不安定な天候に翻弄され続け、虚しくも消えていった縦走計画達は数知れず。 今週末にも中規模な計画を立てておりましたが、現時点、お流れの可能性が大・・・。 「体が鈍る~、体力落ちが恐い~、ストレスが溜まる~」 というわけで、今回はどうにか天候のもちそうな阿弥陀岳へ、トレーニングとストレス発散を兼ねて登って参りました。 それを、アルパイン入門ルートである「阿弥陀岳南稜」から登り「中央稜」から降りる、オールバリエーションでの計画です。 ただ結果から書いてしまうと、下山にはルート図の通り「御小屋尾根」(一般ルート)を使用しています。 中でもP3には急勾配のルンゼがあり、ここが今回の核心部となります。 ※ルンゼとは岩壁に氷雪や風雨の浸食作用でできた、急で険しい溝(ガリー)を指す。 その多くは水流がなく乾いているが、周囲からの落石が集中する場所であり、一部または大部分がガレになっている。 起点となるのは船山十字路と呼ばれる場所で、八ヶ岳美術館を美濃戸方面に向かって少し走り、「阿弥陀登山口」の標識を山に向かって進むと辿り着くことができます。 駐車場には10台程停めることが可能で、トイレと登山ポストはありません。 とても美味しい水の流れる、歴史ある水場です。 久しぶりの車中泊だったので、ついつい目が欲しくなり過ぎて買いすぎ(^^; 残された夕食の多くが、そのまま朝食となりました。 今回の相棒は1箇月振りの登山となるK嬢です。 お互い体力落ちていそうだけど頑張ろう。 よろしくね! まずはここ、船山十字路(1620m)から立場山(2370m)を目指します。 このまま更に道なりに進みます。 阿弥陀岳はその呼び名の通り信仰の山であり、一般道の他に南稜、中陵といった入門バリエーションルートや、冬によく使われる北西稜・北稜といったクライミングルートなどがあり、各登山者の実力や目的によって楽しめる山でもあります。 また、古くから登られ続けている為に廃道が数多く存在し、それらに加え、山関係者の踏み跡なども数多く確認することが出来ます。 南陵への取り付きは、この標識さえ見落とさなければ問題ないと思われます。 ルートは大変良く踏まれており、リボンなどもあって明瞭です。 足元は腐葉土でふかふか(^^) ここを「立場山」方面へと進みます。 この周辺は「きのこ山」であり、「きのこ山につき入山禁止、罰金10万円」の御触書があります。 右側には鉄線フェンスがあり、見張り番のテントも張られています。 これからの時期はピリピリするんでしょうね。 現在では実に良い雰囲気が残されている、美しいトレイルです。 「境界改札」が踏み跡に沿って多く建てられているので、無積雪期においては道迷いの可能性は低いと思われます。 ただ足元が優しいのでとても快適です。 この辺りで少し雨が落ちてきたのでレインを装着しました。 展望は無いのでここはスルー。 幸い雨は止んでくれました。 少し進むと権現岳方向が開けます。 展望は全く期待していなかったのでこいつはラッキー(^^) 毎年積雪期にテントを張る編笠山、つい先日歩いたギボシ~権現岳~旭岳も良く見えています。 やはり歩いた場所を違う方向から見るのは嬉しいな~(^^) さあ、ガスが掛からないうちに先に進もう! 周囲の山々にガスが上がってきました。 先へと急ぎます。 木々の間から見えた阿弥陀岳は、もうすぐガスに包まれてしまいそう。 う~ん、残念! ここでヘルメットを装着し、いざ南稜岩稜帯へ。 赤岳は大天狗より上はガスの中、目指す阿弥陀岳も消える寸前。 風も出てきてしまいました。 雨は大丈夫かなぁ。 まずは右のP1を目指します。 慎重に進もう! 時折、諏訪側のガスがスパッと抜けます。 右側に横たわっているのが「御小屋尾根」です。 阿弥陀岳山頂はガスに入っちゃった。 ここまでのP1~P2は、ガバホールドが多数あるので直登で問題無さそうです。 しかしこの日は強風とガス、岩が濡れていたので巻けるものは全て巻くこととしました。 振り返ると青ナギが良く見えていました。 そしていよいよ、P3の直登と岩溝(ルンゼ)コースとの基部分岐点へと向かいます。 この草付きのトラバースは積雪期には嫌な感じでしょうね。 ただP3は3級との事ですしホールドもしっかりあったので、次回は直登してみようと思います。 分岐から取り付き点までは、のびのびのワイヤーが張られています。 これに沿って10m程下ります。 ここも冬季には嫌らしい場所になりそうだ。 3点支持で慎重に60mのルンゼを詰めていきます。 ホールドは多く有りますが、剥がれやすい岩や浮石などがある為、注意が必要です。 私もK嬢に落石をお見舞いしないよう慎重に慎重に・・・。 この日はかなりの勢いで水が流れておりました。 あと数ヶ月もすれば凍結し、一気に難易度が上がる場所であると言えそうです。 下部の岩場より、上部の草で油断すると危険かもしれません。 上り詰めるまでは気を抜かないようにしましょう。 南陵核心部、P3終了。 稜線に立つとかなりの強風です。 幸い雨は止んだままでした。 ここも積雪期には緊張する区間となりそうですね。 ここまで来れば山頂はもう目の前。 無積雪期の登頂って・・・・20年振りくらいになるのかなぁ。 目の前に突然現れた山頂にビックリ&大喜び(笑) 顔がくしゃくしゃだったので、本人の名誉の為モザイク処理w ガッスガスで何にも見えないけれど、やっぱり山頂は嬉しいねぇ(^^)/ 阿弥陀岳(2805m)、登頂おめでとう! 現在の長野県諏訪郡原村払沢で奉納した、「嘉永七甲寅6月日」(西暦1854年)と刻まれた阿弥陀如来像が3基、直明行者に関連した講による石碑が4基建立されているなど非常に古い山岳信仰の歴史を持つ山であることが判ります。 ※直明(じきみょう)行者は赤岳開山を行った内の一人 また冬季でも比較的安全に登ることが可能な赤岳に比べ、この阿弥陀岳はかなりの難易度となります。 次回の阿弥陀はまた厳冬期になるのかなぁ。 冬季の南陵は経験が無かったので、今回は下見のつもりで登っておりました。 ※2013年の撮影です。 山頂は体が持って行かれそうな強風でした。 K嬢が急に寒がりだしたので早々に退散します。 低体温症は恐いですからね。 少し下ると「西の肩」(2780m)が現れます。 中央稜は御小屋尾根より距離が短く、それ故、急勾配のバリエーションルートです。 天候と登山道の様子が良くなかったので、今回は御小屋尾根へとコース変更を行いました。 私も何度か尻もちをつきました。 これにて下山完了! おつかれさま(^^)/ しかし私はここで大失態。 車の横にストックを置き忘れて来てしまったようです(T_T) お気に入りだったのに残念だなぁ・・・。 あ~あ。 さて、この日は心配していた雨も気にならないレベルで、一日中誰にも会わない静かな山歩きを楽しむことができました。 何と言っても、お隣の美濃戸の様に観光地化されていないことが最高ですね。 距離も難易度もちょうど良く、少しアレンジすればもっと大きな周回コースを計画する事も可能な船山十字路起点の魅力にはまってしまいそうです。 それにしても秋雨前線が邪魔ですねぇ・・・・(^^; そろそろ青空が恋しいぞ~!! おしまい。 今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。 ↓励みになりますので、よろしかったら『ぽち』っとお願い致します(^^)/
by yama-nobori
| 2015-09-02 23:39
| 登山 2015
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