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憧れの冬季地蔵尾根への挑戦③@仙丈ヶ岳 2016.03.11(金)~13(日)




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風邪をひきました...。
久しぶりに38.5℃の熱が出て、友人から「風邪ひくんだね」「何か拾い食いしたのか」等々の生暖かい言葉に励まされ、ようやく回復に向かっております。

と、記事更新の遅れてしまった言い訳を書きつつの第三部スタートです。






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11:58、「仙丈ヶ岳」(3033m)登頂。
気温-11℃、風は微風。



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山頂直下のビクトリーロードからは各々写真を撮りまくり、全員バラバラのタイミングでの登頂となった。

しかし誰の目にも、登頂と同時に等しく目に飛び込んでくるのが次の光景だ。



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富士山が若干霞んでしまってはいたが、国内BIG3(富士山・北岳・間ノ岳)が揃って出迎えてくれる。

冬季ノーマルルートである小仙丈尾根から登ってくると、遥か手前からこの光景に出逢うことになる。
しかし地蔵尾根から登ってきた場合には、仙丈ヶ岳山頂に立って初めての御対面となるのである。

感動は当然のことながらこちらの方が大きい。



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ナイフリッジの先には鳳凰が浮かぶ。
まとわりついているガス達が、急峻な岩稜をより鮮明なものにしている。



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早川尾根の栗沢山~アサヨ峰は、昨年素晴らしい出会いを与えてくれた思い出深い稜線だ。



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鋸岳~甲斐駒、そして眼下の薮沢カールにも数えきれぬ程の思い出が刻み込まれている。



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南部に視線を投げれば、笊ヶ岳・蝙蝠岳・塩見岳・悪沢岳の秀峰達が白銀に輝いている。



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最高だ。

滅多に山頂で自身の写真を残すことは無かったが、この日は思わず頼んでしまった。

最高の景色と岳友達に感謝!



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心配していた骨折の痛みも、付き合い方がわかってきたおかげでさほど苦痛は感じずに済んだ。

その後、冬季3000m峰で約1時間程の贅沢な時間を過ごす。
好天に感謝。



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12:50、美しき南アルプスの女王に別れを告げ下山を開始する。



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稜線を離れてしまうのがとても寂しかった。



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次にここに立つのはいつになるのだろう。



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何度も振り返り、その姿を目に焼き付けた。



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下りはあっと言う間に行程が進む。
滅多に見ることの叶わない、裏側からの大仙丈ヶ岳・仙丈ヶ岳とも間もなくお別れだ。



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岩稜の要塞、鋸岳~甲斐駒をこの方角から眺める機会もこの先多くはないのであろう。



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地蔵尾根。

幾度と無く計画し断念していたルートである。
この長年憧れていたルートを冬季に踏破することができるとは夢にも思っていなかった。

岳友達よ本当にありがとう。



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さて、ここは夏道を嫌って直登を行った、ジャンクションピークの直下である。

下山時には我々とは違う夏道方向にもトレースが伸びており、途中で終わっているようであった。
松峰小屋を後から出発したソロ男性のものであろう。

この時点で13:43、誰とも出逢うことはなかったので敗退を決意したようである。



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往路には何も無かったところに、しっかりとしたトレースを付けることができた。
今後大きな降雪がなければ、しばらくの間、これが残雪期のルートに育つのかもしれない。
そう思うと誇らしい気持ちになった。



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アップダウンを繰返しながら展望台まで戻ってきた。



仙丈ヶ岳の頂は、もう随分と高くなってしまっていた。



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空気が澄みわたり、南部の山々は益々良く見えるようになっていた。
塩見岳のなんと素晴らしいことか。



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南部の山々にも別れを告げ、地蔵岳方向の樹林帯へと標高を落とす。
さらば愛しき秀峰たちよ。

地蔵岳は右側から巻いて行く。



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しばらく進むと、重装備のソロ男性と出逢った。
私の二回りは年齢を重ねているように見える人生の大先輩である。

