『黒部の山賊』の舞台、裏銀座を歩く② 2014.08.13(水)~15(金) 


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『黒部の山賊』の舞台、裏銀座を歩く①からの続きとなります。





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昨夜はとても良く眠ることが出来ました(^^)

気になっていたお天気ですが、やはりいまいち。
雨が降っていないだけマシという感じ。

ガスも強く周囲の景色はほとんど見えません(T_T)

この日は、体調や天候、行程の進み具合によって、ここに戻るか、歩を進めるかを決める事としました。
進む場合は小屋泊まりとなります。

今日はかなりの距離を歩く予定です。
でも、多くの荷物をテントへデポして行くので身軽なのです(^^)


※人の列はトイレ待ちです
 朝の小屋はどこでもこんな感じになりますのでお早めに!



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双六小屋を出発し、まずは双六岳と三俣蓮華岳の分岐を目指します。

たいした斜度ではありませんが、寝起きの体には堪えます。



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ここからは、双六岳を踏んで三俣蓮華岳への稜線を歩くコースと、巻き道コースへと分岐します。
ガスが無ければもちろん稜線コースを選択しましたが、今回は最短コースである巻き道を選択しました。



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と、ここから歩き出そうとしたら・・・雨です。
あ~、長い一日になりそうだ(^^;

目指す鷲羽岳の左肩に水晶岳が見えていました。



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ここがおそらく、三俣蓮華カール。



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三俣峠までやってきました。

ここから三俣蓮華岳まではほんの少し登るだけでしたが、ガス&雨の為スルーし、三俣山荘を目指します。
ここまでなら1泊で十分だから、晴天の時にまた来ればいいもんね!

ここで一度雨があがりました。
時々明るくなったりしたので、もしかして晴れちゃうかも??なんて期待もしちゃいました。



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三俣峠からはせっかく稼いだ標高を一気に下げます。
と、いうことは復路は登り。うへぇ~(T_T)

40分程進むとテントがチラホラ見え始めました。



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そして、ついについに、憧れの三俣山荘に到着しました。

三俣山荘は北アルプスの最奥部、黒部源流の稜線上、鷲羽岳と三俣蓮華岳の鞍部に位置します。
そしてこの小屋のオーナーである伊藤正一さんが、あの『黒部の山賊』の著者なのです。

この日は残念ながらお会いすることは叶いませんでしたが、小屋の隅々に登山者への思いやりを感じさせる配慮がありました。
この話はまた後ほど書かせて頂きます。



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終戦まもなくから三俣山荘のオーナーとなり、黒部の山賊たちと力を合わせ、黒部に人の道を作った伊藤正一さんの『黒部の山賊』。

今年になって新刊が発売となり、ネット上でも買えるようになりました。

それまではこの小屋に来なければ買うことの出来ない幻の本。
結果、オークションなどで価格が釣り上がり、転売目的の購入者が増えたそうです。
それに心を痛めた伊藤さんが新刊の発売を行ったとの事です。

そしてこの新刊の発売に伴い、オリジナルの廃版が決まり、在庫はあと400冊程度しかないとの情報を得ていました。

この本の購入が今回の登山の大きな目標の一つであった為、並んでいたのを見ただけで嬉しくて嬉しくて(^^)/



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小屋で少し休憩させて頂いた後は、いよいよ鷲羽岳と水晶岳を目指します。

この2座を踏んだ後は、日本最後の秘境と言われる雲ノ平まで歩を進めるか、三俣山荘に戻り、ここに宿泊する予定です。
三俣山荘の喫茶店は、珈琲やケーキ、オムレツが有名!
夕食も美味しいらしいし、お弁当も素晴らしい内容みたい。

う~ん、どうしよう(^^;
もっとゆっくりもしていたい・・・。

でも、外にでると、雨は止み、これから目指す鷲羽岳のガスも取れ始めています。

今だ!!行かねば!!

だって、2日間でずいぶん歩いて来ているのに、まだ1座も登頂していないだもん(笑)
いや~長いルートだわ~。



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振り返ると三俣蓮華岳を背負った三俣山荘が見えています。

ハイマツに囲まれた素敵な所に建ってるなぁ(^^)
やっぱり晴れた日にまた来よう!!




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鷲羽岳山頂が近づくにつれ、再びガスが強くなりました。
展望は期待出来ないけれど、やっぱりピークが近づくとワクワクします(^^)/




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そしてようやく鷲羽岳山頂(2924m)です!!
やったね!!


