『黒部の山賊』の舞台、裏銀座を歩く③ 2014.08.13(水)~15(金) 


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『黒部の山賊』の舞台、裏銀座を歩く②からの続きとなります。






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翌朝3:00、昨日の天気予報に微かな期待を抱きながら起床。
身支度を整え、予定通りの4:30、外に出てみると・・・

どよぉ~ん(^^;

風が強くてかなり寒い朝。
でも、雨も降っていないだけましだね!!

天気は間違いなく下り坂。長居は無用だ、さあ帰ろう!今日は長いぞ!



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まだほとんど人のいない静かな雲ノ平。
ガスで景色は全く見えませんがとても幻想的な雰囲気です。

ときおり空が明るくなったりもしたので、「晴れ」の天気予報が頭をよぎります。
往生際が悪いよね(^^;



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こういう時、ネガティブに考えるかポジティブに考えるかで、リスクヘッジに直結する気がします。
登山は臆病なくらいが丁度いいのかもしれません。



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まずは、祖父岳分岐まで戻ります。

その途中、大量の残雪がありました。
スケールモデルがいない為、写真ではわかりにくいですが、高さは5m以上です。

この辺り、本当に雪深いんですね。
積雪期に入山してみたいと思っていましたがちょっと厳しいでしょうか。



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祖父岳分岐の辺りで雨が降り出しました。

雲ノ平山荘では、丁度、朝食の時間あたりではなかったでしょうか。
私以上に、「晴れ」を期待していた方々が多かったでしょうから、さぞ落胆されたことでしょう。


その後、雨は次第に強くなり景色も見えにくくなったのでカメラを仕舞かけると・・・雷鳥の親子です(*^^*)/

この時期になると母親と見分けがつかなくなるくらいに成長する南アルプスに比べ、とっても小さくて、可愛い!!
お母さんの後を一生懸命に追いかけます。

ちょこまか、ちょこまか。



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雷鳥の親子に出会ってからは、強くなる風雨と滑る足元に注意しながら、もくもくと標高を下げて行きます。

登山道を示すマーカーが無いとルートロストが心配な箇所もありました。
風雨の時は、地図とコンパスを使用しての位置確認は大変ですから、GPSがとっても便利ですね。
高い玩具かな?と思いましたが、最近ではなくてはならない装備となりつつあります。

第一、第二雪田と呼ばれる場所まで降りてきました。



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雨は一旦あがります。

歩いているのは祖父岳の裾の部分。
対向者が来たら絶対すれ違いできないハイマツのトンネルを抜け、一気に標高を下げます。

足元が滑る上に斜度が強く、なかなかの難易度です。

しかし、こんな日にも登って来られる方々がいて驚きました。



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どんどん標高を下げ続けます。


実は、昨夜からずっと気になっていた事がありました。

双六小屋に残してきたテントの事です。
最終的には、土砂降りの雨に加え、体が持って行かれそうな強風となりました。

もう寝るわけでは無いので、浸水は問題ありません。
でも強風で飛ばされていたら周りに迷惑かけちゃう・・・。

無事に建ってるかな・・・。



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更に標高を下げると何やら広場みたいな場所が見えてきます。
そして幾筋にも伸びる登山道と一箇所に集まってゆく支流の流れ。

ここもまた、ずっと訪れたいと願っていた場所の一つです。




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渡渉します。



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じゃ~ん!!

そう、先ほど渡渉したのは、黒部川だったのです!!
この最初の一滴を飲みたかったんです!!

ここで湯を沸かし、源流コーヒーを飲もうと、ちょっと急ぎ気味に祖父岳を降りてきました。

しかし、、、いきなり大粒の雨が降り始めました(T_T)
あーダメだ。

水だけ飲んでそそくさと退散です。



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実際にはこんな感じの支流が多すぎて、どれが最初の一滴かなんて全然わからないんですけどね(笑)

気分ですね。標識って大事。


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この後の行程はまだまだ長大です。
ゆっくりとエネルギーチャージする為、往路で寄った、あの三俣山荘を目指します。



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その後、雨は益々強くなります。

山に落ちる雨筋が浮世絵みたいで素敵です。



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ここで、ゴミ袋を雨具代わりにしていた登山者に会いました。
無事下山出来たのだろうか・・・。

北アルプスには、本当にいろいろな人がいるよなぁ。

三俣山荘キャンプ場にある避難小屋が見えてきました。
この後しばらく、カメラが結露したため写真が撮れなくなります。



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小屋に逃げ込みました。

山小屋は休憩だけでも有料であることが一般的です。
トイレは、ほぼチップ制で有料です。

ところがこの三俣山荘は、水までもが全て無料!!



