ようやく繋がった縦走路@白峰南嶺日帰り周回① 2015.06.20(土)



f0344554_20462170.jpg


白峰南嶺(しらねなんれい)は、赤石山脈の間ノ岳から派生した稜線であり、西の大井川と東の早川(富士川水系)に挟まれた山域である。
白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)の南の嶺という意味であるため、三山の南端である農鳥岳は含まない。

今回は奈良田(830m)を起点とし、日帰りにて白峰南嶺周回を行った。
含まれる山は、黒河内岳(2733m)、白河内岳(2813m)、大籠岳(2767m)、広河内岳(2895m)の4座。
展望次第では農鳥にも登ろうと考えている。

農鳥を含まず、全長31km・コースタイム18.0hのロングコースとなる。

ウキペディアのパノラマ図を見るとイメージがつかみやすいかもしれないのでリンクを張らせて頂いた。スマホでは周辺の山というタブからパノラマ図が見られるようである。







f0344554_20444154.jpg
私はこの白根南嶺の内、黒河内岳(笹山)~広河内岳までがすっぽり抜け落ちていてまだ歩いたことがなかった。

ただこの山域には昔から興味があったので、繰り返し繰り返し妄想登山を続けていた。
調べれば調べるほど面白い山域である事に気付かされ、今回実際に歩いてみて更にその魅力に取り憑かれた。
まあ別のものにも取り憑かれたようであるが・・・。





f0344554_20444722.jpg
f0344554_20444734.jpg

縦走スタートの第1座目はこの「笹山」から始まる。
私の中では黒河内岳だと認識していたが、最近ではこの笹山の方が通りが良いようである。

※今回は行程が長いためヘッデンでのスタートとなるので前日の撮影である。





f0344554_20444173.jpg
f0344554_20444120.jpg

黒河内岳への登山道は、最近では『笹山ダイレクト尾根』と呼ばれているようです。

昭和初期の地図には尾根名の記載がありませんが、昭和60年辺りにはコースを示す線こそは無いものの「笹山尾根」との記載があります。
その後、H7年の「山と高原地図」には再びその記載が消され(上の写真)、最近の地図には破線ルートとしてコースタイムまで記載があります(下の写真)。

また、たった20年前の地図ですら黒河内岳からは複数のルートを確認することが出来ます。
ですから、この尾根が正式に認知され登山道として歩かれ始めたのと整理が進んだのは、ごく最近のことなのではないでしょうか。
山梨百名山を選定したのは平成9年ですから、その辺りがメジャーデビューの尾根・・・?





f0344554_20444879.jpg

本日のスタート地点は先週に引き続き奈良田です。
6/25以降は人でごったがえすであろうこの場所も、この日もポツンと私の車のみです。

吊り橋の正面にも駐車場がありますが、反対側から戻って来るので少し離れた場所に駐車しました。
駐車位置が真ん中っぽく見えるのは、万が一、笹山で敗退した場合の保険です(笑)

明日は2:00に起きて仕度が終わり次第スタートします。
アルコールをがぶ飲みし早々に眠りにつきました。





f0344554_20444819.jpg

そして2:30、いよいよ笹山に向けてスタートです。






f0344554_20444724.jpg

まずは揺れる吊り橋を渡ります。
笹山までの標高差は1900m、駐車場からのCTは7.0hとのことですが、直登は大好きなので巻けるだけ巻くつもりです。





f0344554_20445704.jpg

少しうろうろしながらも登山道の入り口を無事に発見。

この日の天候は晴れのち霧、午後からは小雨の降る可能性あり。
よって午前中には陵線歩きを終えたい考えです。





f0344554_20445825.jpg

取り付き早々から急登となり、暫くの間、鉄パイプが九十九折に設置されているのでそれに沿って標高を上げて行きます。

黒河内岳(くろごうちだけ)は、山梨県と静岡県とにまたがる赤石山脈白峰南嶺にある山です。
北峰(2,733m)と南峰(2,717.6m)からなる双耳峰で、三角点は低いほうの南峰に設置されており、まず南峰を目指します。





f0344554_20445883.jpg
しばらくは、こんな状態です(^^;
前日までの雨で足元は滑りますが、尾根を外れなければ道迷いの心配はありません。
迷ったら尾根のピークを辿れば踏み跡が見つかります。




