突然の雪山シーズン到来!蝶ヶ岳 2014.11.15(土)~16(日)

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蝶ヶ岳(ちょうがたけ)は、常念岳の南に位置する標高2677mの山です。

ここからの展望は、北アルプス随一のものであると言われています。
真西にそびえる槍ヶ岳・穂高連峰の姿はまさに圧巻の一言に尽きると、以前からいろいろなところで読み聞きしていましたので、いつかは登ってみたいなと考え続けて来ました。

しかしながら、蝶ヶ岳のみの1座だけでは少々物足りないと感じていましたし、常念岳からの周回ともなると、なかなかハードなコースとなる上に、シーズン中の混雑は嫌・・・そもそも北アは遠い。
そんなわけでなかなか重い腰が上げられず、長い間、未踏のままでした。


さてさて、相変わらず膝の調子が思わしくありません。
でも山には登りたい。
比較的行動時間が短く、展望の良い山を探していました。
そして思い出します。

あ、そうだ!
先日登った槍ヶ岳を、再び間近で見てみよう!

今回は、楽をして大展望を得ようと軽い気持ちで登頂を目指した、蝶ヶ岳のレポとなります。





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※ピストン山行の為、片道のみを示しています。



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例によって金曜日に前入りする為、「三股登山口駐車場」を目指し車を走らせました。
林道を進んで、さあそろそろ到着かな?と思っていると、何やら白いものがふわふわ落ちてきました。

「雪」です。
あ~今シーズン初めての雪だ(^^)

駐車場に到着後、急いでテントを張り、電気毛布で暖を取りつつ仲間達とプチ宴会を楽しみました。
翌朝8:00、気温2℃の小雪が舞う中、蝶ヶ岳に向かい歩き出します。

ちなみに「三股登山口駐車場」の標高は1340m、綺麗なトイレもあり快適でした。



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駐車場から800m進むと三股登山口に到着します。
シーズン中はかなりの賑わいを見せるであろうこの登山口も、ご覧の通り誰もいません。
実に寒々しい風景です。

しかし流石は北アの百名山登山口。
トイレ、登山ポストはもとより、立派な更衣室まであるのには驚かされました。



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駐車場から30分で、三股に到着です。
右に向かうと常念岳、まっすぐ進めば目指す蝶ヶ岳となります。
まさに”三股”ですね。



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8:50、最終水場を通過します。
この時期でも水流が生きていました。




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そして有名な「ゴジラみたいな木」です。
ゴジラかどうかはわかりませんが、恐竜に見えます。




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今日のトレースは、大きな足跡1つと小さな足跡が1つ。
どうやら、男性と女性が先行しているようです。




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粉雪の舞う中、積もったばかりのふわふわの雪を踏み歩を進めます。
この辺りはまだ標高が低いので重たい雪でした。




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10:25、緩やかに標高を上げ、「まめうち平」に到着です。
ここで少し休憩している間に、男性2名のパーティーが先に進んで行かれました。




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予報ではこの後「晴れ」となっています。

直前までの情報では、ほとんど雪は無いはずでしたから、昨夜からの積雪です。
稜線上の雪に期待できなかったので、飲料水を一人3L担いでいきました。




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10:50、標高2000m地点まで上がって来ました。
新雪を踏めることが嬉しくて嬉しくて仕方ありません(^^)




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標高が上がるにつれて雪質がパウダーへと変わって行きます。
ルート上は30~40cm程度の積雪量です。

適度な斜度とザックの重さが心地良い(^^)

かなり歩きにくくなって来ましたが、ツボ足のまま体重移動を重視して進みます。
雪に慣れていない方は、標高2000mの平坦箇所で軽アイゼンを装着したほうが、ロスなく歩けて良いと思われます。




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ルートを外すと70cmはあるようです。

ここまでに、先行していた2パーティー(4名)を抜きました。
トレースが極端に薄くなり、足取りが重たくなります。
どうやらこの日の最初の登頂者になれそうです!

かなり気楽に考えていた蝶ヶ岳でしたが、なかなかの手応えになってきて嬉しい限りです(^^)/




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13:00、雪が止んで青空が優勢になってきます。
やったね!(^^)
頑張れ青組!!



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振り返ると安曇野の町並みが見え始め、標高を上げてきたことを実感できるようになってきました。




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おおっ!あれは常念岳だ!
稜線からはどんなふうに見えるんだろう(^^)



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この日は蝶ヶ岳ヒュッテの冬季小屋泊を予定しています。

冬季小屋は狭いので、基本早い者勝ちとなります。
少しでも早く着いて良い場所を確保する為、頑張りました!




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陵線に近づくと美しい樹氷が出迎えてくれました(^^)
テンションあがるわ~!




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軽い気持ちで登ってきた蝶ヶ岳ですが、思いがけずの本気の雪山に感激です!
さぁ~雪山シーズンが始まるぞ!




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かなり沈む場所もありました。




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さあ、あと少し!




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いよいよ陵線に飛び出します!



