リハビリはバリエーションと静岡観光①@竜爪山 2016.12.10(土)~11(日)



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竜爪山(りゅうそうざん)は、静岡市葵区にある身延山地に属した双耳峰である。
南側の一等三角点のある文殊岳(1041m)と、北側の薬師岳(1051m)の二つの峰からなるこの双耳峰の東側中腹には、弓矢の時代より矢・弾除けの神社として広く知られた穂積神社が祀られており、今なお多くの人々に崇敬されている。
山頂からは北東に富士山、北西に南アルプスの峰々、南には伊豆半島、駿河湾、清水港、日本平、静岡市街地が望める展望の山でもあり、地元の登山者から愛されている静岡市を代表する一座である。
山名由来には「竜の爪でえぐられたように沢が険しいことから」などがあるが定説ではないようだ。





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この一ヶ月間、小さな山には登っていたが負荷のかかるまともな登山ができずにいた。
平日は相変わらずゴミ溜めの毎日ですっかり疲弊、準備はもとより、登りたい山を決めることすらできずに悶々と過ごしていたからだ。

きっちりトレーニングしておかないと雪山を楽しめなくなる...。
久しぶりに変態Hさん御夫婦へ連絡を取ると、旦那さんも似たような日々を過ごしており、週末は低山でトレーニングをするのだと言う。
低山の日帰りならば準備は簡単だ。
変態Hさん御夫婦の引率があれば諸々の下調べも必要が無い。
これはリハビリに良い機会だと、ご一緒させて頂くことになった。




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金曜の夜から移動を始め、安倍川沿いにある「安倍ごころ」で車中泊を行った。
翌日はこの場所から登るのだそうだ。

実はこの竜爪山、1000mクラスの山であるのにも関わらず、遭難が後を絶たず重大事故が繰り返し起きている。
原因は数多く存在しているバリエーションルートからの道迷いにあるようだ。
地図読みの技術を持たない登山者が、意図しないバリエーションへと引き込まれて滑落事故を起こすらしい。

よって本記事では詳しいルートは示さないことにした。



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前情報を一切持たずにやってきた私は、竜爪山がそんな物騒な山だとは微塵も思っていなかった。
案内役が変態夫婦熟達登山者である以上、ノーマルルートを歩くはずがないのはわかっていたが、そうは言っても所詮1000mクラスの低山だ。
さくっと終わらせて温泉と観光を楽しもうと思っていた。

6:23、二人の後をついてハイキング気分で歩き始める。



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しばらく舗装路を歩いて行くと、「以前はあっちの尾根の末端から取り付いて酷い目にあったよね」とか「あの沢の下の方からも取り付けるんじゃないか」とか「あの民家が建ったおかげで取り付きが変わっちゃったんだ」などと変態らしい楽しげな会話が聞こえてくる。
この人達は休みの度に何やってるんだろう一体何度この山に登っているんだろう。

6:38、変なところから取り付いた。



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この人達やっぱり頭がおかしいすげぇ~なと、しばらく遠目から眺めてみる。



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鬱蒼とした薮を抜けると思いの外明瞭な登山道となった。




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こいつ...恐すぎる。



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久しぶりの再会に甘え、つい日頃の仕事の愚痴をこぼす。
今思えば、せっかくの山でつまらないことを話したものだと恥ずかしく思う。

それでも共感してくれたことが心から嬉しかった。



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やがて明瞭だった登山道は消失し、巨大な送電線鉄塔が現れると展望が広がった。



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山座同定することのできない山々が連なる中、見間違えるはずの無い一座がやたらと大きく素晴らしい。
深南部の雄、大無間山である。




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ほくほく顔で短い薮へと突入する。




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その後登山道は完全に消失。



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急な斜面をぐいぐいと登る。



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地図読みをする御夫婦が頼もしい。
私はただただ後を追う。



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途中、犬を連れた登山者が下りてきた。
どこにでも変態はいるのである。



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文珠岳反射板を通過し一般道に乗れば山頂は近い。



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8:57、南峰の「文殊岳」(1041m)に到着となった。



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ここまでまずまずの斜度があり、久しぶりの負荷のかかるバリエーションを歩くことができて十分な達成感を味わった。

富士山は間近に見え、海岸線を見下ろすことのできる眺望が新鮮だ。
逆側には南アルプスも見ることのできる大展望の山頂に大満足だった。




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ここでのんびり過ごすのかと思っていると、北峰の薬師岳を踏むのだという。
まあ双耳峰だし当然だよねと思っていると、更にそこから穂積神社を訪ね、別のバリエーションで再びこの頂に戻ってくるのだと聞かされた。

「だって歩き足り無いでしょ?」の問いに、「頼んでなんかいませんよ?ええまあ」と答える。




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9:34、外気温+4℃、行動再開。



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地図も知識も持ち合わせていない幼気な私は、高低差も知らずについて行く。