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うわぁ~(T_T)

雨で余計に疲れていた事もあって、このMessageには涙が出るくらい感動しちゃいました。


本当は喫茶店に上がって、ケーキセットやオムレツを食べたかったのですが、営業開始時間までまだ1時間程あったので諦めることに・・・。いいもんね、また絶対来るから。泊まりで小屋を満喫するんだもん!

そうそう、雲ノ平山荘でお弁当を作ってもらっていました。
昨日の夕食があんな感じだったからなぁ(失礼)

あまり期待せず自炊場を使わせて頂き、コーヒーを沸かし、いざ開封の儀。



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お、いいじゃん!!(笑)

良い意味で裏切られて、とても美味しくいただきました(^^)/



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次に来た時、まだ売れ残っているであろうか・・・。



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こちらが小屋で表示されている麓の天気予報。

12:00あたりまで晴れになってますね(^^;

ちなみに外は、叩きつけうような激しい雨に変わりつつありました。
如何に下界と山の天気が違うのかが分かりますね。8:09でした。

長居しても良いことはありそうもありません。
この先はまだまだ長い行程です。放置してあるテントも心配です。

後ろ髪をひかれつつ、三俣山荘を後にしました。

残念ながらカメラはザックにイン。
この後、しばらく写真はありません。



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本来なら、三俣山荘から三俣蓮華岳、双六岳を踏んだ後にテント回収を行う予定でした。

しかし雨は激しさを増し、風は強風へと変わります。
よって、往路と同じく巻き道を進むこととしました。

途中、レインの一部に微細な穴があったのでしょう。衣服が濡れ始めます。
そして、湿っている程度だった靴の中も、金魚が飼えるくらいに浸水を始めます。

これがもし晩秋の頃であったなら非常に危険な状態です。

双六岳の直下まで来ました。
ここは遮るものが無いので、風がもろに襲いかかってきます。
前を歩いていた2人組は体を支えあって強風に耐えていました。

ここからテン場まではほんの数分の距離です。
そして最大の懸念事項であったテントが見えるはず・・・・

「あ、あった!!」

思わずガッツポーズです!!(^^)/

この時点、テン場は完全に暴風雨となっていました。
あれほどあったテントも僅か3幕だけ。

テント内を確認すると特に浸水も認められず出発した時のままでした。
疲れていたのでちょっと横になりたかったけれど、全身ずぶ濡れで靴を脱ぐ気にもなれません。
ただ、この先どこで食事が出来るかわからなかったので、さほどお腹は減っていませんでしたが、持っていたパンをコーヒーで流し込み撤収に取り掛かります。

撤収を始めると風が更に強まり、テント内へ若干の浸水が始まりました。ギリギリセーフ。

雨の中の撤収は何度も経験していますが、今回は、かなりハードな状況でした。



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テントの撤収を終え、鏡平山荘までは約2時間の行程です。
比較的アップダウンの少ないトレイルを黙々と歩きようやく到着。

雨は相変わらず降り続いています。

ここまでで、既にカロリーを消費していたのでしょう。
お腹が減ったので行動食とビールでエネルギーチャージ。

ここからは本格的な下りになります。



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この先、鏡平山荘から新穂高温泉までは4時間の行程です。
頑張らねば!



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鏡平山荘を出発してすぐ、ほとんどの登山道が川になっていて驚きます。

川なのか登山道なのか・・・。
滑るので、とにかく慎重に慎重に歩きます。

もともと川だった場所には当然の如く、濁流が流れています。
数カ所、その濁流の渡渉を余儀なくされる場所もありました。

往路で休憩した秩父沢出合には、橋が掛かっていましたが、橋が流されているんじゃないかと心配もしました。

写真はほとんど撮ることは出来ませんでした(T_T)




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通常、下山時はザックは軽くなります。
食料が減るからです。

ところが今回は、1日日程を縮めたと事に加え、予定に無かった小屋泊まりを行っています。
つまり食糧が減っていないのです。

そして致命的なのが雨を吸ったテントなどの装備です。
間違いなく往路より重たくなり、30kgは超えていたと思われます。




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それでもなんとか安全な場所まで降りてくることが出来ました。

ただ、ここからはその安全と引き換えに、”単調”な林道歩き地獄が始まります。



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こんな林道でさえ、川になっています。



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頑張ってー頑張ってー、やっとやっとのわさび平山荘です。
ここで休憩すると二度と歩きたくなくなりそうだったので、スルー。

残り1時間少々の新穂高温泉を目指します。



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容赦なく続く単調地獄(T_T)



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往路、あれほど綺麗だった流れも濁流に変わっています。



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そしてそして、ついにゲートまで戻って来ました!
まあここから駐車場まではまだあるんですけどね(^^;

