標高2696mの唐松岳は、後立山連峰のほぼ中央に位置し、白馬岳と鹿島槍ヶ岳を結ぶ中間地点にあります。 頂からの見晴らしは素晴らしく、山頂周辺には雷鳥が数多く生息し、アルペンムードを盛り上げてくれます。 ゴンドラとリフトを乗り継ぐことでアプローチが容易になることから、無理なく山頂に立てる、北アルプスの入門の山として多くの人達に親しまれています。 しかし、これは気象条件の整った残雪期、及び、夏山シーズンでのお話です。 私は毎年この時期の唐松岳に登っていますが、今回ほど積雪の多かった年はありませんでしたし、これほど厳しい登山になるとは思ってもみませんでした。 安曇野IC(旧豊科)を下り、穂高駅を越えたあたりから雪が降り始め、白馬に近づくにつれて大雪となりました。 途中何度かスタックしながら駐車場へ車を滑り込ませます。 ゴンドラまでは徒歩10分程度と少々離れてはいますが、近くにコンビニもあり、無料の足湯や快適なトイレがあるのでお勧めです。 翌日の天気予報はまずまず。 久しぶりの唐松岳に心が踊ります(^^) 今日はどんな景色が見られるだろう。 真っ白な雷鳥にも逢えるだろうか。 I氏とA嬢です。 A嬢はこの冬の唐松岳に登ることを夢見て、冬山を始めました。 やっと願いの叶う時がやってきたのです(^^) 混雑が予想されたため少し早めにゴンドラ「アダム」のチケット売り場にやってきました。 しかし、ご覧の通りガラガラ。 到着したのは6:50、先頭で並びます。 夏場はゴンドラ+リフトの「通し券」が購入可能ですが、冬季はゴンドラのみ。 リフトは都度購入することとなります。 気温も低くは無く素晴らしい山行の予感です(^^) ここから更にアルペンクワッドリフトに乗り換えます。 ※パトロールが行われており15分程待たされることとなりました。 更にグラートクワッドリフトに乗り継ぎます。 ※ここでもパトロールが行われており15分待ちでした また、青空のはずでしたがどんより。 まあ午後の方が良くなる予報だし、大丈夫かな? 8:50、スタート! さあ楽しみましょう! 早くガスが抜けるといいな~。 唐松岳でここまでの雪は初めてです。 先行している登山者がいなかったので、八方池山荘出発直後からスノーシューでも膝上ラッセルを強いられました。 ここまで埋没しているとは驚きました。 スノーシューを持たないツボ足の登山者は、僅か八方池までで敗退となったようです。 しかし、どうもガスの切れが良くありません。 ほんとに晴れるのかなぁ? 鏡のような八方池に写る白馬三山をまた見に来ようと思っています(^^) ここからは本格的な冬山登山となります。 雪質が変わり気を抜くと腰まで落ちるようになりしまた。 スノーシューを引き抜くたびに体力を消耗します。 二人も元気で調子が良さそうです(^^) お願い・・・少しでいいからラッセル代わって(^^; とは言い出せずに頑張る私。 この時点、風は穏やか。 風の予報は正しいようです。 この時点で12:00。 山頂までの標高差は266m、既に難所も越えこの先は雪質が締まり歩きやすくなります。 二人のモチベーションも高く、山頂を目指したいとのこと。 当初13:00に山頂に立ち16:30の下り最終リフトで日帰りする予定でしたが、一応保険のつもりで八方池山荘への宿泊を予約しました。 これで時間の制約が無くなりました。 空も少し明るくなりガスが抜けるかも?と思いました。 少し先行して慎重にトレースを付けます。 それにしても気温が低いな・・・ 雪質も安定し、思った以上に楽に通過することが出来て一安心。 ここから山頂まではわずかに20分。 荷物をデポし軽荷で最終アタックに入ります。 立っているのがやっとなレベルでしたから25m/sはあったはずです。 視界も無くなりルートも不明瞭。 自分たちでつけたトレースは完全にロストしています。 一刻も早く標高を下げる必要がありました。 ルートは外れますが、少しでも風を遮ることが出来る斜面を選択します。 GPSと、うっすら見える陵線を頼りにとにかく標高を下げます。 ルートを外しているため、時間がかなりかかっています。 この日、はじめて見ることの出来た青空です。 周辺数カ所にテントと雪洞が設置してありました。 とうとう手を使わないと足が上がらなくなり、何度かA嬢に助けてもらいます。 難所は越えましたが、距離はまだかなりあります。 頑張らないと。。。 しかし幸いにして風は穏やかになりつつありました。 この後、夕食を食べお風呂に入ります。 疲れきっていましたが、頭だけは冴えていてなかなか寝付くことが出来ません。 翌朝は何もしたくない。 