。
更に、深夜には車が転がりそうな程の強風へと変わり、標高を下げようかと真剣に考えたほどであった。

6:30、目覚めてみると風は残っているものの外がやけに明るい。
そして車外に出て驚いた。

なんと眼下には素晴らしい雲海が広がっていたのだ。


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予想よりも遥かに早く天候が回復するようであったが、ガスから抜け出しているのはどうやらこの甘利山だけであるようだ。
八ヶ岳~奥秩父山塊、丹沢方向、南アルプスは未だ強いガスがまとわりついている。

雲海が消えてしまう前に息子さんを起こそうかと思案していると、今日もバッチリと自力で起き出してきた。
山だと早起きできるんだよね。


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7:00、次第に雲海が取れ始め、韮崎市の街並みが見下ろせるようになってきた。
さあ、朝ごはんを食べようか。


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7:43、風もおさまりつつあったので出発することにした。
この時点でも、やはり青空が広がっていたのはこの甘利山だけであったようだ。


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7:45、「広河原」(1640m)出発。
目指す「甘利山」(1731m)までは、先述通りCT30分である。


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歩き初めて僅かに3分、左手に東屋が現れると先行していた息子さんが何やら大騒ぎを始める。

何事かと思い歩を進めて驚いた。
そこには見たこともない光景が広がっていたのである。


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渦巻くガスを纏った富士山の姿である。
100mmマクロを持っていたことを思い出し、慌てて撮影を開始した。



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ガスは刻一刻とその姿を変えて行く。

富士山直下は厚い雲に覆われており、標高の高い周囲の山々は未だガスの中であった。
この日、この富士の姿を見た人は少ないのではないかと思う。


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すぐ足元に広がっている甲府盆地からも恐らく見ることは出来なかっただろう。


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息子さんと二人、このタイミングの妙に感謝し、もう二度と見ることのできないであろう絶景を満喫した。


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7:53、再び歩き出す。
この頃にはもう、富士のガスはかなり抜けていたので15分程度のショータイムだったのだろうと思う。


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登山道は良く整備されており甘利山までならばスニーカーで全く問題はない。
サルオガセが風に揺れているのを見て、ここが標高の高い深山であることをようやく思い出すことが出来た。



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それにしても息子さんが早い。
全て後ろ姿の写真になってしまった。


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富士山が本来の姿に戻りつつあったが、周囲の高山は未だガスの中である。
この時、甘利山にいた奇跡に感謝。


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レンゲツツジで真っ赤に染まった景色も良いのであろうが、この殺風景な開放感溢れる姿も悪くは無い。
他に誰もおらず、二人だけの天空散歩を楽しんだ。


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正面の櫛形山の右肩に笊ヶ岳が姿を現した。
どうやら天気は南から回復を始めているようだ。


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スニーカーで登れてしまう山の開放感とは到底思えない素晴らしい登山道だ。

甘利山は尾根上にある小さなコブであるため、甲府盆地から眺めてもただの山腹にしか見えない。
この山を山座同定することのできる人は少ないのでは無いかと思う。

富士山は「見る山だ」という方は多いが、この甘利山は「見る山では無く、登る山だ」と私は思う。
とても登山とは呼ぶことのできない行程ではあるが、雨上がりの澄んだ空気の下で訪れてみることをお薦めさせていただきたい。


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お?
どしたの?

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あ、もう到着したんだね。


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8:04、「甘利山」(1731m)登頂。
距離は短いし、すぐ後ろにはもっと高い山が見えちゃってるけれど、それでも山頂は嬉しいね~。


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もうすぐ見慣れた富士山の姿に戻っちゃうよ。


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ほら。
ちょっと撮影していただけなのにね。


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笊ヶ岳のランカン尾根が良く見えていた。

あの激闘の山行以来笊ヶ岳を眺めると、苦しくも素晴らしかった厳冬期を否応なしに思い出す。
雪が消えたらまた歩いてみるつもりだ。


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じゃあ、次は「千頭星山」に向かってみようか。
どんな山なんだろうね。


第二部へと続きます。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2016-05-20 08:14 | 登山 2016 | Comments(2)
Commented by sugishoo at 2016-05-20 19:22
こんばんは、ゆたかさん
甘利山の位置関係は分かりませんが、珍しい富士山の写真を見せて頂きありがとうございます。
息子さんに綿帽子を被った富士山を見せてあげれて、お父さんも鼻高々ですね!
Commented by yama-nobori at 2016-05-20 21:58
sugishooさん、こんばんは!!

最近はマイナーな山ばかりで申し訳ありません(^^;
実はこの後も既に15座程低山を登っていてしばらくそんな記事が続いてしまいます。
ブログの更新が全然追いつきませんw

それにしてもあの富士山は素晴らしかったです!!
そのうち引き伸ばして飾ろうかと思っているほどです(^^)
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