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山梨百名山@源次郎岳 2016.05.18(水)



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源次郎岳(げんじろうだけ)は、山梨県甲州市にある標高1,476.6mの山である。
山名の由来は、木曾義仲の乳母父である中原兼遠の従臣、岩竹源次郎が源頼朝の手勢に追い詰められ、山頂の南西側の枡岩と呼ばれる大きな岩の上で自害したという伝説からきているのだそうだ。




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この山へのルートはいくつかあるが、標高の高い位置まで伸びている林道を利用すると楽に登ることが出来る。
但し、山梨県内の林道はGW終了~5月末頃まで閉鎖されているものが多いので、規制情報を県のホームページで事前確認しておくことをお奨めする。

今回は「嵯峨塩深沢林道」を利用したルートをご紹介させて頂こうと思う。


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ナビを利用するならば、この「嵯峨塩温泉」を設定すると良い。


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ちなみに公共機関を利用する場合には、この温泉にバスの停留所がある。
下車後は目の前にある階段から源次郎岳を目指せば良い。


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今回は嵯峨塩温泉を通過し、やや進んだ後に左折して嵯峨塩深沢林道へと入る。


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標高が上がり始めると左手には小金沢連嶺が見え始め、前方に富士山が姿を現す。


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景色を楽しみながら軽快に飛ばしていると行き止まりとなってしまった。
周囲を見回しても登山口らしきものは見当たらない。

例によって適当に歩いてみようとも思ったが、最近ろくなことがなかったので素直に戻ることにした。


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少し戻ると左手に踏み跡が有り、右手には僅かばかりのスペースが用意されていた。
ここが源次郎岳への登山口であったのだ。


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14:15、標高1438mの登山口を歩き始めた。
「源次郎岳」(1477m)までのCTは45分である。


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森は明るく瑞々しい新緑に包まれていた。
踏み跡はやや薄く、広い山中を歩くことにはなるが、いくつかある指導標に従えば問題は無いだろう。


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しばらくは斜度を感じないほどに緩やかな登山道が続く。
思いがけずとても美しい森が広がっており嬉しくなった。


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前方が明るくなれば尾根は近い。


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標高1532mの下日川峠分岐点で左右に伸びた尾根に乗る。

お気づきのように、この地点の標高は源次郎岳のそれより高い。
また、このルートは登りと下りがほぼ同じタイムであることからも、どのようなルートであるのかはご想像頂けると思う。

左へ進む。

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痩せ尾根となり、緩いアップダウンが連続する。


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尾根の雰囲気も実に良い。
ツツジと緑の美しい静かな尾根を楽しみながら歩いて行く。


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源次郎岳に登るのは今回が初めてである。

小金沢連嶺からの下山が予定より早かったので思いつきでやって来たのだ。
何の予備知識も持ちあわせていない山歩きは新鮮でありとても楽しい。

また素晴らしい裾野をもった美しい一座に出会うことが出来たのだ。


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貫禄のある立派なブナの巨木が目立つようになり、何本も撮影してしまった。


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やがて唐突に前方が明るくなった。


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火事でも起きたのであろうか、やたらと倒木の多い妙な開け方だ。
奥に山梨百名山の山頂標がぽつんと立っていた。


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14:39、「源次郎岳」(1477m)登頂。
CT45分に対し、所要時間は24分であった。


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展望はそれなりにある。

しかしこれは無理矢理に得た人為的な展望であるらしい。
後に調べたところ、眺望を確保するため伐採を行ったのだそうだ。

保水力を失った地面は乾ききっていた。


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切り倒した大木や枝は放置され、山頂の景観は台無しだ。
人為的な力を加えるのであれば、自然と深く相談して行わなければ破壊を進めるだけだ。

この伐採が我々登山者のことを思っての行為だとしたら本末転倒の愚行であると言えよう。
いくら展望が良くても、泥煙の舞う場所でくつろぐ気にはならないであろうし、好き好んでぬかるんだ地面を歩きたいと思う登山者もいないだろう。


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山頂に到着するまでの、白樺・ミズナラ・ブナなどに守られた美しい登山道を思うと、この山頂の風景は尚更残念であった。



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撮影を済ませ早々に山頂を後にする。


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山頂から数m進めば、新緑の美しいアーチが視界を遮っている。
展望は無いがこれで良いではないか。


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登山道の途中、富士山を見ることのできる場所は僅かに一箇所だけだ。
しかし殺風景な山頂に放り出されるより遥かに嬉しい瞬間ではないだろうか。


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私は特別、動植物の保護に目くじらを立てるような心の優しい人間ではない。
登山に限らず、大切なことはバランスだと思っているので、狂信的な物言いを見聞きすると興ざめしてしまう。
本気でそう思うなら山に登らなければ良い。
下界では車や電気に頼ること無く暮らせば良い。

私はむしろ自然環境に対して無頓着な方であり、山中に籠れば当然のこととして用を足すし、枝打ちを行い暖を取ることもある。
稜線上の山小屋やロープウェイなどは撤去もしくは避難小屋とし、昭和初期の状態に戻せば入山者が減り、安全面でも自然にとっても一番良いだろうとも考えている人間でもある。
登山ブームの維持に躍起になっている雑誌やツアー会社、快適さなどを売りにした山荘自らが初心者の大量入山を誘引しておきながら、安全や動植物の保護を訴える姿には、商業登山の矛盾を感じずにはいられない。

しかし時代の流れだとも思うのでそれを否定しているのではない。
ただそういう者達自身の矛盾した発言や、それを取り巻くもの達の浅い活動を私は冷めた目で見ているということだ。

CTは他人の時間であるし、登山道は他人の作った道である。
可能な限り、自分の登山を楽しみたいという想いが心の底には活きている。


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往路とは全く違った印象を抱きながら下山を済ませた。

あれから数週間が経ったが、あの山のこれからが気になって仕方がない。
景観の回復する日はやってくるのであろうか。

山頂が美しい植生を取り戻した頃には、再び源次郎岳を訪れてみたいと思っている。
山はただそこに、そのままの姿で在って欲しい。

やや鬱蒼とした樹林帯に足を踏み入れた時、また素晴らしい一座に出会うことが出来たと喜びながら歩いていたのは遠い昔の出来事のように感じている。



おしまい。

今回も最後までお読みいただきまして大変ありがとうございました。


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by yama-nobori | 2016-06-08 00:01 | 登山 2016 | Comments(0)
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