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13:50、強風の陵線に立ちました。
常念岳が雪煙に見え隠れしています。

常念岳はどこから見てもかっこいいねぇ!



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出発からおよそ6時間、今シーズンは既に営業を終えている、蝶ヶ岳ヒュッテに到着です。
センターにある白い建物が、今夜のお宿、冬季小屋となります。

さあ入り口はどこでしょうか?



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ここが入り口です。

しかし、この扉が危険なほど重い!!
強風時、女性一人では開けられないんじゃないだろうか?
急に扉が閉じて、足を挟んだら確実に折れる重たさです。

慎重にスコップで支え棒をして・・・。




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歩伏前進・・・。
ザックが大きいのでけっこう大変(^^;




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ジャーン!

一番乗りだ!
やったね(^^)




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特等席に寝床を作りました。
この小屋、なんとトイレが建物内にあります。
ペーパーも用意されていてとても綺麗で驚きました。

無料で利用させて頂くのが申し訳ないレベルの冬季小屋です(^^)



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全員分の寝床確保が終わったので外に出てみます。




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うわ~すごい風!!寒い!!
蝶槍ヶ岳へ向かおうかとも思いましたが断念。



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でも記念に1枚(^^)
この後、反対方向にある蝶ヶ岳山頂へ向かいました。




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あのなだらかなところが蝶ヶ岳山頂です。




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お疲れ様!!
しかしこの日は、一番の楽しみであった槍ヶ岳・穂高連峰の眺望は、ガスの為お預けでした。
烈風が吹付けていて、ガスが取れるまで待機しようかとも思いましたが無理でした。




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うっすらと見える穂高連峰は、ほんの一部だけでも迫力満点でした。
明日の眺望に期待し、小屋へと戻ります。

この日はトレーニングのつもりで28kg程度を背負ってきました。

厳冬期には35kg程になる上にラッセルも加わるので、本来余裕で歩けなければいけません。
しかし、やはり膝が故障してしまいました。

体力的には殆ど息が上がることも無かったのですが、これは致命的。
山小屋到着後は、座っているだけでも痛み続けていました。

今シーズンは無理出来そうにないなぁ(T_T)



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さあお楽しみの宴会だ!
飲むぞ~食べるぞ~!

この日の冬季小屋は、本来の寝床となる板上に7人、トイレ前の土間に2名、小屋内にテントを張っている3名の12名での利用となりました。
詰め込めばあと3人くらいは入れたでしょうか。

小屋に戻ってからは、お酒とおつまみ、そして久しぶりに逢う仲間達との会話を目一杯楽しみました。
ちょっと飲み過ぎちゃいましたけれど。

確か18:00頃には一度お開きとなり、うとうとしていたと思います。




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もともと眠りの浅い私は20:00頃に目が覚めました。

表に出てみると、そこには満点の星空が広がっていました。
天の川を横切る流れ星、人工衛星も見えていました(^^)
安曇野の夜景も見事です。



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生憎三脚を持ってこなかったのでピントの合った写真が撮影出来ずに残念(T_T)

-6℃の気温に加え風が強く、体感温度は-20℃以上です。
このためグローブを外すことが出来ずに操作が困難で、色々な設定が試せませんでした。

あ~あ。



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5:40、目覚めるとカップに入れてあった水が凍っていました。
確認すると、室温は-2℃でした。

さあ、いよいよメインイベントの始まりです。
表に出る準備をしていざ!!




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よっしゃ~~!!
ド快晴\(^o^)/

八ヶ岳から日が昇ります(^^)



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おはよーーーー!!

※右の丘が蝶ヶ岳山頂です。




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モルゲンロートに槍ヶ岳・穂高連峰が染まって行きます。




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昨日はほとんどその姿を見せてはくれなかった秀峰、常念岳がモルゲンに染まっています。




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山頂標の向こうには乗鞍岳と御岳山。




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モルゲンロートに染まる雪面が美しい。

光のショータイムは5分間程のほんの一時の出来事。
でも心に残る色は永遠です。

また忘れることの出来ない思い出が一つ増えました。





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刻一刻と色が変わって行きます。

冬山は空気が澄んでいる上に、白は膨張色だから山の迫力が増すんですよね。
八ヶ岳、富士山、南アルプスまで良く見えている、とても透明度の高い朝となりました。

寒い稜線に泊まる事の意味がここにあるのです。
あ~来て良かった。



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最高の景色だったね!
たくさんビールを担ぎあげてくれてありがとう!
これからも沢山の景色を一緒に見ようね。




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え?中央アルプスが最高?
嘘つけー!北アを好きになってきたくせに(笑)




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蝶ヶ岳。
想像以上の大展望台でした。




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さあ、小屋に戻って朝食だ!




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相棒の担ぎあげてくれたビールが美味い!!




