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水信玄餅 2016.06.18(土)



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甲州土産の定番中の定番に「信玄餅」という銘菓がある。
きなこがたっぷりまぶされている小切りされた餅に黒蜜をかけて食べる「あれ」である。

正しい食べ方は、真ん中の信玄餅をひとつ取り出し、その空いたスペースに黒蜜を注いで食べる。
初めからもう少し余裕のある容器に入れてくれればスマートに蜜をかけることができて良いのになぁといつも思っている

ところで、多くの土産物屋やSAなどで売られている、桔梗の花をあしらった赤か青の袋入り商品は、正確には「信玄餅」では無いことをご存知であろうか。
こちらの商品は「桔梗屋」のもので、正式名称を「桔梗信玄餅」という。
『信玄餅』という名称は、金精軒製菓の登録商標なので、単に「信玄餅」といった場合には「金精軒」の信玄餅を指すのが正しい。
ちなみに最初に信玄餅を売り出したのは桔梗屋である。

ややこしい大人の事情がありそうであるが、両者に大きな違いは無い。それが混乱の原因だ
きな粉に強いこだわりをもっている金精軒は、地元武川村産の大豆を自家焙煎し別袋で同梱している点が桔梗屋とは異なる。
確かに香り高い絶品だと思うので、食べ比べしてみることをお薦めする。





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では、金精軒の「水信玄餅」をご存知であろうか?
ミネラルウォーター「南アルプス天然水」の採水地として知られている白州町に金精軒はある。
この名水を寒天で固め、きな粉と黒蜜をかけて食べる、実に美しい水菓子が「水信玄餅」なのである。



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販売を開始したのは2013年。
その後じわじわと話題となり、現在では長蛇の列に並ばなければ食すことのできない、数量限定のプレミア感の高いお菓子となった。
常温にさらすと30分でしぼんでしまうために、持ち帰りは不可能だ。
販売されるのは6~9月の土日のみ、県内に二軒ある「金精軒」で食べることができる。



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発売当初はさして話題にもならず、酒蔵である七賢に寄ったついでに金精軒を覗くと「水信玄餅あります」と小さな張り紙が貼ってあり、新しもの好きな方が食べている姿を数人見かける程度であった。
ところが現在口コミやメディアで広がって、国内外から多くの取材、そしてバッタモンが出回るほどに成長を遂げた。
アメリカでは「レインドロップケーキ」と呼ばれ爆発的な人気となっているそうである。


雨乞岳から次の登山口へと向かう途中、普段は人通りの少ない道路に人が溢れ出しているので気になった。
町内の夏お祭りでも行われるのであろうかと思い交通整理のおっちゃんに話しかけると、金精軒駐車場への誘導とのことだった。
更に「今日はこれでも空いています。整理券を配り始めるところです。」と聞かされた。




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普段並んでまでして何かを食べるのは二郎(ラーメン)だけだ。
しかしこいつはブログのネタになる。きっと女子がひぃひぃ言うやつだ
駐車場へ車を停め小走りで列に並ぶ。

9:00、無事に「111」番の整理券をゲットし、汗にまみれたくっさいおっさんが一人、観光客やカップルに混ざって列に加わった。
こんなにも人だらけなのに実に孤独な戦いが始まったのだ。



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この日は記録的な猛暑であった。
山は晴れているに越したことはないが、盆地地形での下界の猛暑は勘弁してもらいたい。

30分程並んでいると整理券が無くなったとアナウンスが流れる。



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回転は意外にも早く列は前へ前へと進んで行く。
これは意外にも早く食べられそうだ。



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と、安心した矢先、広い中庭が現れる。
列は蛇行を繰り返し距離を稼いでいた....



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途中何度帰ろうと思ったことか...



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お値段300円なり。
9:50、会計を済ませると番号の書かれたレシートが渡されるので再び並ぶ。




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そしてようやくその時がやってきた。

落としたらきっと泣く。
震える手で水信玄餅を受け取って、ぷるぷるしながらテーブルに運ぶ。



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10:10、最高の一枚を撮影すべく、ぷるぷるにレンズを向ける。
しかし透明故になかなかピントが合わない...。

元々食べ物を撮るのは大の苦手である。
その上、猛暑に溶けてしまうんじゃないかと不安で焦る。
スマホで簡単に撮影している人は多いが、でかい一眼レフでの撮影なので周囲の視線も痛い。

ぷるぷる揺らして動画も撮った。
なんだかいけない事をしているようで一人恥ずかしくなる。



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見た目はご覧の通り涼しげで美しい。
緊張しながら匙を当てると、僅かな抵抗感の後、すっと吸い込まれる。

そして一口。

と同時にきな粉でむせた。
ここで吹いたら負け犬だ。
必死でこらえて味わった。

『きな粉と水っぽい黒蜜の味。南アルプス天然水が台無しだ。残りは皿に口をつけて一気に流し込んだ。一緒に供された麦茶が最高に美味かった。』『南アルプスの清流の潤いをそのまま閉じ込めたかのような繊細な味だ。清涼感たっぷりな美しさは、レアリティの高さも手伝い万人を魅了する宝石のようである。目にも涼しいこの水信玄餅は、夏の山梨を代表するスイーツとして今後も我々を楽しませてくれることだろう。口の中で儚く溶けていった水信玄餅に再び出会える夏の訪れが今から待ち遠しい。』



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くそ暑かったので早くその場を離れたい水信玄餅の余韻を楽しみ金精軒を後にした。

この後まだ三座登る予定がある。というのに...。
貴重な時間を無駄にした予定より時間が遅くなってしまったが、あの水信玄餅を食すことができたのだから安いものだ。

さあ気を取り直して次の山も楽しもう!


おっさん頑張って並びました。
どんな登山よりきつかったですわ。

願わくば、この回が人気の記事になりますように。
あ、、、今は冬だったよ(T_T)



おしまい。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2016-12-17 17:10 | 日常 | Comments(0)
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