でもここまでは車が上がって来られます。
荷物があまりに辛いのでここでデポ。後に回収に来ることとしました。



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荷物が無いって素晴らしい!!
羽が生えたような足取りで、あっと言う間の新穂高ロープウェイです。

あーもうすぐだー。温泉だー。食事だー。乾いた服だー。



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うう、、、無事帰って来ることが出来ました。



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この右の側道を進めば駐車場まではもう少し・・・



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ガラガラ~。
あれほどいた車がほとんどありません。

この後、不快度MAXだった靴を脱ぎ、濡れた服を着替え、ザックの回収に向かいました。
こういうとき、マイカー登山は良いですね。

逆にそれしか知らないのでバスの方たちはどんな工夫をされているんだろう・・・。




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新穂高ロープウェイ直下に有る「中崎山荘 奥飛騨の湯」です。

天候も悪かったし時間も遅かったのでほとんど貸し切り(^^)
しかもこの温泉、泉質が素晴らしい!!
カレーを食べて、最高のお湯を堪能しました!!

温泉から出ても雨は激しさを増すばかり。

この日、同じ山域で大きな死亡事故が相次ぎました。
無事、家に帰り着くまでが登山です。

これからも安全に留意し、登山を楽しんで行こうと改めて思いました。



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眠たい目を擦りながら、事故と自然渋滞の中央道を運転し八王子まで帰ってきました。

そして、真っ先に向かったのがこちら、八王子ラーメンの名店『香味屋』です。
いつもは混雑していますがこの日は何故か誰もいません。
美味しかったなぁ~。



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帰宅後は雨に濡れた装備を洗い、干しまくります。

GORE-TEX素材の装備はグランジャーズを使用して洗濯し、撥水処理を施しました。
このグランジャーズ、知る人ぞ知る最高性能なクリーナー&撥水剤です。
ぜひお試しあれ。

また、レインの微細な穴についても全てリペアを行いました。

これで雨が楽しみ・・・な、わけがない!!しばらく雨はごめんです。

やっぱり山は晴れがいい!!



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そして最後に・・・。

雨に濡らさぬよう大切に持ち帰った、オリジナルを読み直しました。
すると、初めて読んだ時とは違い、実際歩いた風景が頭に浮かびます。
山賊たちの声が聞こえてくるようです。

我が家にまたひとつ、素晴らしい蔵書が増えました(^^)/

宿題がたくさん残った今回の山行ルート。
さあ、次はいつ登ろうかな!!

長いレポにお付き合い頂き、大変ありがとうございましたm(__)m


※3日目のコースデータは以下の通りです。
 時間はCTであり実時間ではありません。

雲ノ平
↓2時間20分
徒渉点
↓50分
三俣山荘
↓2時間15分
双六小屋
↓1時間5分
弓折乗越
↓40分
鏡平山荘
↓40分
シシウド
↓50分
秩父沢出合
↓40分
小池新道登山口
↓20分
わさび平小屋
↓15分
笠新道登山口
↓45分
新穂高温泉ロープウェイ
↓5分
新穂高温泉

水平移動距離:21.7km
積算標高差:上り993m/下り2429m
コースタイム(休憩なし):645分


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by yama-nobori | 2014-08-21 13:21 | 登山 2014 | Comments(4)
Commented by cyo-suke at 2014-08-21 20:25 x
アニキ、大変変態山行でしたね。
晴れてればオシャレな感じで楽しめただろうけど。
定めなんですよ、サダメ(笑)

何はともあれ、無事に帰ってこれてよかったです。
お疲れ様でした。
Commented by sugishoo at 2014-08-21 21:46
こんばんは、
まずは、無事ご帰還なされた事、何よりです。
お疲れ様でした!
我等、素人が想像つかぬ、ご苦労だと思いますが、
サラリと解説して、楽しんでみえるのには驚きです。

でも、登山靴で金魚は泳がないでしょう?
せめて、ボウフラくんでしょう?

今日、アマゾンから本が届きました。
まだ、読んではいませんが、
山小屋周辺図を参考にブログを拝見でき、楽しめました。
“ありがとうございました”
Commented by yama-nobori at 2014-08-22 14:05
cyo-sukeさんも降られてるじゃん(笑)
今年はまだ南の深い方には行ってないから羨ましいです。
1泊しか出来ないからまずは光かなぁ。
聖はまだ未踏?一緒に行きません?きっと豪雨になるだろうけど。
Commented by yama-nobori at 2014-08-22 14:09
sugishooさん、こんにちは!

わはっ!本当に黒部の山賊買われたんですね(^^)/
実に興味深い内容ですよ~。

次回は必ず晴れている時に再訪して、小屋周辺の鳥瞰図な
写真をお届けします!!

またご一緒して下さいね(^^)
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