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バリエーションな誕生日②常念岳(東尾根)2017.03.11(土)~12(日)


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常念岳本峰を目指す第二部のスタートです。

第一部の記事へはこちらからどうぞ。






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3:30起床。

テント内があまりに明るくて驚いた。
表に出ると、月明かりに照らし出された雪面が白く輝き、ヘッデン無しで十分歩くことが出来る程だった。

しかし朝食をとり準備を整えている間に月が稜線へと沈んでしまうと、空は無数の星達で埋め尽くされた。



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04:20、アタック開始。
快晴微風の常念岳東尾根を行く。


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昨日の四人組パーティーのトレースがあるため実に快適だった。

テントの前に見えていた岩峰を右からトラバース気味に登ると、雪と岩のミックスとなる。
慎重に通過すると再び雪の平坦地となり、ソロ男性の幕が張られていた。

行く手を見上げると、ヘッデンの灯りが小さく揺れている。



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特に危険箇所も無く快適に飛ばす。
5:00、「前常念岳」(2662m)まで登ってくると、本峰のシルエットが間近に見えるようになっていた。




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常念小屋へのトラバース分岐を見送り稜線の際を進む。



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東尾根を振り返る。
御来光には十分間に合いそうだ。



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ここまで随分と楽をしてしまったのでトレースを外すことにした。
昨日同様に雪質は良好であり、膝程度のラッセルだった。
稜線上では四人組のトレースは既に消えており、一人分の踏み跡だけが高みに向かい延びていた。



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十分撮影可能な程に明るくなると、足を止めずにはいられなくなった。
なんて素晴らしい場所に立っているんだろう。



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横通岳の優美で静かな佇まいには思わず息を呑んだ。



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常念岳直下にソロ男性のヘッデンが光っている。
彼の心が手に取るようにわかる。

さあ、私もビクトリーロードへ向かおうか。



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常念小屋が眼下に見えるようになった。
夏道に乗ったのだ。



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これまで姿を現すことの無かった飛騨の主脈が朝を待っていた。
この場所から槍ヶ岳を見るのは久しぶりだ。



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その場所に立つ少し手前、空の他に尾根以外の一切が見えなくなるこの刻がたまらなく好きだ。
万感胸に迫るとはこういう気持ちを言うのだろう。



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東尾根は長さを増した。



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横通岳は北部の峰々を従えるようになった。



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そしてゆっくり前へ向き直ると、静寂のファンファーレが高らかに鳴り響いた。



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5:47、「常念岳」(2857m)登頂。



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槍ヶ岳は白銀に眠り、まだ遠い春を夢見ている。



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遙かに鷲羽岳・水晶岳・野口五郎岳・龍王岳・立山・劔岳を望めば、翼が欲しいと思わずにはいられない。



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表銀座縦走路を俯瞰すると、燕岳~蝶が岳の懐かしい残雪期の縦走を思い出した。



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蝶が岳の先には木曽駒ヶ岳。
展望は、正に欲しいがままだった。



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ソロ男性と共に登頂を喜びあい互いの写真を撮りあった。



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一通りの展望を満喫し、息を殺してその瞬間を待つ。

5:56、素晴らしい黎明が訪れた。



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バラ色に染まり行く飛騨の峰々。



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幻想の色に淡く浮かぶのは赤石山脈だ。



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御嶽山・乗鞍岳・霞沢岳、そして未踏の六百山には釘付けとなる。




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日本第三位の高峰は流石の貫禄だ。
高峻な雪山で迎える夜明けは登山者だけの特権である。



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6:06、四人組パーティーと下山するのだという彼は一足先に山頂を去った。

楽しいひと時をありがとう。



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気温-18℃、一人きりとなった山頂で、もう暫く光の移ろいを愉しむことにした。




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燃え立つほどに山肌が染まることは無かったが、心に沁みる美しい色彩に満足だった。




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峰々は徐々に色彩を失い白さを取り戻す。



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一つ歳を重ねた新しい朝をこの場所で迎えられたことが心から嬉しかった。

さあ、そろそろ戻ろうか。




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06:25、下山開始。



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胸に温かい物を抱き、意気揚々と稜線を下る。



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変わり行く常念岳の姿を何度も振り返り目に焼き付けた。




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トラバースに差し掛かる。
シュカブラの向こうに見えた小さな富士山が印象的だった。




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撤収中の彼が手を振っている。




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少し下がると私の幕も見えてきた。



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7:07、幕営地に戻った。



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急ぐ必要も無かったので液出しストーブの実験を兼ね残った食材を片付けていると、ソロ男性が下山して行った。




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相変わらず風は弱く快晴が続いていた。



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8:30、撤収完了。
下山を開始する。



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さらば常念岳。



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樹林帯へ入る手前、頸城山塊を見ることができた。
それより....手前の尾根が気になりますな



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樹林帯を抜ける。



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駆けるように下っていると、あの怒鳴り声が登ってきた。
声援を投げると「お見苦しいものをお見せしました!」と同じセリフが返ってきて可笑しくなった。

快晴の登山日和、彼等は山頂を目指すこと無く訓練を続けるんだそうだ。
流石は名門山岳部、彼等の目指す頂は遙かに高い。
でも…あいつ泣いてたw



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前日全く見ることの出来なかった景色が木々の間から見えていた。
うん、やっぱり東尾根は素晴らしいルートだったんだ。



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笹が見えるようになった辺りで先行していた五人に追いついた。



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この日は自分でも驚くほどに快調だった。



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林道を進みゴールが近づく。
前日と同じ場所から振り返ると、前常念が青空に映えていた。
少し前まであそこに居たのだと思うと、とても不思議な気持ちになった。



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11:20、下山完了。



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片付けを行っていると皆が下りてきたので記念撮影を行った。
みなさん、素敵なプレゼントをありがとうございました!



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安曇野のシンボル、白き常念岳。
まごうことなき名山である。



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下山後は以前から立ち寄りたいと思っていた、豚さん食堂でカロリーを取り戻した。

さてこの日の常念岳は、天候に恵まれた事に加え体調も良く、素晴らしい山行となった。
特にあの劇的なガス抜けと横通岳の美しさは忘れることができない。
元々好きだった一座ではあるが、明るい印象を残した山へは尾根を変え、再び登りたくなるのが山屋であろう。
来シーズンの計画は既に頭の中にある。


ってか、もうすぐ冬じゃねぇ~か(T^T)
実に七ヶ月遅れか…

おしまい。


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by yama-nobori | 2017-10-15 08:48 | 登山 2017 | Comments(2)
Commented by ねも at 2017-10-16 21:37 x
たまには真面目に(笑)
素晴らしい最高の誕生祝になりましたね!!
Commented by yama-nobori at 2017-10-22 19:38
> ねもさん

ふふ。
品を大切にしておりますので、常にその姿勢でよろしくお願い致しますw
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