ゆっくり寝てから帰ろうと考えていましたが、同室された山岳フォトグラファーの方が明日は間違いなく良い天気だから早起きして景色を楽しんだほうがいいと薦めて下さったので早起きすることとしました。 浅間山と四阿山が印象的。 いつも変なポーズだなぁ(^^; また出直します。 さあ、朝ごはんだ! 一日ずれていれば、登山者も多いから登れていたでしょうね。 A嬢に唐松岳を踏ませてあげたかった・・・(T_T) でも晴れていなきゃ楽しくないね。 I氏、これからもよろしくね(^^) 美味しいコーヒーとケーキです(^^) ちょっと感動しちゃった。 本当にありがとうございました!! mont-bellですが、ドレスコードはOKですか?(^^; それと、できれば箸で食べたいんですが・・・。 さて、今回は数多くの課題が残る山行レポとなりました。 天気や風に対する先入観を捨て、その場その場で正しく判断すること。 装備や体力不足など、数多くの準備不足と予知能力の欠如がありました。 今回A嬢はかなり厳しい経験をしたので、雪山が嫌になったかと思っていたらまた挑戦したいと連絡がありました。 嬉しかったなぁ・・・。 というわけで、やるべきことを整えます。 そしたらまた、みんなで一緒に挑戦しましょう!!
by yama-nobori
| 2015-03-16 12:16
| 登山 2015
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Comments(8)
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sugishoo at 2015-03-16 21:32
こんばんは、ゆたかさん
私が冬の雪山が美しいな〜!!と最初に感じた山が白馬三山です、勿論八方尾根スキー場からの眺めです。 スキーに夢中だった頃は毎年1〜2度は通ってました。 懐かしの場所を見せて貰いありがとうございます。 一日天気がズレればI氏やA嬢さんにも楽しい雪山が満喫出来たと思うと残念でしたね。 でも、雪山の厳しさ、ラッセルの経験も出来良かったかも?
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A嬢
at 2015-03-16 22:52
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唐松に行ったんですね。
今年は雪が多くてラッセルの日もあれば、ガリガリに凍ってる日もあったりで、見極めが難しいかと。。。 山頂踏めなかったのは残念ですが、またリベンジに信州までお越しください(笑)。
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cafekazu
at 2015-03-17 18:49
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I 氏です。
今回は本当は経験してはいけないのですが、貴重な経験となりました。 でも、このままでは終われないので、準備・経験・訓練・判断能力を高めて絶対リベンジしたいです。 そその時はまたご一緒してください。少しはラッセル手伝えるようにしておきます(笑)
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yama-nobori at 2015-03-18 11:33
sugishooさん、こんにちはー!
白馬三山素晴らしいですよね(^^) 2日目は良いお天気だったので、久しぶりにスキーをやってみたくなりました。 今回は私も含め、良い経験になりました。 修行を積んで出直しです(^^;
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yama-nobori at 2015-03-18 11:34
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yama-nobori at 2015-03-18 11:36
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yama-nobori at 2015-03-18 11:37
I氏、おつかれさまー!
うん、ラッセルよろしく(笑) おっさん一人ではスピードがあがりません。わはは でも翌日も筋肉痛になることはありませんでした(^^) しばらく味わってないのでキツイのやりたいなー(笑)
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