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鷲羽岳を後にすると再び小雨が降り出しました・・・。



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少しザレた場所もありましたが、流石は北アの縦走路。
よく整備されていて危険箇所はありません。



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そして水晶岳へ向かう途中で思いがけずワリモ岳(2888m)を通過。

後日調べると、まあまあ存在感のあるピークだとわかりました。
通過点で2888m。凄いねこの山域(笑)



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ガスが強かったのでそろそろいるかな?と考えていたら、逢えました(^^)

『雷鳥』の名前の由来は諸説ありますが、天敵を避けるため、雷の鳴るような空模様で活発に活動することで、目撃される機会が増えたからだと言われています。でも私は晴れた日の方が多く見ているかなぁ?



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ワリモ北分岐に到着です。

ここは、水晶岳、雲ノ平方面への分岐になっており、多くの方がここにザックをデポし水晶岳をピストンしていた様です。
私もザックを下ろして空身で進もうかとも思いましたが、雨も降っていて準備するのが面倒だったので、そのまま水晶岳を目指すこととしました。



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これまた憧れていた水晶小屋に到着です。
この小屋も、三俣山荘オーナーの伊藤さんが建てられてものです。

水晶岳は北アでもっとも風が強い山だと言われ、登山者の安全を守るためにも、どうしてもここに小屋を建てたかったそうです。事実、過去2回、風により全壊しています。



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定員30名の小さな小屋ですが、綺麗にされていて大人気。
雨風も強くなってきていたのでみなさん休憩されていました。



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この小屋で水晶岳のバッチを購入し、『力汁』を頂きました。
焦げ目のついたお餅が2つ入っている、生姜の効いた醤油ベースの汁が体に染み渡りました。
本当に美味かった~!!



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表に出てみると雨が止んでいました。

水晶小屋から水晶岳までは40分の行程です。
ここでは皆さんと同じようにザックをデポし、空身で山頂を目指しました。



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ここからは、少し危険箇所も出てきます。
今思えば、山登りとして一番面白かったのはこのルートでした(^^)



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12:00ジャスト、水晶岳(2986m)に登頂です!!
力汁のお陰でパワーモリモリ!!楽勝!!

天候いまいちでも、すっごく楽しかった!!



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体力にも時間にも余力があります。幸い雨も止んでいます。
三俣山荘に戻ってまったりと小屋を満喫する誘惑もありましたが、やはり日本最後の秘境、そう簡単には行くことの出来ない雲ノ平まで歩を進める事としました。

小屋に立ち寄ると出発する気が無くなりそうだったので、デポしておいたザックを回収し、足早に立ち去りました。



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ワリモ北分岐を岩苔乗越へ向けて進みます。



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岩苔乗越からは祖父岳を経由し雲ノ平に向かいます。



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これはハクサンイチゲです。
実は春の花なんです。
つまり、ここにはやっと春が来たんですね。

周りには雪がたくさん残っています。
9月の終わりには降雪があるはずですから、この辺りには夏は来ないのでしょう。




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祖父岳へは地味なアップダウンを繰り返します。

ガスの中にピークらしきものが見える度に一喜一憂しますが、偽物ばかり。
展望も無いのでメンタル面でかなりハードでした。



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なだらかな山頂部を持つ祖父岳(2825m)に到着!!

雲ノ平は、祖父岳の火山活動で流れ出た流動性のある溶岩台地です。
悪天候時には道に迷いやすい為、ケルンが並んでいます。



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祖父岳からは嫌になるほど下ります。

山頂付近は溶岩質の砂。
標高が下がるにつれて大きくてゴツゴツの溶岩地帯となります。

ガツンと下りきると祖父岳分岐に到着。

さあ、いよいよ憧れの雲ノ平に入って行きます。



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雰囲気のある木道が続きます。
でも、ガスでよくわかりません(笑)



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でもね、いいんです。
今自分はあの雲ノ平にいるんです。

それだけでほんとに幸せ(^^)/

あーあの「スイス庭園」だ!!感動!!ジーン(T_T)


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池塘と木道がとっても良いバランスです(^^)


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ここはテント場と、これから向かう雲ノ平山荘との分岐です。

本当はテン場の視察に行きたかったのですが、先ほどのスイス庭園から雨が降り始めてしまいました。
少し距離があるみたいだったので先を急ぐことにしました。


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ここは高天原温泉への分岐です。
いつかそちら側へも行ってみたいですね(^^)



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長かった2日目の行動が終了です。

雲ノ平山荘に到着しました!(^^)/



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天候もいまいちだし、一番の奥地だし、そんなに混雑することは無いだろうと考えていましたが・・・。

この日はなんと、5年前に小屋の改装を終えて以来の大盛況。
布団1枚に2名が宣言されました(T_T)



でもね、内緒の話♪

何故か私の隣の布団は空いていて誰も割り当てられませんでした。
というわけで、1人1枚の布団で悠々快適(^^)

ラッキー!



