古の谷川岳を目指して②阿能川岳~小出俣山 2017.03.18(土)~20(月)



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小出俣山を目指す第二部のスタートです。

第一部の記事へはこちらからどうぞ。






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13:17、阿能川岳を後にする。
次に目指すのは幕営予定地である標高1749mの小出俣山(おいずまたさん)だ。



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尾根の先にある左のピークが目指す山頂である。
ここより先、尾根はアップダウンを繰り返すようになる。



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俎嵓山稜を背にT氏が立っている。
明日はあの壁のように聳える俎嵓山稜を抜け国境稜線を辿り谷川岳へと進む。



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A氏が駆けるように下って来る時だった。
「ずんっ!」という不気味な振動と共に亀裂が走り雪庇が動いた。
戦々恐々の思いでその場を離れる。



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オゼノ尾根を引いた小出俣山はまだ遠い。



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登るA氏の後ろにあるのは先程登頂を終えたばかりの阿能川岳である。
この頃になると、ようやく頭の中に地形図が描けるようになってきた。



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古の谷川岳と現在の谷川岳。


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途中二人組のパーティーに道を譲って頂くとトレースが薄くなった。



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阿能川岳が徐々に遠くなる。
私は相変わらず調子が良く一人先行を開始する。



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まだまだ知らない良い山があるんだな...。
若い頃にもっといろいろな山域を登っておけば良かったよ。



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明日歩くこととなる川棚ノ頭と俎嵓へと続く核心部を頭に叩き込みながら前へと進む。

今にも崩れ落ちそうな雪庇に稜線を支配された、重量感ある恐ろしくも美しい風景が眼前に迫る。
それに引き換えすぐ隣の谷川岳はなんて優しい山容なのだろう。
天神尾根からは人の温もりさえ伝わってくるかのようだ。



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東俣ノ頭~万太郎山が一際白い。



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雪庇が大きくなったため藪の際を進む。
トレースは消えた。



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振り返ると今日歩いてきた尾根の全てが見えている。
吾妻耶山は随分と小さくなっていた。



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少し進むと二名の登山者が下りてきたので挨拶を交わす。

その後は彼等のトレースを安易な気持ちで借りながら不注意に進む。
すると痩せた通過点で大きく踏み抜きバランスを崩した。
落ちていたらかなり面倒なことになっていたであろうその高度感にゾッとなった。

気持ちを引き締め、慎重にルートを選び歩行を再開する。



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小ピークのアップダウンは尚も続く。



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小出俣山と俎嵓とをつなぐ稜線上の雪庇の様子が良く見えるようになってきた。
川棚ノ頭まではさしたる難所は無いようだ。



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先行する私。



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やがて急斜面が現れた。
雪質がやや固めだったこともあり、この日初めてとなるピッケルを使用する。



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一歩ずつ蹴り込みながら確実に登る。
そして空が近いと感じたまさにその時だった。



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足元に亀裂が走る。
思わず樹林側に身を投げるようにしてこれを避けた。
いきなり崩落するような場所では無いと思われたが、気持ちの良いものでは無い。

顔をあげると、北側が樹林に覆われた広尾根に立っていた。



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少し先には雪壁が設置された大きなテントが張られている。

14:55、小出俣山の肩、幕営予定地についたのだ。



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踏み抜きの無いことを確認し、整地を行い幕を張った。



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念のため、二本のガイドラインは木から取る。



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歩いてきた尾根と阿能川岳。



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俎嵓と谷川岳。



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そして明日からの縦走路を目に焼き付け二人の到着を待った。



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15:25、T氏到着。
やはり、かなり不調であるようだ。



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15:30、A氏は元気みたいだね!



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我々のテント村が無事完成。



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明日は幕営地から直接縦走路に入るため山頂へは向かわない。
16:10、空荷で頂へと向かう。



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幕営地を振り返る。



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幻想的な乳白色の夕暮れだった。



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16:25、山頂と思しき場所に立った我々をA氏が撮影してくれていた。



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ようやく着いたね!



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なんて美しい色だろう。
風も無く、まるで時が止まったかのようだ。



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今にも空と同化してしまいそうな境界線が、昼とも夜ともつなかい時間に、遠く、どこまでも浮かぶように続いている。
曖昧な夢の世界に佇んでいるかのような風景だった。



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山頂でも何度か腰まで踏み抜いた。
どれ程の積雪量があったのだろうか。
底は見えない。



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代わる代わる記念撮影を行い、互いの登頂を喜びあった。



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明日の午前中は風雪へと予報が変わったようだ。
しかし午後はやや回復するらしい。

目指す谷川岳までの距離は、さほど長いものでは無い。
そして何より頼もしい二人がいる。



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明日はどんな山行になるのだろうか。
やはり未知のバリエーションは心が躍る。



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さあ、戻ろうか。



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振り返ると山で生きることを決めた二人のシルエットがあった。

印象的なその様子が、なんだか無性に羨ましく思えた。
彼等はこれから、累々と続く自分だけの頂を目指して進んで行くのだ。



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時には難しい岩峰に行く手を阻まれることもあるだろう。



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辿り着いたそれぞれの頂が、全て光溢れるものであって欲しいと切に願う。

私の頂は、既にさほど多くは残ってはいない。
だからつい、彼等に自分の思いを重ねてしまう。

これから彼等が目指す頂への道程に少しでも関わっていけたなら、こんなに嬉しいことは無いだろう。



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三人で登頂するこのできた小出俣山は、素晴らしい想い出の一座となった。



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お疲れさま!



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冬の定番メニュー冷凍炒飯を炒めている時だった。



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お誕生日おめでとうございますと言いながら二人がプレゼントをくれたのだ。

これには参った。
涙が止まらず、顔がくっしゃくしゃになった。
おっさんを泣かせるのは止めなさい。

でも、ありがとね。



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T氏は余程体調が悪かったのだろう。
早々に灯りが消され、A氏と二人飲み始めると、時折聞こえていた咳も静かになった。
しかし泣き言を漏らすこと無く登り切るのだから、流石は本物の山男である。

A氏とは老婆心から随分と難しい事を語り合った。
この時点、彼はまだ迷える小屋番だったのである。
そんな話はまたいずれ。

明日も頑張ろうね。
おやすみなさい。


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by yama-nobori | 2017-10-24 20:30 | 登山 2017 | Comments(0)
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