f0344554_20445847.jpg
水場がありますがスルー。

今回はルートがルートなだけに人に出逢うことはまず考えられません。
無論ルート上に小屋などは無いので、簡単なビバーク装備と十分な水とビール2Lもを持って来ています。
20kgにも満たない装備なので軽い軽い(^^)





f0344554_20445611.jpg

かなり明るく写っていますが、まだヘッデンは消せない状態です。
凄い急登続きだと聞いていましたが、このような斜度の緩い部分もかなりあり、ちょっとおおげさかな。
でも多少しっかり歩いてみたい方には良いコースです。





f0344554_20450538.jpg
f0344554_20450620.jpg
朝日が登り始めようやくヘッデンの御役目が終了。

と、何やら黒いものが前方で動きました・・・。
かなり大きな、リアルぷーさんです。

少し後ずさりをしてから太い木を盾にして小石をいくつか用意します。
その後、熊鈴とノイズだらけのラジオを盛大にならしつつ咳払い。

ぷーさんは無事に去って行きました。
久しぶりのぷーさんでしたが、残念ながら写真は撮れませんでした。





f0344554_20450638.jpg
f0344554_20450681.jpg

朝日が描き出す南アのトレイルはいつ見ても美しい・・・。
こと新緑の頃となれば尚更です。





f0344554_20450551.jpg
f0344554_20451879.jpg
確かに斜度の強いところはあるけれど、大変良く整備されたトレイルです。
地図の記載有無以前から愛され続けた歴史ある登山道なんでしょうね。

冬季に人気があるのも頷けます。





f0344554_20451888.jpg
f0344554_20451998.jpg
f0344554_20451903.jpg
ただ、まあずっとこんな感じを1900m登りますからね、展望は無いですし。
樹林帯が嫌いな人は止めたほうがいいのかもしれません。
コースの7割り程はふくらはぎが伸びっぱなしです。





f0344554_20451872.jpg

と思っていたら、標高2250m程で視界が開けました。
見えているのがこの後歩く陵線のようです。
と、いうことは・・・。





f0344554_20452463.jpg
f0344554_20452594.jpg
先週登った北岳が良く見えていました(^^)
八本歯のギザギザもハッキリ。

今のところ天候は予想通り。
山頂で短時間でも良い景色が見られるといいな。





f0344554_20452539.jpg
f0344554_20452589.jpg
その後再び樹林帯へ突入。





f0344554_20452454.jpg
この後も数カ所でこのような跡があったので、冬季や残雪期にも多くの方が楽しまれているのでしょうね。
好きだな、こういうの。
最近では雪床でハイマツ燃やしたりする山行はあまり見かけないもんなぁ。





f0344554_20453255.jpg
f0344554_20453212.jpg
f0344554_20453377.jpg

このあと登山道が随分と狭くなります。
あまり大きなザックでは通り抜けが困難だと思われます。





f0344554_20453395.jpg
f0344554_20453290.jpg
f0344554_20454053.jpg

標高2600m辺りで笹山南峰が見えました。





f0344554_20454193.jpg
f0344554_20454137.jpg

標高2675m、残雪が現れます。





f0344554_20454108.jpg
f0344554_20454081.jpg
そして植生が変わり、更に100m程登ると・・・。





f0344554_20455069.jpg
f0344554_20455062.jpg
じみーな、南峰(2,717.6m)に到着です。
3:59hでの登頂となり、目標の4.0hをぎりぎり切ることが出来大満足(^^)

周辺にはたくさんの整地した跡がありましたので、残雪期にはさぞ楽しまれた方が多かったのでしょうね。





f0344554_20455081.jpg
伝付峠(でんつくとうげ)へも歩いてみたいな・・・。





f0344554_20455169.jpg
さて、次は北峰へ向かいます。
地味な南峰は風の強い時の幕営には良いと思われます。





f0344554_20454979.jpg
おー、ここでもやっておりますな。





f0344554_20455762.jpg
f0344554_20455761.jpg
f0344554_20455800.jpg
北峰へは一度少しだけ下って登り返します。
10分くらいだったかな?





f0344554_20455941.jpg
f0344554_20455711.jpg
すると視界が開けてきました(^^)
そして・・・。




f0344554_20461163.jpg
f0344554_20461122.jpg
f0344554_20461112.jpg
南アの重鎮達をバックにした北峰(2,733m)に到着です!
南峰とはうってかわっての大展望!

