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安倍川流域の最高峰@山伏 2016.06.26(日)


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山伏(やんぶし)は、山梨県南巨摩郡早川町と静岡県静岡市葵区との境にある標高2014mの山である。
赤石山脈の白峰南嶺へと取り付く起点の山であり、安倍川流域の最高峰でもある。
この山頂には「山伏」「山伏岳」表記の二種類の山頂標識が立てられている。





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山伏へは山梨側からと静岡側から登ることが出来る。
しかし山梨側から山伏峠へと通ずる井川雨畑林道の利用は、オフロードバイクでのブログ記事が数本書けるほどの悪路であるため現実的では無い。
よって一般的に最も登られている静岡側の「西日影沢」ルートから登ることにした。



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山梨百名山完登まで残り三座となっていたが、天候不順に泣かされ続け、前回登った黒富士を最後に随分と日が経過してしまっていた。
新生活の始まる7月までの完登を目指していたが既に諦めるしか無く、悶々と過ごしていた記憶の強い6月終わりの記事となる。

黒富士の記事へはこちらからどうぞ。



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今思えば、2016年の梅雨明けは記録的な遅さ(7/28)だったのだから、この日の晴れは大変に貴重なものだった。

さて、この貴重な梅雨の晴れ間に、元々八ヶ岳への予定があったのにも関わらず案内を買って出て下さった方がいる。
今ではすっかり親しくさせて頂いている静岡在住のHご夫婦だ。

2016年の厳冬期、息子くんと日向山で幕営を楽しんだ帰り道ですれ違い、私のでかザックを覚えていてくれたことがきっかけで後に交流が始まった。
ご夫婦の山行はどれもこれも見事なものばかりで、バリエーションから人の少ない山へと登り、山中で幕営を楽しんで下りてくるという、平たく言えば変態山行マニアである。
どのくらいの変態マニアなのかはまた後日記事にしたいと思う。

H女房さんにはヤマビルにまみれた高ドッキョウの前夜に差し入れを頂き面識があったが、H旦那さんとは初対面でありとても楽しみだった。

日向山の記事へはこちらからどうぞ。
高ドッキョウの記事へはこちらからどうぞ。



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ただ、残念ながらこちらのご夫婦は顔出しNG。
せっかく美男美女でお二人揃って素敵な笑顔なのに残念である....。

途中待ち合わせを行い、安倍川を遡上し梅ヶ島温泉へと向かう。
徐々に近くなる、全く山座同定することの出来ない周囲の山々の姿に胸が高鳴った。

7:50、標高約930mの川沿いの駐車スペースに車を停め歩き始める。



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登山道は西日影沢沿いに付けられており、景色が次々に変化する。



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通い慣れた道をすいすい進んで行くHご夫婦。
せっかくのお天気なのに近場の一般ルートで申し訳なかった。

高巻きして沢へと下りる。



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山の話題があまりに楽しく記憶に鮮明で、写真を見返した今、ようやく苔むした木や岩の美しさにレンズを向けたことを思い出した。
思えば2016年は趣味趣向のあう人達との出会いに恵まれた素晴らしい一年だった。

登山道は緩やかに続き、植林された林を抜けるとわさび畑があった。



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橋を渡り小さな渡渉を行うと巨大な「大岩」(1160m)が現れた。



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物凄い迫力だ。



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大岩の下には朽ちかけたワサビ小屋がある。



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橋を渡ると斜度がやや強くなった。



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再び沢に降ろされると古い石組みがあった。
湧き水を飲んでみると冷たくて抜群に美味い。



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やがて崩落地を通過する。
雪が着くと少々嫌らしいトラバースとなりそうだ。



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9:30、「蓬峠」(1480m)到着。
ベンチがあったので小休止をとる。

ここにもあるらしいバリエーションの取り付きに興味津々のH旦那と、「やめておきなよ~」とそれを諭すH女房のやりとりが漫才のようで可笑しかった。



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蓬峠からは斜度が一気に強くなる。
危険箇所にはトラロープが設置されていた。



