古の谷川岳を目指して①阿能川岳~小出俣山 2017.03.18(土)~20(月)



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阿能川岳(あのうがわだけ)は、谷川岳南面を西方から眺めることのできる標高1,611mの山である。
「ぐんま百名山」に名を連ねる一座であり、積雪期以外は深い藪に覆われるために冬季のみが登山対象とされている。

さて、本来の谷川岳は、現在の「トマの耳」「オキの耳」では無かったことをご存知であろうか。
かつて谷川岳の名は俎嵓(まないたぐら)についていた。
ところが国土地理院の5万分の1地図の誤記により、当時「二つ耳」と呼ばれていた二峰が谷川岳と呼ばれるようになってしまい、現在に至っている。
深田久弥の「日本百名山」に詳しいので、興味のある方は読み返してみると良いだろう。

「ぐんま百名山」へはこちらからどうぞ。






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積雪期某日、近所の変態T氏からやたらと漢字の多い妙な文章が届けられた。

『阿能川岳~小出俣山~俎嵓山稜~谷川岳~西黒下降をやりましょう。』

阿能川岳の名は知ってはいたが、地形が浮かぶのは「俎嵓山稜~谷川岳~西黒」だけだった。
その上つまらなくなるから事前調査はするなとの但し書きが添えられている。



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言われるがまま冬期幕営装備二泊三日分のパッキングを終えその日を待った。
決行当日の早朝T氏をピックアップし、途中のPAで「迷える小屋番A氏」と合流。
車二台で下山口となる土合駅へと移動し一台をデポ、阿能川岳への登山口へと車を走らせた。



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訪れたのは「仏岩ポケットパーク」。
主に「吾妻屋山」「大峰山」への登山口として利用されている。
30台程は停車することができそうな広い駐車場だった。



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今回のメンバーは、病み上がり…いや、絶賛風邪っぴき真っ最中な近所の変態T氏、迷える小屋番A氏(後に、迷うことの許されない鳳凰小屋支配人A氏と呼ばれるようになる)と私の3人だ。



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08:07、標高836mから登り始めた。



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借りたトレースは急登だったが、踏み抜きも無く意外に歩きやすい。



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A氏は笑顔いっぱい。
T氏は咳き込みながら苦しそうに登ってくる。



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それにしても急だよねぇ、ぐはぐはだよねぇ。



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8:40、風を感じるようになり尾根に乗った。
どうやら赤谷越(仏岩峠)を経由することなく、いきなり尾根上に飛び出したようだ。



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09:00、稜線を僅かに進むと、こんもりとした丘のような場所が現れる。
標高1117mのヨシガ沢山だ。

山頂標などは見当たらなかった。



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ここで少しの休憩を取った。



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更に進むと鉄塔が見えてきた。
送電線は水上市街に向かって延びている。



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緩やかな広尾根が続く。



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振り返ると吾妻耶山が良く見えていた。
実に特徴的な山容をしており山屋心がざわついた。



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ガスは多いものの天候は晴れ。
核心部を通過する翌日も寒気が入るとする予報が出てはいたが、概ね晴れるようであり一安心だった。



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知らない山を征くのは実に楽しい。

木々の間から見え隠れする山々を同定することもできず、そもそも目指す阿能川岳~小出俣山がどんな山なのかも全くわからない。
T氏の但し書きにあった通り、余計なことを調べてこなくて良かった。

登山に必要な情報は地形図と天気図にある。




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尾根はひたすら真っ直ぐに北へと延びている。

流石は谷川山系。
さして高くはない標高の尾根上全てに雪庇が張り出しており、この山域特有の厳しさを教えてくれた。



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気持ちいいねぇ。



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途中3つのコブを越える。
第1岩峰を通過。



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次はやや際どいバンドを通過する。
共にトレースが無ければルーファイに悩んだだろう。



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広尾根に復帰。



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三つ目の小ピークが近づくと痩せ尾根となり、多くの亀裂を目にするようになった。



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小ピークに立つ。
するとこれまで見ることの出来なかった北方向の展望が広がった。



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さあ休憩しよう!



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目指す阿能川岳は、続く尾根の先にある三岩山に隠されており、まだ見ることはできない。



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本日の幕営予定地「小出俣山」(おいずまたさん)をようやく見ることができた。
川古温泉へとオゼノ尾根を落とすその頂は、まだ呆れるほどに遠かった。



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東の眼下には水上市街と関越道谷川岳PAが見えている。
左奥に至仏山、中央に武尊山を薄っすらと確認することができた。



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休憩を終え、このルート上唯一と言えるやや危険な下降点を通過した。



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この日の私は何故か絶好調だった。



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あまりに気持ち良く足が出るので一人先行する。



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やや狭い木々の間を通過すると心のすくような雪原が広がった。
先の景色が見たくなり更にペースが上がる。



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振り返れば、歩いてきた尾根が美しく吾妻耶山へと続いている。
その先に見えているのは子持山と小野子山だろうか。



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12:00、「三岩山」(1568m)登頂。

「山」と言っても特に山頂標があるわけでもなく丘の様な場所である。
しかしその展望は素晴らしかった。
ザックを放り出し尾根を外して高台へ移動、景色を楽しむことにした。



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前方左手から、小出俣山・万太郎山、そして古の谷川岳である俎嵓が姿を見せた。



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やや視線を右に動かせば、現在の谷川岳、その右肩奥には朝日岳の姿がある。
昨年の冬季、A氏T氏の両名はあの稜線で熱い山行を行っている。




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お、到着したみたいだね。



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逸る気持ちを抑えきれなくなり、再び一人先行させてもらうことにした。



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そんな私の姿をA氏が撮影してくれていた。
垂直に切れ落ちた俎嵓山稜の大きさに自分のちっぽけさを知る。



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ここまでやって来れば阿能川岳は近い。



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緩やかに歩き続けると小出俣山が左手に回り込み、万太郎山が大きく見えるようになった。




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群馬と新潟県との国境稜線が徐々に迫る。



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小出俣山への分岐を通過すると再び雪原が現れた。



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12:40、「阿能川岳」(1,611m)登頂。
山頂部は広く、数名の登山者が展望を楽しんでいる。



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素晴らしい眺望だった。

眼前には明日歩く予定である川棚ノ頭と爼倉、そして谷川岳の双耳峰。
南側からこれ程までに近接で望む谷川連峰は、なかなかお目にかかれない貴重なものであると言えるだろう。




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この後更に近づくこととなる、小出俣山~仙ノ倉山~万太郎山が美しい姿を見せていた。



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全員揃った後もしばらく撮影を楽しんだ。



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次に目指すは幕営予定地「小出俣山」(おいずまたさん)。
未知の山行はまだ始まったばかりである。


第二部の記事へはこちらからどうぞ。



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by yama-nobori | 2017-10-20 07:00 | 登山 2017 | Comments(0)
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