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合縁奇縁②@笊ヶ岳(偃松尾大黒尾根)2017.10.07(土)~08(日)



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偃松尾山から笊ヶ岳を目指す第二部のスタートです。

第一部の記事へはこちらからどうぞ。





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『山小屋の灯りが見えますね。』

T氏から声がかかり、ツェルトから半身乗り出し山を見た。
そうか、主稜線はあんなにも近いのか。
小屋閉めの作業中なのであろう、荒川小屋の灯りが見えていた。

吐き出す息は流石に白いが、気温は高く無風快晴の朝だった。



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05:00、朝食を済ませ、偃松尾山をあとにする。



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標高を落としすぎない展望地…。
「その時」に相応しい場所を求め、薄い道型を下げて行く。



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徐々に明るくなる空に焦りを感じ梢の先へと目を向けた。
すると双耳峰の美しいシルエットが間近にあり、いよいよ逸る気持ちが抑えきれなくなった。



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展望を遮る周囲の木々がもどかしい。
乗ったばかりの白峰南嶺の主稜線を二人で駆け下る。
気づけばいつの間にか一般道と合流し、足元はすっかり明瞭なものとなっていた。



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下り続けて行くと両側の切れ落ちた、やや強い傾斜地形が現れた。



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北への展望は無い。
しかし、あの日見ることの叶わなかった眺望が西にあった。



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聖岳と上河内岳が淡い時間に息を潜める。



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東には笊ヶ岳と雲海の富士。



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T氏と共に激闘を繰り広げたランカン尾根。



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「ここに決めましょう。」



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これ以上は望むべくもない、感無量の眺めがそこにはあった。
日の出までの僅かな時間、あの濃厚だった山行に思いを馳せた。


ランカン尾根の記事へはこちらからどうぞ。



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05:43、力強い光が放たれる。



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喜びに染まりゆく、神さぶる双耳峰。



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日常では目にすることの出来ない色彩と階調が朝の山にはある。
登山を趣味として本当に良かったと思える瞬間だ。



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素晴らしい時間だったね。



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05:55、笊ヶ岳へ向かう。



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樹林帯は朝日の薫りで満たされていた。



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05:58、水場への下降点を確認。
しかし、給水することなくこれを通過した。



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このあと、間違いなく待っているのであろう展望に心が逸る。



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しかしそんな心とは裏腹に、緩い登り返しがボディブローの様に体力を奪う。
T氏は疲れを感じさせない安定したペースで先行して行った。



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息を整えるために何度も立ち止まる。
そのたびに、変化していく美林を切り撮った。



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この日、別ルートから先行している友人との待ち合わせがあった。
山頂での待ち合わせ時刻は07:00ジャスト。



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近づく笊ヶ岳。



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06:30、椹島下降点を通過。
これより尾根は急勾配の登り返しとなる。



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振り返って偃松尾大黒尾根。



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待ち合わせ時刻が気になり始める。



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しかし再び開けたこの眺望を無視して山頂を目指すような無粋な真似は、我々には到底できなかった。



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荒川岳。



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赤石岳。



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聖岳への稜線。
ほんの数日前、あの稜線上に私はいた。



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偃松尾山。



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高く青く澄み切った秋空がただただ嬉しい。



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06:40、T氏がスパートをかけた。
私は到底着いて行くことなどできず、やや藪の煩い登山道でぼてぼてと後を追う。



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足が前へ出ない。
すっかり遠くなった偃松尾大黒尾根を写真に収め息を整えた。



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頂は森林限界とほぼ同じ高さにある。



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植生の変化がその場所の近さを教えてくれた。



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繰り返し登ってきた笊ヶ岳。



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そのたびに、新鮮な感動を与えてくれるのがこの山だ。



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07:03、雄叫びと共に藪から飛び出した。

「遅刻っすね。」

T氏の言葉、そして想像を遥かに超えたいくつもの視線を全て無視。
歓喜の雄叫びをあげたままで展望に食らいつく。



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「笊ヶ岳」(2629m)は粉うことなき名峰だ。



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小笊越しの富士。



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偃松尾大黒尾根。
奥には白峰三山~高嶺~鳳凰三山~辻山が青く浮かぶ。



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偃松尾山~生木割山。
奥には蝙蝠岳~塩見岳~仙丈ヶ岳。



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布引山の先に青薙山。



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青薙山の上には大無間山。
奥には黒法師岳~不動岳などの深南部。



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極めつけはこの絶景だ。
上千枚、光岳~茶臼岳~上河内岳~聖岳~中盛丸山~大沢岳~赤石岳~荒川岳。



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上千枚、光岳~茶臼岳~上河内岳。
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聖岳。
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赤石岳。
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荒川岳。



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愛して止まない南アルプスの全てがここに収束していると言っても過言ではない。



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しかしこの日、絶景以上に心揺さぶる宝石が私を待っていた。

この日、この時、この出会い。
笊ヶ岳バイアスは、合縁奇縁の奇跡をくれたのである。


第三部の記事へはこちらからどうぞ。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。

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by yama-nobori | 2019-02-28 12:25 | 登山 2017 | Comments(0)
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