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秀麗富嶽十二景 九鬼山 2016.04.15(金)



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九鬼山(くきやま)は、山梨県都留市と大月市の境にある秋山山稜に位置した標高970mの里山である。
山梨百名山及び秀麗富嶽十二景に選定されている。

この山にはいくつかの桃太郎伝説がある。
一つは「百蔵山(桃くらやま)で生まれた桃太郎は、上野原市の「犬目」で犬を、大月市の「猿橋」「鳥沢」で猿とキジを引き連れ、九鬼山に棲む鬼を退治にやってきた」と言うものだ。
別の話では、「桃太郎が富士に住む十匹の鬼を退治したところ、一匹が岩殿山へ逃げ、残り九匹が田野倉にあるこの山へ逃げ、それが山名の由来になった」とある。

何れにしても人々に愛され、登られ続けてきた里山なのであろう。






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さて、この日一日での累積比高は既に1200mを越えており、この「九鬼山」に登れば1700m以上となる。
一座終える毎に、都度、登山口を探し移動を繰り返すことにも疲れてしまった。

加えて「本社ヶ丸」「笹子雁ヶ腹摺山」そしてこの「九鬼山」の順に標高は低くなり、その展望は比例する。
気持ちが萎えるのは当たり前だ。

しかも九鬼山には以前登頂したことがある。
なのに再訪したのは、特別な思い入れがあったからではない。
理由は山梨百名山の申請に必要な記録が残されていなかったからだ。

なんとなく始めてしまったこのスタンプラリー登山は、今までの自分の山行スタイルとは全く合わない。
興味の無い山や、九鬼山同様に記録を残していないだけの山も数多くある。
さて、この先どうしたものか...

今回の記事は「九鬼山」を愛して止まない方には申し訳ないレポになってしまうことを冒頭でお詫びしておきたい。



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もっとこの山の山容を伝えるのに相応しい場所はあるのだが、移動が面倒になりパチンコ屋の駐車場から撮影を行った。

山頂直下をリニアモーターカー実験線のトンネルが貫いている。
その様子は「高川山」からよく眺めることができる。



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最寄り駅である「禾生駅(かせい)」からR139を大月方面に向かい、レンガ造りの落合水路橋が見えたら右折する。
すると登山口である九鬼集落に着く。

駐車場の有無を確認することは出来なかった。
道も狭く行き止まりも多いようなので、集落には入らずR139沿いで駐車場を求めることが賢明であろう。



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集落の中にある道標に従い、「愛宕神社コース」か「杉山新道」を選択する。
今回は前者で登り後者で下る周回コースをとった。



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14:25、「愛宕神社」(430m)を通過し、「九鬼山」(970m)を目指す。
山頂までのCTは85分である。



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緑が目に優しい登山道である。

しかし強烈な西日が照りつけており、とにかく暑かった。
水を飲むも生ぬるく、決して美味しく感じることは無かった。



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しばらく単調な雑木林の中を進む。



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14:43、標高687mの分岐に到着、山頂へ向かう。



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ハイペースで登ってきたので顎が出た。
「要注意」の文字に、何を注意するんだよと悪態をつきながら急登へ取り付く。



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やがて「眺めよし」と書かれた「天狗岩」への分岐が現れる。
ほんの僅かな距離の寄り道であることは知っていたが、この苦行を早く完了させたい一心で山頂へ急いだ。



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天狗岩からの急登を終えると再び分岐となるので左へと進む。
ここまで登ってきてしまえば山頂は近い。



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15:11、「九鬼山」(970m)登頂。
CTの85分に対し、46分での到着となった。


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富士山に対する展望は、残念ながらいまいちであるとしか言いようが無い。



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秀麗富嶽十二景に選定されているものの、このような状態だ。
少し山頂を外せば展望の開けたポイントもあるのだが、「秀麗富嶽十二景」標識と一緒に富士山を収めたいと思うのは私だけであろうか。



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しかし北側の小金沢連嶺は見事に眺めることが出来る。
黒岳がとても大きく感じられた。

この九鬼山から北へ伸びた縦走路上に「御前山」(ごぜんやま)という素晴らしい山がある。
標識は730mと低いのだが、岩殿山に似た岩場などがあり、遮るもののない解放感に溢れた好展望の頂を有する。
検索を行うと奥多摩の同名山が出てきてしまい情報は得られないかもしれないが、その充実感は保証できる。
地図上の見た目よりずっと短く、大月駅、もしくは猿橋駅へ降りることが可能なので、九鬼山に訪れる際にはセットで計画されることをお薦めさせていただきたい。



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15:25、下山開始。

弥生峠を経由し、杉山新道にて周回する。
CTは70分。


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沢の水でようやくクールダウンすることができた。



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九鬼山、再びこの山を訪れることはあるのだろうか。

下山は25分で完了してしまった。



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山梨百名山を選定した「やまなし観光推進機構」のホームページにこのような一文がある。

『高さ・美しさ・登山難度もさまざまですが、少なくとも、この平地から見た限り、すべて崇高で汚れない美しさに満ちています。山頂に立ったときに得られる山の景色を心に刻んでください。自然からの厳しく、そして得がたく美しい贈り物です。』

確かにそうだ。
人と同じように、山にもそれぞれに個性がある。
外見だけで人を判断することが難しいのと同じように、山だって、実際に登ってみるまでは本当の姿を理解することはできない。
結果、相性の合わないつまらない相手も多いことだろう。

深田百名山のようにスケジュールに縛られながらわざわざ遠方へと出かけ、天候とは無関係に無理やりに登り、その山のもつ本当の魅力を味わうこと無く下山し二度と登らないなど、私には到底理解することができない。
山にいるより移動時間の方が長いだなんて、本末転倒であり実に滑稽だと思えてしまう。

私はこの先何度でも登りたいと思うことの出来る、親友と呼べるような生活圏内にある山を増やしたいのだ。
そして限られた時間の中で、できるだけ長く山の中に身をおき、お気に入りの山から派生したあらゆる尾根道を辿りたいのである。
そのきっかけとして山梨百名山に挑戦することは、私にとってはとても有益なことだと思えるようになってきた。

「自己満足」という言葉は、肯定的な意味としても、否定的な意味としても使用される。
私は肯定的な意味で使えば、実にわかりやすい素晴らしい言葉であると考えている。

自分に偽ること無く、これからも自己を満足させることの出来る登山を続けて行きたいと思う。



おしまい。

今回も最後までお読みいただきまして大変ありがとうございました。



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by yama-nobori | 2016-05-08 01:00 | 登山 2016 | Comments(0)
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