山頂は広く、素晴らしい開放感!!
初冬か残雪テン泊には最適ですね!!





f0344554_20461212.jpg
f0344554_20461087.jpg
f0344554_20462016.jpg
残念ながらガスが湧いてきてしまいましたが、上から荒川岳、塩見岳、その真ん中にあるのが憧れ続けている未踏の蝙蝠岳(2865m)です。





f0344554_20462110.jpg
しかし、、、もっと残念な事があったのです。
実はこの1枚を撮るまでカメラのISO感度設定を間違え続けておりました。

もっと完全に北岳や、塩見・蝙蝠・荒川も見えていたのですが白飛びしてしまい使い物になりません。
ここまでの写真もかなりの補正を行っていますが・・・あ~あ。

星空撮影後は気をつけなきゃ・・・、それに撮影後の絵を確認するくせをつけよう。
フィルム時代じゃないんだから(T_T)





f0344554_20462057.jpg
再びバックの山々が顔を出してくれないかビールを飲んでかなり粘りましたが、駄目でした(T_T)
上河内岳・農鳥・北岳・富士山なども良く見えるようですが、梅雨の晴れ間だもん。
これだって上出来だよと負け惜しみを・・・。

くそー、さっきまでは本当に見えてたんだからね。
撮影だってしたんだよ。ブツブツ





f0344554_20462784.jpg
さて、笹山までは単なるハイキングコースです。
まだ全工程の1/5と言ったところでしょうか。

まだ青空があります!!
さあ気を取り直して前に進もう!!


気持ち良さそうな陵線でしょう?
本来なら大パノラマの中を歩き続けることが出来るんです。
でもね、、、北との圧倒的な差があるんですよ。
特にこの辺りの南アは滅多に人が歩くことのない領域なんですわ。

植生保護のロープ?
ないないそんなもの。
そもそもトレイルが・・・。
それにとある植物が憎いくらい

この先を目指すなら1/25000の地図とコンパスは必須です。
もしお持ちなら補助でGPSもあった方が良いでしょう。
逆にGPSがメインで、地図+コンパスが補助であり「見ることは出来るけど読めない」方は立ち入らない方が良い山域です。
ガスに巻かれ、電池切れ=道迷いとなる可能性がありますから。




f0344554_20462782.jpg
少しゆっくり飲み過ぎました過ごしすぎました。
7:30、再び歩きはじめます。

さらば、黒河内岳!!
また来るね(^^)

この周辺、廃道への踏み跡が複数あるのでガスの強い時はお気をつけを!





f0344554_20462781.jpg
f0344554_20462786.jpg
さて、次に目指すは、CT1時間50分の白河内岳(2813m)です。
でもたった2.6km程度にこのコースタイム長すぎない?
何があるのさ?標高差もたいしたことないのにな・・・。
でも答えはすぐにわかりました。

まず小さなアップダウンが始まり・・・。




f0344554_20464137.jpg
ハイマツ漕ぎが始まります。

最初の内はたいしたことありませんが、徐々にやつらも本気になってきます。
降雨後はずぶ濡れになるので大人しくレインを着ましょう。

私はそんなに長く続かないだろうと高をくくっていた為、全身ずぶ濡れとなりひどい目に会いました。
気温は0℃、風が無くて良かった。

できれば破れても惜しくないような古いレインが良いですね。
こいつら凶悪です。




f0344554_20464223.jpg
こんなのは漕いでいる内には入りません。
撮れるから撮っただけです。
実際はもうひたすら続くタイマン勝負で写真なんてとても撮れません。





f0344554_20464251.jpg
f0344554_20464283.jpg

ヘロッヘロになると今度はゴーロがはじまります。
このあたりルートはよくわかりません。
ガスが取れている間に方向を見極めて進む感じです。





f0344554_20464166.jpg
そして再びハイマツが現れます。
でもまあこんな風にルートらしきものの分かる場所は良いのですが・・・。





f0344554_20464922.jpg
一見すると正解なのか失敗なのか・・・。

結局5回程袋小路に立ち往生。
そのまま強行突破もしましたし、戻ったりもしました。
ここ、、、辛かったな(T_T)