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さあ、いつまでもこの景色を楽しんでいたいけれど帰らなきゃ。

ある程度標高が下がるとアイスになっていると予想した為、この時点で軽アイゼンを装着しました。
久しぶりの足裏の感触です。

あー雪山に来てるんだなって改めて実感(^^)



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先月槍ヶ岳に登った時、いつかは反対側から見ようって思ったけれど、こんなに早く実現することが出来ました。



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これが槍ヶ岳から見た常念山脈です。
左のとんがりが常念岳で、一番右の丘が蝶ヶ岳山頂です。




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もうすっかり、本来の白い雪山に戻ったね。
膝の調子が良くてソロだったら、たぶんあっちに向かってたんだろうなぁ。
この日は無風で最高のコンディションでした。



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さあ、あの八ヶ岳の向こうまで帰ろう!!



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ありがとう常念岳!
近いうちに、反対側からも拝ませてもらいますね(^^)
どうかその時も晴天でお願い致します!




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お世話になりました(^^)/




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みんな、楽しい時間をありがとう!!
またよろしくね(^^)




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シュカブラが美しい。
※シュカブラ=雪紋(せつもん)




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8:15、下山を開始します。

下山に備え、強力なサポーターを膝に装着しました。
また、相棒が鎮痛剤を飲ませてくれました。

さあ、膝の痛みとの戦いだ!
頑張るぞ!!



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途中で仲間が装備の調整に入りました。
膝の痛みで迷惑を掛けたくなかったので私は先を急ぎます。




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ある程度標高を下げると予想通りのアイスになっていました。

軽アイゼンの爪がとても良く効きます。
「ざくっざくっ」っと、小気味よい音と感触で気持ち良いです(^^)




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薬とサポーターのおかげか、何とか頑張れそうです。
かなりのスピードでぐんぐん下山して行きます。

雪山って、ある程度雪が付いて安定さえしていれば、夏道よりずっと楽に歩けるんですよ(^^)
浮石を踏む心配がありませんし、アイゼンが効いていればスリップすることもありません。




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仲間と別れてからはずっと一人です。
静かな森の中に軽アイゼンの音だけが聞こえます。

ざくっ
ざくっ
ざくっ



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標高を下げると日差しで雪が解け、まだ秋を感じさせるトレイルに戻っていました。

素晴らしいタイミングで登ったんだなぁ(^^)
昨日は雪の降る凍てついた冬景色だったのに。




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「ゴジラみたいな木」も今日はそんなに寒くはなさそうです。
でもやっぱりゴジラには見えない。
恐竜だと思いませんか??




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三股まで戻ってくると、冬山にいた事が嘘のよう。




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下山開始から2時間10分、休憩することも無く、駐車場まで戻って来ることが出来ました。
CTは3時間25分ですから、なかなかのハイペース(^^)




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その約30分後、無事に仲間も到着!!
お疲れさま(^^)/

この写真、今回のお気に入りの1枚になりました(^^)

あの稜線から下りて来たんです。
二人がとっても嬉しそうで、幸せな気持ちになりませんか?




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下山後は相棒がいつもの珈琲を淹れてくれました。
いつもながらに本当に美味かった。

この後、次回の山行を約束し、それぞれの場所に帰って行きました。

山で過ごす時間はとても濃密で楽しいものです。
それ故にこの瞬間はかなり寂しい。

ソロだった頃には感じなかったこの気持もパーティーならでは。
だからこそ、また次に逢えることが楽しみで仕方ありません。




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安曇野の街まで下りてくると、ピラミダスで端正な常念岳が見事に見えていました。
ついさっきまで、あの稜線にいたんだな・・・。


「登山」は実にシンプルな遊びです。

それぞれの”頂き”を目指して歩くだけ。
結果の善し悪しの答えは、全て自分の中に見つけることが出来ます。

この単純な遊びをこれからも続けて行きたいと思っています。
時には一人で。
時には仲間と。

あ、その前に膝をなんとかしなくちゃなぁ(T_T)


おしまい。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


↓励みになりますので、よろしかったら『ぽち』っとお願い致します(^^)/


by yama-nobori | 2014-11-18 14:16 | 登山 2014 | Comments(2)
Commented by sugishoo at 2014-11-19 21:14
こんばんは、ゆたかさん
いよいよ、雪山シーズン到来ですか?
登山口と頂上では季節が全然ちがいますね〜。
晴れた日の雪山は実に奇麗ですね、
また、夜空が素晴らしい、これこそ満天の星空です!

写真でこれだけ感動できるんですから、
現地での感動はこれの何十倍でしょうね。
無理をなさらず、これからの雪山シーズンを楽しんで下さい。
Commented by yama-nobori at 2014-11-21 08:59
sugishooさん、感動して頂けたようで良かったです(^^)/

そうそう、現地での感動は、そりゃーーーもーーー凄いです!!
でも、同時に寒さと強風との戦いでもあるのです(笑)

私は雪山シーズンに入るとあまりピークにこだわりがなくなります。
その代わり、展望のある稜線上にテントを張って、写真を撮ったり
読書を楽しんだり、お酒を飲んだりして過ごします。

今シーズンは膝の不調と付き合うことになりそうですから、尚更この
スタイルになりそうです(^^;

またお見せ出来そうな写真が撮れるよう頑張ってきます(^^)
いつもコメントをありがとうございます。
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