南アルプス北縁の稜線を行く③早川尾根~鳳凰三山 2015.11.04(水)~05(木)




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アサヨ峰をあとに、鳳凰三山へ向けての縦走を再開する。








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前日の内に進む予定であった早川尾根小屋までの距離2.5km・CT2.0が、この2日目の行程に加算された。
これにより本日の移動距離は18.0km、CTは12.0hとなり、夜叉神峠への下山予定時刻は18:30となった。

通常南アは70%で歩けているが、この日はアップダウンも多いことから80%で再計算すると行程予定時間は9.5hとなる。
夜叉神峠への下山目標を16:00とした。



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アサヨ峰からは120m程標高を下げる。
登山道は凍結しておりハイマツに掴まりながら慎重に通過して行く。



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その後は標高差50m前後の小さなアップダウンを繰り返す。
標高は2700m前後であり、ハイマツが少々煩い。

朝日が真正面に来るため目が眩み、その都度登山道を見失いそうになる。



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小太郎山と一直線に並んだ、見慣れない角度からの北岳がとても新鮮だ。

森林限界を一進一退しながら全体的には標高を下げて行く。
次の目標である早川尾根小屋の標高は2400mである。



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息が上がる。
少ピークが訪れるたびに小休止を取る。

振り返るとアサヨ峰が遠ざかり、辿ってきた稜線の起伏を確認することができた。
中央のピークが「ミヨシの頭」だろうか。

目指すオベリスクは逆光の中でまだ遠い。



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その後大きく標高を下げ始め、登山道は完全に樹林帯の中となった。
しばらく進み続け、再び緩やかに登ると三角点が現れた。
おそらくここが「早川尾根ノ頭」であろう。


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「早川尾根ノ頭」を南に進むと途端に登山道が明瞭になる。
その後ほどなくして、7:45、「早川尾根小屋」(2400m)に到着となった。



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2015年、この早川尾根小屋は無人小屋として開放されていた。

かつてはとても豪華な食事が提供されることで有名な小屋であった。
以前写真を見たことがあるが、揚げ物やお刺身などがお膳に並ぶ、以前の甲斐駒七丈小屋とほぼ同じメニューと配膳スタイルであったように記憶している。
どちらの小屋も全て歩荷での提供であったのだから驚かされる。

残念なことに、2011年、調理場を熊に荒らされてからはレトルトのみの提供となっている。
しかしながら、2食付きで5千円は大変にありがたい価格設定であると言えよう。

来年度の営業はあるのであろうか・・・。


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テン場の確認を済ませた後、水場の様子を見に行ってみる。

お、枯れていない。

飲んでみて驚いた。
スッキリとしており、当然に冷たくて実に美味い。
南アの美味しい水場の三本指に入りそうである。
水筒への給水は行わず飲めるだけ飲んだ。



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本年度は開放小屋であったのに実に綺麗に維持されている。
登山者達に愛され続けている山小屋なのであろうと容易に想像することが出来た。

さて、ここで一つのミッションを行った。



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かつて早川尾根小屋の小屋番であった方から、「今でも屋根の上から北岳が見えるのかどうなのかを知りたい」とお話をいただいた。

その方は屋根の上から見る北岳が大好きだったそうである。
なにやら素敵な物語りを感じる展開に、私もとても楽しみになり、ここまで歩き続けてきた。

屋根に登ってみる。


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見えた・・・。

とても嬉しかった。
この話がなければ当然屋根に登ることも無く、北岳が見えることなど知る由もなかった。

下山したらすぐに写真を送ろう。
そしてその物語を聞いてみよう。

※この早川尾根小屋にまつわる素敵なエピソードは「山頂デザートな日々」の「カテゴリ南アルプス」から読むことが出来ます。



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ぽかぽかした気持ちで早川尾根小屋をあとにした。

この後は、それぞれが広河原への登山道となっている「広河原峠」「白鳳峠」を越え「高嶺」を目指す。



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小屋を出発すると急激な下りとなる。
20分程進むと平坦な場所が現れた。

ここがこの縦走中最も標高の低い「広河原峠」(2340m)である。
その名前の通り、昨日バスを乗り換えた「広河原」へと下りることが出来る。



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広河原峠から白鳳峠までは、途中「赤薙沢ノ頭」をピークに再び急登となる。
下りに慣れてしまった体がとても重たく感じるようになった。



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再び森林限界を越え、久しぶりに視界がひらける。

振り返ってみた早川尾根がずいぶんと長くなった。
あれほど近くにあった甲斐駒と仙丈ヶ岳も既に小さい。
北岳は右手に小太郎山を置く見慣れた姿となってきた。



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再び樹林帯となり少し進むとトラロープで登山道の閉鎖されている場所が現れる。

ここは2013年9月16日に通過した台風18号の影響で崩落が起こり、登山道が10mほど流失した場所である。
現在は迂回路がつけられ安全に通過することが可能である。



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迂回路は短く、すぐに本来の登山道に復帰する。

そして、急登を登り切ると唐突に視界が開けた。



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8:50、「赤薙沢ノ頭」(2553m)に到着した。

大展望の中、ここで大休止をとる。



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早川尾根を振り返りズームで寄せてみる。
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仙丈ヶ岳は離れて眺めたほうが大らかに感じる。
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アサヨ峰がひときわ高い。
早川尾根のアップダウンの多さが良く見てとれた。
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甲斐駒はどこから見ても花崗岩の大要塞である。
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裾野を広げた八ヶ岳の姿が実に美しい。



