厳冬期における八ヶ岳主峰赤岳は、本格的な冬山登山への登竜門である。 海外へ遠征を行うような名だたる登山家達も、この山の頂きを踏んでいない者はまずいないことであろう。 同じ八ヶ岳連峰であっても、蓼科山・北八ヶ岳・硫黄岳などでは、例えピッケルを装備していてもせいぜい杖程度の役目しか果たさない。 しかし厳冬期、ましてや雪煙上げる赤岳に登るにはそれなりのピッケル・アイゼンワークが必要であり、なによりも現場での判断力が試される。 一般的なガイドツアーや、机上だけでは学ぶことの出来ない世界がそこにはある。 それ故に、あらゆる雪質・気候変化に合わせて登山家達もトレーニングを続けるのだ。 八ヶ岳連峰主峰『赤岳』もそんなプロ達がトレーニングの場として選択する山の一つである。 今回は、この冬季赤岳に登ることを一つの目標としてきたK嬢とのガッツリレポートとなります。 しかし昼過ぎには雨へと変わります。 私の生活環境もこの日を境に大きな変化がありました。 この話はおいおいして行こうとか考えていますが、2015.01.30は生涯忘れることのない日付となりそうです。 さて、そんな雨に変わった中央道に乗ると除雪車が3車線を埋めて走っています。 ずっと手前から雪無いじゃん、どいてよ(^^; 遊んでたんでしょ? 予定より早く現地に到着出来たので、立ち寄り湯「もみの湯」に行きました。 湯加減も泉質もすばらしくとっても癒やされ、ぽかぽかです。 そして驚いたのが17:00以降のそのお値段。 なんと300円!!銭湯より安いじゃん(^^) もみの湯から八ヶ岳山荘駐車場までは15分です。 いつものように車中泊準備を整え、スーパーで買った見切り品の激安寿司でプチ宴会。 そして、おやすみなさーい! 美濃戸口をいつものようにスタートします。 この日はサプライズを仕込んでいます。 これ、な~んだ?(^^) さあ、今日はガッツリ行くよ! でも、楽しもうね(^^) 美濃戸までは林道歩きとなります。 31日の赤岳山頂の天気予報は、霧のち風雪・気温-17℃・風速23m/sとかなりの荒れ模様。 山頂直下にある赤岳展望荘へ逃げこむか、更にはその下の行者小屋で停滞すべきかぼんやりと考えながら歩きました。 今回は行者小屋への最短ルートである南沢を選択しました。 私は冬季に南沢を歩くのは初めてでした。 このルートは斜度の低い林道歩きが主である北沢とは違い、それなりの登りが続きます。 しかし美しさは断然こちらが上です。 歩を進めるたびに景色が変わっていきます。 未完成ではありましたが、こっそりと味見(笑) 美味い!! このまま黙っていて完成品でのサプライズにしようと思いましたが、あまりの美味しさにK嬢にも食べてもらいます。 大絶賛!! あーそんなに食べないで~(笑) しかし乾雪で風が無かったのでただただ美しい光景でした。 ほとんど人に会うことはありません。 曇天でも楽しそうだからまあいっか! 僅かでも青空が見えると嬉しいです(^^) ここで食事をして、本格的な雪山登山への準備を整えます。 さあ、いよいよだね。 歩き方、アイゼン・ピッケルワークを覚えながら登るよ! 強い冬型の気圧配置である為、気温もかなり低い。 最悪はここに戻ってくるつもりでスタートしました。 行者小屋を起点とした場合、文三郎尾根と地蔵尾根を選択出来ますが、前者は一度赤岳を踏んだ後に赤岳展望荘まで降りることになる為距離が長くなり、その間ずっと強風にさらされることとなります。 地蔵尾根は距離時間共に短くなりますが、ナイフリッジと言われる危険箇所が待ち構えています。 どちらが楽か?どちらを上りに使うべきか?と頻繁に質問を受けます。 私なりの考えは持っていますが、現地での総合的な判断が必要であるとしか、お答えすることは出来ません。 斜度はきつく直登で標高を上げていきます。 アイゼンは12本全ての爪を斜面に刺すことが重要です。 教科書にはいろいろな足運びのスタイルが書かれていますが、雪質・斜度・個人差があるので、アイゼンワークを習得するにはとにかく歩いて場数を踏むことが重要です。 登山者は誰もいません。 風の少ない内にいくつかのアドバイスを投げつつ標高を稼ぎます。 このあたりで眼鏡が凍りつき視界が悪くなってきたので私は裸眼となりました。 視力は0.03ですが、この方がまだ良く見える状態です。 そしてここで2名の下山者と出会います。 聞くところによると、この先がいよいよ正念場。 