そして大団円へ①@小太郎山 2016.07.16(土)~18(月)



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北岳嶺朋ルートからの続編となります。
前編の記事へはこちらからどうぞ。






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テントから恐る恐る顔を出し「よし」とつぶやいた。
明るくなり始めた空には、夜に取り残された星が瞬いている。



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目の前には嶺朋ルートを乗せた尾根、そして昨夜の幕営地となったボーコン沢ノ頭が良く見えていた。
期待通りの快晴だった。



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お気に入りの場所に移動して、その時を待つ。



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4:33、静寂の中、東の空からオレンジ色の光が迸り、登山者達を分け隔てなく染め上げた。
3000mにあるこのテン場からの眺めこそ、私の夏山の原風景だ。



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ほんの少し前まで南アルプスを照らしていた力強い朝陽が、遠く北アルプスへと届けば、光のリレーは終わりとなる。
何事も無かったかのように色を取り戻した空の蒼が、盛夏の近さを告げていた。



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暑い一日になりそうだ。



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5:30、撤収後、オーナーとスタッフに挨拶を済ませる。



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登山者達を送り出すことに大忙しな、肩の小屋を後にした。



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いつもは下山するだけの少し寂しくなる登山道を、この日は目標に向かって歩き始めた。



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まだ涼しい朝の風が心地良い。



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幾度訪れても新鮮な気持ちで美しいと思うカーブを描いた稜線が、この日は一際伸びやかに見えた。



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もう幾度この道を歩き、その度に感動してきたのだろうか。



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6:00、「小太郎山分岐」(2849m)に荷物をデポ。
目標を見据え、縦走路を離れた。



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二重山稜を緩やかに下げる。
続く稜線の先には、花崗岩の白い頂を無骨に晒す甲斐駒が凛々しかった。



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目標はすぐそこに見えている。
しかし意外にもその行程は長く、アップダウンもある。
小太郎山分岐からの往復CTは、2時間50分である。



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小太郎山(こたろうやま)は、北岳山頂から3km、白峰山脈北端に位置した標高2725mの山である。
「太郎」とは最も優れたもの、最大の物事を指す。
すぐ南に聳え立つ北岳に対し、「小太郎山」となったとする説が有力だ。

20年以上前に一度登頂を果たしているが、悪天だった為に暗い印象を持ち続けてきた。
当時のルートは不鮮明で、途中現れた藪漕ぎに難儀し、ようやく辿り着いた頂には小さな山頂標が転がっているだけだった。



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遅れ気味のK嬢を待ちながらゆっくりと進む。
振り返るたびに姿を変えていく北岳が新鮮だった。



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天候は文句なし。
青空とハイマツの緑とのコントラストが爽快だ。

H女房さんに言われた通り、この日を選んで本当に良かった。



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山梨百名山の制定により、訪れる登山者が増えたのだろう。
20年の時を経て、登山道は明瞭なものになったようだ。



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ガレ場を過ぎ、ダケカンバとハイマツの短い樹林帯を抜ける。



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やや登り返して2646Pに立つ。


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振り返ると、北岳が離れるほどに存在感を増していた。



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正面に甲斐駒ヶ岳、左手には仙丈ヶ岳、右手には鳳凰山が美しい。
小太郎尾根は、南アルプス北部の秀峰達を間近で眺めることのできる展望のスカイラインである。



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K嬢の乗った小ピークを見ると、小太郎尾根の起伏の強さがよく分かる。



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少し進むと周囲の秀峰達が目に入らなくなった。
山頂標柱の立つ、小太郎山のピークが見えたのだ。



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ゆっくりと進む。



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やや煩いハイマツを抜け小ピークへ立つ。



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先行していたHさん御夫婦が、山頂の肩で待っていてくれた。



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表現し難い複雑な気持ちだった。
平然を装ってお礼を言い先頭を歩くと、とうとう闊達な頂が近づいてきてしまった。



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7:45、山頂直下の平場に到着。

ついにこの場所に帰ってきた。
ついにこの日が訪れてしまった...。



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北岳はいつも以上に東西の尾根を大きく広げ、尖塔を紺碧の空へと突き立てながら小さな私を笑顔で見下ろしている。
愛して止まない周囲の峰々も、大きな声で私に声援を贈ってくれていた。

しかし、山頂まで僅か数歩であるこの場所から動けない。
周囲の山々をカメラに収めて時間を止めた。

そんな私の背中を押し出してくれたのは、優しく微笑み、秀峰達よりずっと大きな声援をかけてくれたHさん御夫婦だった。



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「さあ、いよいよだね」

上手に返事も出来ないまま数歩進んで顔を上げる。



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すると、ぼやけて滲んだ視界の中で、初めて出会う、夢にまで見た山頂標柱がすっくと立っていた。


第二部の記事へはこちらからどうぞ。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2017-01-25 21:59 | 登山 2016 | Comments(0)
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