最終日は針ノ木小屋を出発し、針ノ木岳(2821m)・スバリ岳(2752m)・赤沢岳(2678m)・鳴沢岳(2641m)・岩小屋沢岳(2630m)を経て種池山荘まで進み、柏原新道にて扇沢に戻るCT10.5hの行程となります。 黒部湖を挟み、西側に立山連峰・劔岳、行く手には爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・白馬岳の美しい光景を堪能しながら歩くことのできる極上のトレイルが続くのです。 「おさきに~!!」 針ノ木岳山頂もそのガスの中。 針ノ木峠から針ノ木岳へは標高差285mを登って行きます。 起き抜けの体にはこのCT1.0hはなかなか堪えますね。 ちなみにこの針ノ木峠(2536m)は、塩見岳の南側にある三伏峠(2541m)に次いで日本第ニ位の標高を誇る峠となります。 古くは、信濃に越中から塩・魚を運んだ要所でもありました。 振り返ると槍穂方面がスッキリと見え始めています。 さあ、山頂はもうすぐだ。 6:48、本日の第一座目となる「針ノ木岳」登頂! しばし360°の大展望を楽しみます。 今年4月に立山側から見た針ノ木岳をこの日は逆方向から見ています。 こういうのって感慨深いよなぁ。 そして北方向に視線を向ければ、これから向かう天空のトレイルが横たわっていました。 この先の針ノ木岳~岩小屋沢岳間は私も歩いたことがありません。 過去に二度、本格的な冬季と残雪期において柏原新道側から挑戦し、あっという間に敗退しています。 山頂は左奥のピークであるようです。 8:00、本日ニ座目となる「スバリ岳」(2752m)登頂! うん、最高に贅沢な稜線歩きだね(^^) 青空に黄色の山頂標識が良く映える! その素敵なトレイルを進むにつれ、徐々に姿を変えて行く剱岳と立山。 岩陰で風を避けながら体温調整とエネルギーチャージを行います。 振り返ってみたスバリ岳が荒々しいですね。 凜々しくて素敵な山容だなぁ。 扇沢駅や黒部湖を走る遊覧船ガルベを見下ろすことができます。 立山ロープウェイで結ばれている「黒部平」と「大観峰」もすぐ目の前だ。 この日は三連休初日の土曜日、大勢の方が入山されているようですね。 扇沢駅から黒部ダム駅へ向かうには6.1km間を16分で結んでいる関電トンネルトロリーバスに乗ることになります。 このトロリーバスは電気を動力としており、鉄道の一種として区分されているユニークな乗り物です。 さて、このトロリーバスが走っている区間は今まさに登頂しようとしている赤沢岳直下を貫いて作られているのです。 この赤沢岳はロッククライミングの対象にもなっているようですね。 おつかれさま(^^) 適度なアップダウンで次の目標が現れるから楽しいね。 それになんといってもこの景色だからねぇ(^^) この日も誰にも出逢うことのない静かな稜線歩きが続きます。 ほんっとに贅沢なトレイルだなぁ(^^) この鳴沢岳にも関電トンネルが貫通しています。 この後目指す「岩小屋沢岳」との間には「新越乗越」と呼ばれる鞍部があり、そのすぐ東側に新越山荘が建てられています。 眼下に新越山荘が見えるようになりました。 そして美しい双耳峰である鹿島槍ヶ岳と、五竜岳~白馬が近づいてきます。 今シーズンあの稜線を歩いたのはほんの三ヶ月前のこと。 季節の移ろいは本当に早いものですね、あの夏の力強い太陽が懐かしいや。 今シーズンの小屋閉めは既に完了しております。 尚、冬季小屋の開放などは行っておりません。 針ノ木大雪渓の規模も良く確認することができますね。 この冬も日本三大雪渓の名に恥じない量の雪を蓄え、来シーズンの登山者を楽しませてくれることでしょう。 「新越山荘」もいつか宿泊してみた山小屋の一つです。 歩いて来た縦走路を振り返るとちょっと誇らしげな気持ちになりました。 北アの稜線歩きはあまり景色の変化がありませんが、この周回路は実に楽しい。 そしてハイマツ帯の爽快な稜線を抜けると、12:40、この縦走で最後のピークとなる「岩小屋沢岳」(2630m)に到着しました。 ここでこの日の縦走中ずっと姿を見せてくれていた立山・剱岳にお別れです。 まだ眺めることは可能ですが徐々に遠ざかって行くのです。 さよなら! 来シーズンにはまた登りに行きますね(^^) そのおかげで生ビールが600円! カレーライスは50円でご飯を大盛りにして下さいました(^^) ありがとうございます! そう、この人は毎回何かをやらかすA嬢ですw 顔を見るのは骨折をおして無理やり登った、8月の北岳以来です。 K嬢は厳冬期の燕岳以来の再会となります。 快晴の日に登頂できて良かったね! おめでとう! でも手は大丈夫なのかい?(^^; 走るのやばくないの?