積雪期の踏抜きは恐ろしいものがありそうだ。
実際、深いハイマツの根元に古いカラビナなどを数カ所で見つけました。





f0344554_20464945.jpg
f0344554_20464906.jpg
f0344554_20464824.jpg
やっと抜けた~!!と、喜んでも奴らはなかなか許してくれません。
最近の地図には「迷」マークがいくつかついていますな。

不安になったら周りをよく見ましょう。
このようなケルンが導いてくれます。





f0344554_20465665.jpg
でもこんな感じになってくると、明確な登山道があるわけでもなし、ショートカットもしたくなるでしょう?
すると、、、こぶりなハイマツが襲って来るんです(T_T)





f0344554_20465677.jpg
だから、こんな風に少々遠回りでもケルンに感謝して歩きましょう。
ガスが無いだけありがたい話です。
ここでガスに巻かれると心が折れちゃうかも・・・。





f0344554_20465641.jpg
振り返るとこんな感じ。
どこをどう歩いたか全く記憶がないですね。

ちなみにGPSも使っていますが、ハイマツの強弱は示しません。
見える限りケルンを追いましょう。
GPS見なきゃ良かった(T_T)




f0344554_20465764.jpg
f0344554_20465630.jpg
かなり疲れきってきてからはもうケルンしか目に入りません。
私もいくつかケルンを補強したり積み直しながら歩きました。

ここまで天気の崩れはありませんが、時折ガスが強くなり一時的に小雨のような状態になります。
なんとか大門沢下降点までは雨にならないで欲しい。





f0344554_20470456.jpg
f0344554_20470498.jpg
そして、8:50、ようやく白河内岳(2813m)に到着です。
結局1時間20分と、CTを30分巻けただけでした(T_T)

せっかく撮影したこの1枚にもセンターに白い汚れが・・・。
これ、なかなか取れないハイマツのヤニです。
おまけにレンズフードも無くしてしまいました。
あいつら絶対に許さん!!
焼き払ってやる!!





f0344554_20470419.jpg
一番奥に白峰南嶺最後の1座である広河内岳(2895m)が見えています。

この後は、CT55分の大籠岳(おおごもりだけ)を目指します。
ピークがわかりづらく周りから見ても山に見えませんが、「百高山リスト」には入っているので、その為に登りに来る方もいるようです。
いろんな分野がありますなぁ。





f0344554_20470556.jpg
ガスが無ければ農鳥などがもう間近に見えるはずです。
農鳥からは何度もこの陵線を眺めていますからね。

まあ今回は白峰南嶺をつなげるのが最大の目的だ!!
全然悔しくないもんね(T_T)





f0344554_00110767.jpg
ちなみにこれが農鳥岳からみた笹山への全ルートです。
センターの山が広河内岳、その左に続く、丘みたいな部分が大籠岳となります。

私の頭の中にはこの風景通りの「絵」が焼き付いています。
つまり、このあと大門沢経由で奈良田へ下山する為の下降点までの地図・位置関係が焼き付いているのです。
それなのに・・・。




f0344554_20470446.jpg
ここまでいくつかの高山植物達を見かけていますが、ガスに巻かれるのが嫌でほぼスルーしてきました。
でもようやく目指す先が明確になったので少し安心。





f0344554_20471218.jpg
で、花の撮影などにうつつを抜かしていると、こいつらの袋小路・・・。クソォ





f0344554_20471256.jpg
袋小路に迷いこむこと数回、半分は強引に進んで、半分は戻りました(T_T)
お前ら・・・おぼえてろ。





f0344554_20471353.jpg
そしてようやく大籠岳(手前の丘)が見えてきました。





f0344554_20471305.jpg
このルート、人工物を見るととても安心します。
「DAIMONZAWA」と書かれています。





f0344554_20471282.jpg
9:36、大籠岳(2767m)到着。
先ほどの白河内岳からは45分かかりました。

さて、非常に中途半端な行程までですが、第一部はここまでとなります。
今回はこのあとちょっとした出来事が起きたのです。

第二部へと続きます(^^)/


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


↓励みになりますので、よろしかったら『ぽち』っとお願い致します(^^)/


by yama-nobori | 2015-06-22 01:24 | 登山 2015 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< ようやく繋がった縦走路@白峰南... 高嶺の花に会いに行こう@北岳④... >>