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なかなかお洒落な食堂です。
建物も綺麗だし、トイレも快適(^^)



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でもね、期待していた分、夕食はちょっとガッカリ・・・。
具の少ない石狩鍋をみんなで取り分けて頂きました。

小屋は非常に混雑しておりこの日の食事は4回転。
食後にワインでまったり・・・というわけには行きませんでした。

まあ仕方ないよね。



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食事を終えると雨が上がりガスが取れ始め、雲ノ平全景や黒部五郎岳、水晶岳、祖父岳などが見えて来ました。

急いで写真を撮ろうとしたのですが、レンズ内が結露してまともな写真が残せませんでした。
残念・・・。



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実はこの日、テレビの天気予報では翌日の午前中は「晴れ」でした(但し麓の街)。
正直、この情報を水晶岳の山頂で登山者から聞いたことが、今回、雲ノ平を目指した大きなきっかけの一つにもなりました。



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雲ノ平山荘のテレビでもやはり「晴れ」。
そして、小屋の天気予報でも「晴れ」。

そして、夕方には晴れ間が広がり始め、その予報は確信に近いものになって行ったのでしょう。
当然、この予報にみんなが大喜びです。


しかし私の入会している山専門の天気予報『ヤマテン』だけは、翌朝から大荒れの予報を出していました。
雲ノ平山荘に到着するまでは携帯の電波が圏外だった為、この情報が得られませんでしたが、情報を見てビックリ。

そして結果はヤマテンの大当たり。

ご存知の通り、翌日からの北アは大荒れで死亡事故が多発しました。
特に水の事故が多かった様です。

北アの山小屋で流している、麓の天気予報・・・。
これはどうなんだろう。無いよりは良いことなんだろうか。

やはり天気図から天気を読む技術が必要なんじゃないだろうか。
重要なのは高層天気図・・・。

まあ私も翌朝の晴れに期待した人間の一人だし、所詮は結果論なのでこれ以上は止めておきます。



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小屋は満員御礼。
ご覧の通り、いたるところにザックが置かれていました。

翌朝のガスの取れた雲ノ平の絶景を夢見て、早めの就寝。

3:00起床、4:30出発を予定します。


※2日目のコースデータは以下の通りです。
 時間はCTであり実時間ではありません。

双六小屋
↓2時間5分
三俣山荘
↓1時間20分
鷲羽岳
↓1時間
ワリモ北分岐
↓50分
水晶小屋
↓40分
水晶岳
↓30分
水晶小屋
↓45分
ワリモ北分岐
↓7分
岩苔乗越
↓35分
祖父岳
↓15分
祖父岳分岐
↓30分
スイス庭園
↓16分
雲ノ平山荘

水平移動距離:16km
積算標高差:上り1448m/下り1487m
コースタイム(休憩なし):533分





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by yama-nobori | 2014-08-19 16:13 | 登山 2014 | Comments(2)
Commented by sugishoo at 2014-08-19 22:36
こんばんは、
今夜もブログ楽しませて貰いました。 “ありがとうございます”
拝見して肩に力が入り、こちらも大変でした。
丁度、この時期は北アルプスに前線が掛かっていましたよね?
そんな中、雲ノ平まで連れって行ってもらい、感謝です!

昨日の「黒部の山賊」の意味が解らず、ネットで調べました。
オリジナル版が欲しくて、三俣山荘へ登ったとの記事が有りました。 ゆたかさんも購入しましたか?
私も、伊藤正一さん(91)と仲間達に共感して、著書を購入します、
アマゾンの復刻版でご容赦下さい。




Commented by yama-nobori at 2014-08-21 16:04
sugishooさん、いつもコメントを寄せて下さり大変ありがとうございます。

今回、景色はいまいちでしたがとても良い経験を積むことの出来た山行となりました。

歩いている時は、疲れてもう嫌だと何度も思いましたが、ここ数日の様に晴れた世界を
会社の窓から眺めていると、すぐにでも戻りたい気持ちになってきます。

今頃あの稜線にはどんな風が吹いているのかなぁ?なんて思うと、いてもたっても
いられなくなります。山の上こそが本来の自分の居場所であるような気がしてなりません。

今週末もお天気はいまいちのようです。
生憎、日曜日しか暇がありません。

さあ、どこへ出かけようかしら?
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