(^^; カレーはおっさんからのプレゼント、、、ではなく実は交通費w 下山口である扇沢から私の車が停めてある七倉山荘へはタクシー利用での車回収を行う予定でした。 でもこれで全て解決! ラッキー(^^) 下山を開始するとA嬢が何やらやる気を出しています。 「前のトレランの人に追いつきたい!」 あ、そ、そう(^^; んじゃあ頑張って。 早く着いたら車を扇沢から柏原新道の入り口にまわしておいてくだせぇ。 我々はゆっくりと下るからよろしく! 若いっていいねぇ~と、見送りました。 やがて見えてくる扇沢駅。 そして・・・ A嬢、何故ここに? ど、どしたの? 「膝をやっちゃいました。一度転びもしたけれど、骨折してる右手だけは必死でかばいました。」 ・・・(^^; 扇沢まで一緒に歩こうw こうして長かった全行程を終えることが出来ました。 このあとはA嬢の運転で七倉山荘へと向かいます。 ありがとね! その時間、僅かに5分程度。 そう、明日からの北アルプスは雪を伴った大荒れ予報が発表されていました。 この日を堺に、山は雪山シーズンへと大きくその一歩を踏み出したようです。 さて今回ご紹介させていただいた極上トレイルはいかがでしたでしょうか。 シーズン中であれば適度な距離感に営業小屋があり、大雪渓・大展望を比較的安全に楽しむことが可能な素晴らしいコースです。 来シーズンの山行計画の参考にして頂けますと幸いです。 それにしても、この時期はつくづく快適な登山シーズンですね。 天気予報の晴れマークがずらっと並んでいるとそれはもうそわそわ・・・。 しばらくブログ更新がおいつかないと思われますが、どうか忘れないでくださいませ(^^;
by yama-nobori
| 2015-10-22 09:47
| 登山 2015
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Comments(4)
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sugishoo at 2015-10-22 22:56
こんばんは、ゆたかさん
お疲れ様でした。 今シーズンだけで穂高連峰から白馬までテッペンを歩いて来た事になりますか? 写真でも素晴らしさが伝わって来ますが、天気の時頂上からのパノラマはそれ以上でしょうね!
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yama-nobori at 2015-10-23 00:33
sugishooさん、こんばんは!!
最近更新がもたついておりまして申し訳ありません(^^; 今年はずいぶんと北アを歩かせてもらいましたが、まだまだ歩けていないルートがたくさんあります。た~くさんの偏見を持っていたエリアですが、新しい発見もあったりしてその魅力に取り憑かれつつある自分に驚いていますw 同じ山でもルートや季節・時間が変われば全く違う楽しみが見つかりますね。 晴天時のパノラマは下手な写真の数倍はすんばらしぃですよ!!
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oyamasuki_Y at 2015-10-25 10:36
はじめまして、北アが大好きなoyamasuki_Yと申します
針の木~船窪周回いいですね 今年挑戦しようか思いましたが日程が合わず断念して悔しい思いをしました ですが来年は何度も回ってやろうと貴殿の記事を見まして意志を固めましたよ 天空回廊いいですね! あと雪山面白そうなんですが基本ソロなんで中々行けず・・・ 一度挑戦してみたいです
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yama-nobori at 2015-10-26 02:22
> oyamasuki_Yさんはじめまして!
天空回廊!とっても良い響きですね(^^) このコースは想像していた以上に素晴らしいものでした! 適度な間隔で営業小屋がありますし、身軽で楽しめるのも良いですね。 雪山は、例えば八ヶ岳エリアでしたら北横岳・天狗岳あたりから天候に気をつけて始めてみてはどうでしょうか?山頂近くに営業小屋がありますし、登山者も多くトレースもバッチリ。 12月中でしたら雪崩の心配も少ないですし、6本アイゼン+ストックでまず問題ないと思います(ピッケルは正しく使用できなければ意味がありませんし)。アウターはレインで十分です(お金が無かったので10年間はレインウェアでした(^^;))
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