傾いた山小屋と、真っ直ぐな小屋番さん@南八ヶ岳縦走① 2015.07.02(木)~04(土)




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梅雨の晴れ間を狙い、赤岳~編笠山へと縦走して参りました。

今回はピークハントが目的ではありません。
「真教寺尾根」と「赤岳キレット」を体験してみたいというK嬢の願いを叶えることに加え、私の「キレット小屋へ挨拶したい」「権現小屋に泊まりたい」という目的での山行レポです。

元々、八ヶ岳で一番好きな山は、厳冬期の「権現岳&ギボシ」であった私ですが、通年通いたい山へと変化した素晴らしい山行となりました。
今更ですが、『山』の魅力って山だけじゃあないんですねぇ。








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真教寺尾根の起点はいくつかありますが、今回は「美し森ロッジ」(旧:高根ファーム)を使用します。
初日のCTは9時間50分、距離はおよそ9.5kmとなります。

最近ではツクモ草を見るため、5/14に下山で使用したルートです。

夏山シーズン中であっても、駐車場問題も起きずに静かに歩くことが可能なので「県界尾根」と合わせてお薦めです。





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翌日のスタートに備え、この日も早めの前入りを行います。
登山口では大変に美しい夕焼けを見ることが出来ました。





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少々長めのCTだったので、ちょっと早起き。
寝不足みたいでしたが、2週間ぶりの登山となるK嬢はとっても嬉しそうです。

歩き始めからしばらくの間は笹薮を歩くことになります。
降雨直後はずぶ濡れになるので、レインパンツを予め履いて行くと良いでしょう。





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標高1610mの「羽衣池」を過ぎると、徐々に笹薮の背丈が高くなっていきます。





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笹の下には木の根や岩などが隠れているので、慎重に標高を上げていきます。
標高1900mの「リフト山頂駅」を過ぎると一旦笹薮が落ち着きますが、再び現れるのでまだ脱がないほうが良いでしょう。




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賽の河原までやってくると、行く手に赤岳が見えてきました。
雲が多く富士山や南アルプスを望むことは出来ませんでしたが、梅雨の晴れ間にしては上出来なお天気です(^^)





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賽の河原からは再び笹薮が始まり、斜度もやや強めになります。
夏場の降雨直後は湿度が上がります。
しかしレインウェアを脱ぐわけにもいかないのでオーバーヒートを起こす嫌いな場所です(^^;





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笹薮を抜けるとあまり期待していなかった大展望が待っていてくれました。
富士山はガスの中ですが、南アルプスは姿を現しバッチリです(^^)
左から、鳳凰三山・北岳・甲斐駒ヶ岳が並びます。




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後ろの金峰山方向はガスに包まれていました。




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さらに標高が上がると、本日の目的地である「権現岳」が木々の間からチラホラ。
まだまだ遠いねぇ。




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まずは牛首山を目指します。
牛首山までは多少斜度の強い場所もありますが、時々平坦な場所も現れてバランスが良い感じ。

それに、見え隠れする南アルプスがとても素敵です。
青い山脈のまんなかに、北岳が白く輝いていました。





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最近は南アルプスの中でも特にマイナールートが多かったので、森の雰囲気がまるで違うことに改めて気づきます。
樹林帯の美しさはやっぱり南アルプスの勝ち。




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しかし視界の開ける頻度の高い南八ヶ岳は、メンタル面ではかなり楽ですね(^^)
牛首山直前はまずまずの斜度となります。





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さあ、もうすぐ牛首山だよ。




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標高2280m、牛首山山頂です。
それにしても地味だな~(笑)

でも、晴れていればご褒美もあるんです(^^)




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木々の間から権現岳&ギボシが見えるのです。
厳冬期にはあの陵線を歩いたっけなぁ(^^)

牛首山にはベンチがあるのでしばし休憩。




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牛首山から少し進むと、これまたあまりにも寂しい「扇山」に到着。

見事なまでの地味さっぷりに呆れているK嬢(笑)
ここは迷わずスルー。




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扇山を過ぎるとすぐ、これから向かう八ヶ岳連峰主峰「赤岳」が目に飛び込んできます。
少し下って、いよいよ赤岳本体に取り付きます。




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気温は2℃、強かった風も収まりました。
ここからは一気に斜度が強くなって行きます。




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ガスの湧き始めた権現を撮影するK嬢。
クライミングのメッカである、大天狗・小天狗岩を見あげる私。




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K嬢の後ろにあるピークが、越えてきた牛首山です。
ここまで標高が上がると立ち枯れの木が増え、開放感のある尾根歩きが始まります。




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今日はちょっと狙っている花があるのでマクロレンズも持ってきました(^^)
手持ち撮影なので、風が無ければ良いのだけれど・・・。




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今日はおそらく誰にも会わないだろうと思っていましたが、3パーティーが我々を抜いて行きました。
年々人が増えているのかなぁ。
ツルネ東陵にも立派な看板が増えているし・・・。





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さて、いよいよK嬢が楽しみにしていた真教寺尾根名物の鎖場が始まります。

しかし厳冬期ならいざしらず、夏場のこの場所は・・・。
まああとでK嬢の感想を聞いてみよう。




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標高が上がるごとに大天狗の迫力が増していきます。
赤岳を踏んだ後は、あの大天狗の右側にある赤岳キレットを下って行くのです。