風は激しくなり雪が深くなるとのこと。 彼らのトレースは会話の間にも全て消えて行きました。 モチベーションは問題なし!頑張ろう! 視界はホワイトアウト直前で夏道を辿ったルートファインディングが困難となった為、リッジに向けて直登することとしました。 無事核心部を通過。 後日わかったことですが、この手前で多くの登山者が引き返したようです。 この後、風が更に強くなったのでギリギリのタイミングであったのかもしれません。 でも、、、腰が引けてるよ?(笑) ここからはもう目と鼻の先ですが、その姿は全く見えません。 行者小屋からは2時間10分を要しました。 心と身体に染みわたる、生涯最高の甘酒でした(^^) 大変ありがたい存在です。 夕食までの時間をまったりと過ごします。 そうそう、作っていた例のものはアイスクリームです。 完成度が高く、メチャクチャ美味しかったですよ(^^)/ レシピはダンディーな山友に教えて頂きました。
これをペットボトルに入れて歩いていれば完成です! 品数も十分ですしとっても美味しく頂きました。 K嬢は流石にお疲れのご様子です。 消灯までまだ時間がありましたが早めに眠ることとしました。 そうだよねー、よく頑張ったよ。うん(^^) 明日はいよいよ赤岳だ!頑張ろうね! 赤岳展望荘はちょっと変わった作りをしています。 各建物はトンネルを利用して地下でつながっている構造です。 受付時には各々にカップが渡され、それを持っていけばコーヒー、お茶が飲み放題。 お湯も水も無料で分けて頂けます。 mont-bell会員だと500円の割引も受けられますからカードをお忘れなく! では、2日目へと続きます! おやすみなさーい!
by yama-nobori
| 2015-02-03 11:11
| 登山 2015
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Comments(4)
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chocoyan2 at 2015-02-03 15:04
はじめまして(^^)
極寒登山ショットに圧巻させられました☆ 羨ましいショットの数々、でも私は体力がないから無理だなぁっと 行った気分だけ味あわせていただきました(^-^) 八ヶ岳は昨年夏に初めて行きましたがとても素敵なところだったので 雪山シーズンも行ってみたいなぁっと思っていたんですけどね、 夏でもヒーヒー言いながらでしたの冬なんて難しいですね(^.^; 赤岳展望荘は私も泊まりましたがモンベルのカードで割引があったとは 知らなかったなぁ。次行ったときは利用したいと思います。
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daiki
at 2015-02-03 19:51
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yama-nobori at 2015-02-04 13:39
chocoyan2さん、はじめまして!
そうですか!夏場には登られたんですね(^^) この時期の八ヶ岳周辺でのお勧めは、北横岳・天狗岳・硫黄岳です。 ただ、やはり雪山ですからそれなりの装備が必要ですし、経験者と行くべきだと思います。 私の友人達は、赤岳鉱泉や行者小屋、もしくはテン泊をして周辺を散策して楽しんでいます。 それだけでも晴れた日には素晴らしい体験が出来ますよ! 夏場とは違う、人の少ない美しい八ヶ岳へぜひおでかけください。 何かわからないことがございましたら遠慮なく! また遊びにいらっしゃって下さいね(^^)/
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yama-nobori at 2015-02-04 13:42
daikiさん、こんにちは!
遊びに来て頂けてとっても嬉しいです。 あの日はみなさんとの話があまりに楽しくてちょっと飲み過ぎました(^^; 無事お昼には下山できたでしょうか? またお会いできますことを楽しみにしております。 南アはご案内しますよ?(笑)
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