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9:46、北峰「薬師岳」(1051m)通過。




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穂積神社への分岐から下降が始まった。

少し進むとHさん御夫婦と面識のある方が登れられてきてしばしの会話を楽しんだ。
竜爪山の常連さんで、物腰の柔らかいとても素敵な方だった。

別れ際にみかんを頂いた。



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それにしても急な登山道をやたらと下る。
谷側を覗いてみると、ここが低山であるとは思えぬ荒々しさがあった。
なるほど複雑な地形を秘めた一座であるようだ。

登り返しは一体どんなところを登らされるんだろうかとやや不安な気持ちになりながら更に下りる。



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穂積神社が近づくと「龍爪山の由来」と記された看板があり次の様に書かれていた。

『龍爪山は、薬師岳と文珠岳を総称した呼び名です。龍爪山は、古くから山嶽信仰の場として神仏習合の民族信仰の霊山でありました。一帯には貴重な植物が群生し、また、渡り鳥のコースもあり雄大な自然を感じさせてくれます。』
それにしてもこの文章のどこに由来が書かれているのか、、、私には読み解けません




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《夫婦杉》
穂積神社裏にある樹齢500年の杉が実に立派だ。
ただ良く見ると、実は一本の木であるように思えるのだが....



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10:20、穂積神社(ほづみじんじゃ)到着。
通称は、竜爪大権現(りゅうそうだいごんげん)、400年以上の古い歴史を持つ。

社殿の入り口には、複数の遭難捜索情報が貼られていた。




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一般的な登山者はここから登り始めるのだが、我々は何故か降りてきて再び登る。



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10:36、登り返しを開始する。



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再び同じ頂を目指すというこの不毛な行為にモチベーションが上がらない。
私にとっては「下山するための致し方の無い登り返し」であったが、変態健脚夫婦にとってはそのルートそのものが悦びであるのだからタチが悪い。




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価値観の合わないメンバーで同じ目標を目指す。



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明瞭な登山道を進んで行くと、H旦那さんがカーブの途中で振り返りニヤリとほくそ笑んでいる。
見つめていたのは案の定、変な尾根だった。



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いきなりぐはぐはだった。
あまりの斜度の強さにふくらはぎは伸びっぱなしである。




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変態夫婦は(もう線で消してオブラートで包む必要は無い)、「トラロープが設置されちゃったね」「踏み跡が強くなっちゃったね」と、自分たちの聖域が侵されていることに不満を募らせながら登って行く。



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リハビリ中の私は虫の息でそれを追う。
喜々として登る変態夫婦には全く追いつかなかった。



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やがて斜度はようやく弱まり一般道と合流、心からほっとした。
吐く寸前まで追い込まれたのは久しぶりだった。



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11:40、再び「文珠岳」に戻ってきた。

標高1000m程の山なのに、この日の登り累積標高差は1600m程にはなったと思う。
一般道なら大した標高差ではないが、バリエーションなのでヘロヘロだ。



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山頂では先程の常連さん達がテーブルを囲み楽しそうに過ごしている。
みかんをくれた素敵な常連さんは、いつも沢山の果物をザックに詰めて仲間に振る舞っているのだそうだ。

適度な距離と標高差のある竜爪山は良いトレーニングになるのだろう。
地元に素敵な山があることが実に羨ましい。
そして何より羨ましいのは、気心の知れた素晴らしい仲間の存在だ。

あんな風に歳を重ねていければ楽しいだろうなと心から思った。



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我々も近くのテーブルをお借りしてお昼ご飯を食べた。
Hさん御夫婦とも、あんな風にたくさんの思い出を重ねていけたら嬉しいな。

海を見下ろしながら過ごす仲間との時間がとても穏やかな竜爪山でのひと時だった。


思いがけず長くなりました...。
第二部の記事へはこちらからどうぞ。


今回も最後までお読みいただきまして大変ありがとうございました。


↓励みになりますので、よろしかったら『ぽち』っとお願い致します(^^)/


by yama-nobori | 2017-06-05 21:54 | 登山 2016 | Comments(3)
Commented by ゆうこ at 2017-06-06 18:47 x
こんにちは!最近登山を始めたゆうこと申します。
いつも山行記録を楽しく拝見させて頂いております。
一つお伺いしたいと思いコメントお送りしております。ひょっとして4/16の早朝に尾白川渓谷の近辺にいらっしゃったりされましたか?その方と少し話しを交わしたのですがブログ主様に似てたような気がして気になっておりました。人違いだったら申し訳ございません (>_<)
Commented by yama-nobori at 2017-06-06 22:00
> ゆうこさん

はじめまして!
コメントありがとうございます!

そしてそして...それは間違いなく私ですw
4/16 05:20~、高校生の山友を連れて尾白川渓谷を散策しておりました。
ちなみに息子くんは駐車場に張ったテントの中でまだ寝てました。

確か二人組の方ですよね?
日向山ですか?と私が訪ねたような記憶がございます(^^)/
なんだぁ、もっとゆっくり話をすれば良かったなぁ....。
その時の記事はいつになることやら(^^;

今後共どうぞよろしくお願い致します!
FBなどやられていらっしゃるようでしたら、非公開コメントで是非ご連絡を(^^)
Commented at 2017-06-07 21:07 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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