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途中展望が得られ、山名を教えて頂いたはずだが、思い出すことが出来ないのが残念だ。



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笹が増え、植生が亜高山帯へ変わり始めると斜度が緩やかになった。



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11:05、西日影沢分岐到着。
ここまで登ってくれば山頂は近い。



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程なくして開放的な笹原が現れた。



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雲が多くて少し残念ではあったが、笹原の向こうに裾野を引く大きな富士山が出迎えてくれた。




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駿河湾へと標高を下げて行く静岡の山々から視線を山頂へと向ける。
さあ、いよいよだ。



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11:15、「山伏」(2014m)登頂。
山梨百名山は遂に98座目となった。



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山頂は明るく開放感がある。



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お二人に誘われ北側の展望地へと移動する。



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残念ながらガスが強く、悪沢・赤石・聖などを見ることは出来なかったが、布引山~笊ヶ岳を眺めることが出来た。
特に笊ヶ岳のランカン尾根の全容を確認できたことが嬉しくて幾度となくシャッターを切った。



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フルーツをご馳走になった。
山で食べる果物がこんなにも美味いものなのかと驚いた。

あまり山頂でゆっくり過ごすことはないのでピクニック気分が新鮮で楽しかった。



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Hさんご夫婦の出会いは赤岳なのだそうだ。
だから二人していつも山に登っている。
ほとんどがバリエーションなのでうきうきなデートなどを想像してはいけない

羨ましい限りである。



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12:20、山頂時間を満喫し下山を開始した。



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安倍・身延・早川を含むこの山域は、戦国時代から昭和までの長い間、多くの場所で金が掘られており、数々の伝説が残されている。
中でも早川町の雨畑に伝わる「朝日さす夕日輝く石の下に宝をいけておくぞよ」などは、出だし部分が美富村の鶏冠山と同じであり大変興味深い。

鶏冠山の記事へはこちらからどうぞ。



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この蓮峠もかつては古の人々が生活物資を運んだ生活道路だったのであろう。
歴史を感じることのできる山への興味は尽きることが無い。



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雨畑地区の山伏に最も近い長畑地区には次のような伝説が残る。

「ある時、追われている様子の山伏が村に来た。遠くまで来て疲れと安心からか休んでいる内に眠ってしまった。そこへ追手が現れ、背後から刺し殺してしまった。村人たちは哀れに思って埋めてやり、山伏の塚と名付けて慰めた」

信仰との絡みで、山伏岳・山伏山・山伏峠と名付けられた地名は全国に多いが、単に「山伏」と表記し「やんぶし」と呼ぶ例は珍しいのだそうだ。
伝説と関係があるのだろうか。



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14:30、下山完了。

距離・標高差が適度にあり、素晴らしい展望を持つ山伏がすっかり気に入ってしまった。
冬晴れの日に再訪し、梅ヶ島温泉と一緒に楽しみたい一座である。

素晴らしい山を紹介して下さったHさんご夫婦に感謝!
大満足の山行だった。



おしまい。


今回も最後までお読みいただきまして大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2017-01-05 22:18 | 登山 2016 | Comments(2)
Commented by H夫妻 at 2017-01-07 09:06 x
ゆたかさん こんにちは(^.^)
いえいえ私達はゆたかさんほどの変〇ではございません(笑)いたってノーマルですょ!(^^;
頂上でカップラー&フルーツ食べながらのお喋り、とっても楽しかったですね♡
今度は是非、雪の山伏においで下さいませ(^^)/
Commented by yama-nobori at 2017-01-08 17:52
> H夫妻さん

ようやく記事に出来ました(^^;
遅くなってごめんなさい!
雪が消える前には山伏にも連れて行ってくださいませ(^^)
暖かくなったら、しぶ~い静かなところもよろしくです!
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