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大天狗のクライミングルート用ルートが良く見えるようになりました。
大天狗の向こう側にあるのが目指す権現岳です。




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K嬢、余裕ですね(^^;
ヘルメットは用意して来ましたが、十分な距離をとり直線上に入らないことを前提に結局は使用しませんでした。
しかし鎖場で一番恐いのはです。
落石を起こしたことすら気づかない初心者が登ることもあるので、上部に人がいる場合にはヘルメットを着用しましょう。




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ちなみに山の事故でもっともお金がかかるものは対人賠償です。

どんなに歩行技術が優れた人でも、落石は起こしてしまうものです。
自身が物理的な加害者・被害者となる確率は、かなり高い種類の事故であると言えるでしょう。

しかし法的には、加害者・被害者となる確率は非常に低いのです。
つまり、損害賠償責任の生じないケースが多いのだそうです。

理由は、登山中での落石は予見できるリスクであると考えられ、被害者も承知の上で山に来ていると解釈されるためです。
野球のデッドボールで賠償責任が生じないのと同じ理屈です。
よって、「落石」事故を主眼において山岳保険を検討するのは、少し判断したほうが良いのかもしれませんね。

もちろん故意や非常識な行動によって発生した落石では法的責任が生じます。
いずれにしろ身元の確認や記録などはとっておいたほうが良いのでしょうね。

落石を起こしたらお決まりの文言がありますが、なんだって構いません。
落石の規模は問わず、「落石」したことを急いで大声で下に伝えます。
後に「非常識」な加害者だと判断されない為にもやるべきことはやっておきましょう。

また登る側は視線を上へ向け、先行する登山者の動きにも注意を払いましょう。
先行者は登山を始めたばかりの方なのかもしれないですから、歩くのはきっと上手では無いでしょう。
経験者こそ予見可能な事故なんだと再認識し、物理的にも法的にも、自分の身は自分で守る事が吉だと思われます。

時々、落石を受けたけど軽傷だったし、楽しく登りたいから何も言わなかったという綺麗事心温まる話を聞きますが、私には「?」です。
教えてさしあげることこそ、優しさなのではないでしょうか。

教え方にもいろいろあるでしょうけどね
私の場合はおそらく相手の体に教えるので、結果それで対人賠償・・・




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と、まあ世俗の泥臭いことを忘れさせてくれるのが登山の魅力です(笑)
皆で楽しく仲良く山を楽しみましょう(^^)/





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さあ、いよいよ大天狗が眼下となり、赤岳登頂後に歩く権現岳への陵線が確認できるようになってきました。





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あれが最後の鎖場です。




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ちなみに、慣れた方なら真教寺尾根の鎖は触れる事すら無いでしょう。
岩を掴んでいけば全く問題ないレベルの岩場ですから、振られまくる鎖には頼らず三点支持で登ったほうが人によっては安全かと思います。
鎖はあくまで補助。
ゴボウ登りは危険です。




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そして、赤岳キレット・真教寺尾根・赤岳への分岐までやってきました。
空は依然として青く、赤岳にはガスも無さそうです(^^)




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この分岐に荷物をデポして、CT15分の赤岳山頂へ向かいます。

と、その前に、この真教寺尾根の岩場を楽しみにしていたというK嬢にその感想を求めると・・・。

「拍子抜け」

うん、まあ夏の一般ルートはこんなもんなんだよ(^^;




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阿弥陀岳はいつどの方向から見てもかっこいいねぇ~。





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権現岳さん、ちょっと赤岳まで行ってくるね。
それまでガスかからないでね!




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しかし、思った以上の好天だね(^^)
さあ、進もう!




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どう?
こちら側からみる赤岳は?




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とっても新鮮でしょう?
同じ山でも登り方や季節が変わればこんなにも違って来るんだよね(^^)





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一緒に登った厳冬期には、この場所だってこんなだったもんね(^^)




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さあ、最後の梯子だ。




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4回目の赤岳登頂おめでとう!!
じゃあ、急いで降りて次に行こう(笑)




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私もタッチ。
年、最低でも5回は登っている赤岳・・・、これを25年程続けているので・・・。

でも何度来ても山頂は嬉しいっ!

今日は天狗まで良く見えてるねぇ。
明日はあのすぐ下の温泉にお連れいたしましょう(^^)




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さらば赤岳!!
滞在時間・・・3分?(笑)
次回は阿弥陀岳とのセットかな?




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天候は下り坂の予報です。
崩れる前に、あの権現岳まで辿り着こうね!!




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分岐に置いてある、あのザックを回収したあとは、K嬢第二の希望「赤岳キレット」を下ります。
今度はどんな感想を言うのだろうか・・・。
まあおおよそ想像できるけれど(笑)



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左から、権現岳・ギボシ・編笠山。

このあとキレット小屋にご挨拶することが、私の最初の目的です(^^)
小屋番さん、お元気だといいなぁ。
エベレストの話も聞かなくちゃ。




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それでは、行ってみよう!!
赤岳キレットへ!!


第二部へと続きます(^^)/



今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2015-07-05 20:27 | 登山 2015 | Comments(0)
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