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過去最も数多く登っている3000m峰である北岳。
全ての登山道に思い出が詰まった愛すべき一座である。
白根御池小屋がとても良く見えていた。



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大休止を終え、正面の「高嶺」に向かって再び歩き出す。



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標高を100m程度下げると「白鳳峠」に到着した。
ここからも広河原へ下りることが出来る。


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白鳳峠から「高嶺」までは、一気に300m以上を登り返す。
そして再び森林限界を迎える。

登りがキツイ・・・。
太陽も眩しく顔を上げることが出来ない。
汗が滴り落ちる。


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ハイマツの急登を終えるとゴーロ帯となる。
顔をなんとか持ち上げると正面にピークが現れた。



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長い・・・。
この登りは実に辛かった。

ここはアサヨ峰とほぼ同じ高さである。
振り返ると早川尾根のアップダウンの全容を手に取るように確認することができた。

ここから見る仙丈ヶ岳のなんと大らかなことか。



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再び歩き出す。
オベリスクが見えた。

近い。


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オベリスクが視線の高さに並べばその時は近い。



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10:08、「高嶺」(2779m)登頂。

今回のルート上、もっともタフな登りが終わった。
再び大休止をとる。


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それにしても空が青い。
この季節に、2700m稜線を半袖で歩けるとは夢にも思わなかった。

素晴らしい好天だ。


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そしてようやく、鳳凰三山の全てを見渡すことが出来るようになった。
手前から地蔵岳(オベリスク)・観音岳・薬師岳である。

オベリスクへの分岐である「アカヌケ沢ノ頭」まで進めば、この早川尾根は終了となる。



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高嶺から「アカヌケ沢ノ頭」まではCT40分である。
近くに見えているが意外とアップダウンが続くのである。

かなり疲れて来た。
少し進むだけで息が上がる。

この角度からの鳳凰三山はなかなか見る機会が無い。
撮影しながらゆっくりと進もう。



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早川尾根終了まであと僅か。


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花崗岩の真っ白なビーチを抜けて行く。



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オベリスクへの障害物はこれが最後だ。



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10:53、「アカヌケ沢ノ頭」(2750m)到着。

ついた・・・。

「早川尾根」実に素晴らしい長大な尾根であった。



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地蔵岳オベリスク(地蔵仏)と呼ばれる巨大な尖塔からは、過去幾度と無く歩いてきた鳳凰三山の縦走が始まる。

ここまでの間、休憩を入れてなお、当初予定していた通りの80%の速度で歩けているようだ。
これなら大丈夫だ、明るい内に下山することが出来る。

さあ、天空散歩を始めようか。



第四部へと続きます。




<<2015.11.08 追記>>
つい先日、偶然にも穂高岳で再会を果たした先輩登山者から、今回の山行が数分差でのニアミスであったとコメントを頂戴した。
撮影した画像を調べてみると確かにご本人が写っているようである。
あまりに嬉しかったので記事を更新させて頂きます。
こういう出会は大切にしたいですね(^^)/
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今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。




↓励みになりますので、よろしかったら『ぽち』っとお願い致します(^^)/


by yama-nobori | 2015-11-08 13:53 | 登山 2015 | Comments(4)
Commented by HS at 2015-11-08 15:08 x
 「山がまんなか」さん こんにちは!
今年5/21-22笊ヶ岳で9/29-10/1槍穂高・白出下山でお会いした者です。
11/5鳳凰三山でニアミスでした。私がアカヌケ沢の頭10:45、貴男が10:53でした。丁度私がオベリスクに登り始めたときでした。お会い出来なくて残念でした。槍穂高の後、10/7-8塩見岳(テン泊)で10/14-17朝日連峰(無人小屋泊)、10/23阿弥陀南陵と歩いています。貴男と同じく南アルプスをこよなく愛しています。また何処かでお会いできる事を楽しみにしています。
 
Commented by yama-nobori at 2015-11-08 17:34
> HSさん

コメントを頂戴して震えが来ました。
ただただ感動しています。

さっそく撮りためた画像を拡大してみました。
通常ルートよりかなり手前の砂場からオベリスクへのアプローチをかけている、赤っぽいウェアの登山者を1名確認することができました。
こちらが貴殿でしょうか。

もしそのようなら少しブログの内容を更新したいと思います。

今回登られたのは青木鉱泉からのピストンでしょうか。
実は私も久しぶりにオベリスクに登ろうかと思っていたのです。
体力的にきびしくなり止めてしまったことが残念でなりません・・・。
本当にお会いしたかったです。。。

なんだか無性にお会いしてみたくなりました。
もしよろしかったら非公開コメントでメールアドレス等お教えいただけないでしょうか。
FacebookもTwitterもやっております。
まだ数ヶ月間は天気図次第で自由の効く身なので、テン場で山のお話でもさせて頂ければこんなに嬉しいことはございません。

Commented at 2015-11-08 21:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by yama-nobori at 2015-11-08 23:14
> HSさん

さっそくのご連絡ありがとうございました!
後にメール送らせて頂きます(^^)/

写真は間違い無さそうですね!
パンツは黒、防止も赤っぽい色である事は確認出来ました。
画質は悪いですが第三部の記事を書き換えたいと思います(^^)

なんだか嬉しいですねぇ~。
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