朝早くから歩き始めたが、荷物の重たさに耐えかね早々に幕営し、この日が二日目なのだそうである。
そう、第一部で紹介した好展望地に張られたテントの主殿だったのだ。

聞けば、このあと仙塩尾根を通り北岳を踏み、その後塩見岳まで縦走するのだそうだ。
私の足でも一週間近くはかかるのではないだろうか。
一旦足を踏み入れれば有効なエスケープルートなど存在しない。
例え敗退を決意し、どの尾根に向かったとしてもそれぞれにタフな行程が待っている。

夏場でも容易に歩き通すことの出来ないルートを冬季に、しかもソロで歩くとは、やはりこの時期の南アに集う山屋はレベルが違う。
最大限の敬意をもってこう呼びたい、貴方は本物のヘンタイすと。
無事の下山を願いエールを送りお別れとなった。



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途中これまたヘンタイ健脚のT氏とA氏は、律儀に地蔵岳を踏みに行った。
私とR氏は松峰小屋へと戻る。



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16:16、思いの外早い時間で松峰小屋到着。
早速水を作り二人の到着を待った。



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16:40、二人が到着。
おつかれさま!

この日の内に下山してしまおうかという話もあったが、もともと最大三泊の計画であったために食料が大量に余っていた。
早速水を作り夕食をつくる。



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実はこの日、私は行動中に食べるべき食料を全て小屋に置き忘れていた。
途中でその事に気付きパンを1つ恵んでもらい、結局それだけで往復した。
燃費の良い自覚はあったが、標高差1000m、行動時間10時間以上をパン1つ水300ccで済ませるとは我ながらヘンタイ優れた体質だと思った。
しかも山頂では誰よりも寒さを感じていなかったのではないだろうか。

しかし小屋についた途端に腹が減り、パスタ200gを一気にワインで流し込んだ。



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翌朝7:25、のんびりと下山を開始した。

私は例によってルーファイを楽しみながら、一人樹林帯を適当に歩いてみた。
やはり登山口から松峰小屋までは、方向さえ正しければルートをロストすることは無いようだ。




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9:20、全員揃って初日に休憩をとった展望地に腰を下ろす。

この場所で幕営していたあのへんたい大先輩は無事に行程を消化しているのであろうか。



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少し進むと初日に残されていた雪は全て解けていた。
足に優しいふかふかの登山道を楽しく進む。



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10:51、下山完了。
素晴らしい山行に幕を下ろした。



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下山後は桜で有名な高遠にある「さくらの湯」で汗を流し、失ったカロリーを完璧に補充。

その後大広間で4人揃って1時間以上も本気で寝てしまった。



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さて、まだまだ自由な若者たちである。
このまま次の山に向かうための計画を相談しはじめる。

結果R氏は帰宅、A氏T氏とは翌日八王子で一緒に飲むことになり、更に翌日には最近ご無沙汰のK嬢も参戦し4人で映画を観た。
更にその翌日にはA氏T氏の両名は巻磯山へ入山。

実に自由で素晴らしい人生だ。

彼らは暖かくなれば各地の山小屋で働く予定がある。
今年はそんな岳友達を訪ね歩く山行を今から楽しみにしている。

長い間、人の後ろを歩くことを潔しとして来なかったが、一人では見ることの出来ない景色のあることをこの歳になって知ってしまった。
それに岳友と過ごす時間の素晴らしさも覚えてしまった。

責任をとってもらわねばなるまい。

さて、次はどんなルートをラッセルしてもらおう歩こうか。
雪が消えてしまうその前に、近所の変態T氏と早急に花見作戦会議を開かなければならない。
幾つか名前すら付いていない、昔から気になっている尾根があるんだよ...



おしまい。

今回も最後までお読みいただきまして大変ありがとうございました。



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by yama-nobori | 2016-03-19 22:25 | 登山 2016 | Comments(0)
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