八ヶ岳バリエーション入門コースへ@阿弥陀岳南陵 2015.08.31(月)




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秋雨前線の動きがどうにも読みきれません・・・。
不安定な天候に翻弄され続け、虚しくも消えていった縦走計画達は数知れず。
今週末にも中規模な計画を立てておりましたが、現時点、お流れの可能性が大・・・。

「体が鈍る~、体力落ちが恐い~、ストレスが溜まる~」

というわけで、今回はどうにか天候のもちそうな阿弥陀岳へ、トレーニングとストレス発散を兼ねて登って参りました。






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今回訪れたのは、八ヶ岳で3番目に高い阿弥陀岳(2,805m)。
それを、アルパイン入門ルートである「阿弥陀岳南稜」から登り「中央稜」から降りる、オールバリエーションでの計画です。

ただ結果から書いてしまうと、下山にはルート図の通り「御小屋尾根」(一般ルート)を使用しています。



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さてこの南陵ルート、山頂手前標高差300m程に、P1~P4と呼ばれる岩稜帯をもっています。
中でもP3には急勾配のルンゼがあり、ここが今回の核心部となります。

※ルンゼとは岩壁に氷雪や風雨の浸食作用でできた、急で険しい溝(ガリー)を指す。
 その多くは水流がなく乾いているが、周囲からの落石が集中する場所であり、一部または大部分がガレになっている。



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起点となるのは船山十字路と呼ばれる場所で、八ヶ岳美術館を美濃戸方面に向かって少し走り、「阿弥陀登山口」の標識を山に向かって進むと辿り着くことができます。
駐車場には10台程停めることが可能で、トイレと登山ポストはありません。



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近くには阿弥陀聖水という水場がありますので、給水はこちらで行うと良いでしょう。
とても美味しい水の流れる、歴史ある水場です。



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この日も例によって前入りを行いました。
久しぶりの車中泊だったので、ついつい目が欲しくなり過ぎて買いすぎ(^^;
残された夕食の多くが、そのまま朝食となりました。

今回の相棒は1箇月振りの登山となるK嬢です。
お互い体力落ちていそうだけど頑張ろう。

よろしくね!

まずはここ、船山十字路(1620m)から立場山(2370m)を目指します。



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ゲートを越え20分程歩くと広河原橋に到着。
このまま更に道なりに進みます。



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この標識が見えたら右に曲がります。

阿弥陀岳はその呼び名の通り信仰の山であり、一般道の他に南稜、中陵といった入門バリエーションルートや、冬によく使われる北西稜・北稜といったクライミングルートなどがあり、各登山者の実力や目的によって楽しめる山でもあります。
また、古くから登られ続けている為に廃道が数多く存在し、それらに加え、山関係者の踏み跡なども数多く確認することが出来ます。

南陵への取り付きは、この標識さえ見落とさなければ問題ないと思われます。


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広河原取り付きからは、それなりの斜度を尾根に向かい登って行きます。
ルートは大変良く踏まれており、リボンなどもあって明瞭です。
足元は腐葉土でふかふか(^^)



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急斜面を登り切ると「旭小屋分岐点」のある尾根に到着。
ここを「立場山」方面へと進みます。


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この周辺は「きのこ山」であり、「きのこ山につき入山禁止、罰金10万円」の御触書があります。
右側には鉄線フェンスがあり、見張り番のテントも張られています。
これからの時期はピリピリするんでしょうね。


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この南陵ルート、かつては一般道でした。
現在では実に良い雰囲気が残されている、美しいトレイルです。



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「境界改札」が踏み跡に沿って多く建てられているので、無積雪期においては道迷いの可能性は低いと思われます。



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立場山までは、永遠と続きそうなまっすぐな登りトレイルとなります。
ただ足元が優しいのでとても快適です。

この辺りで少し雨が落ちてきたのでレインを装着しました。



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登山道が緩やかになると、ほどなくして「立場山」(2370m)に到着。
展望は無いのでここはスルー。

幸い雨は止んでくれました。


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少し進むと権現岳方向が開けます。
展望は全く期待していなかったのでこいつはラッキー(^^)



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毎年積雪期にテントを張る編笠山、つい先日歩いたギボシ~権現岳~旭岳も良く見えています。
やはり歩いた場所を違う方向から見るのは嬉しいな~(^^)

さあ、ガスが掛からないうちに先に進もう!


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そしてお楽しみの場所に飛び出します。



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「青ナギ」です。

まるで人工物のように稜線の片側だけが灰色の土をのぞかせており、青ナギからは阿弥陀南稜上部のP2~P4がよく見えます。
稜線伝い、右奥のピークは「無名峰」と呼ばれる場所です。

冬季アルパインにおいては、この場所にテントを張り一泊し、翌日アタックをかけるのが一般的です。
この場所で宴会テン泊して帰るだけでも楽しいかもね(^^)




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ここまで来ると、ツルネ(左の緩やかなピーク)もバッチリ。



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上の2枚はそのツルネから見た、阿弥陀岳~青ナギです。
ほんとに特異な場所ですよね。



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周囲の山々にガスが上がってきました。
先へと急ぎます。



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無名峰までは急な登りとなります。

木々の間から見えた阿弥陀岳は、もうすぐガスに包まれてしまいそう。
う~ん、残念!



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無名峰に到着。
ここでヘルメットを装着し、いざ南稜岩稜帯へ。



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赤岳は大天狗より上はガスの中、目指す阿弥陀岳も消える寸前。
風も出てきてしまいました。
雨は大丈夫かなぁ。

まずは右のP1を目指します。



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やっぱりP3は大きいね。
慎重に進もう!



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一般道と変わらないP1(2564m)を通過しP2へと進みます。



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時折、諏訪側のガスがスパッと抜けます。
右側に横たわっているのが「御小屋尾根」です。
阿弥陀岳山頂はガスに入っちゃった。



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P2も左巻きにて通過。

ここまでのP1~P2は、ガバホールドが多数あるので直登で問題無さそうです。
しかしこの日は強風とガス、岩が濡れていたので巻けるものは全て巻くこととしました。



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振り返ると青ナギが良く見えていました。

そしていよいよ、P3の直登と岩溝(ルンゼ)コースとの基部分岐点へと向かいます。
この草付きのトラバースは積雪期には嫌な感じでしょうね。



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分岐はもちろん岩溝(ルンゼ)コースを選択。
ただP3は3級との事ですしホールドもしっかりあったので、次回は直登してみようと思います。

分岐から取り付き点までは、のびのびのワイヤーが張られています。
これに沿って10m程下ります。

ここも冬季には嫌らしい場所になりそうだ。



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3点支持で慎重に60mのルンゼを詰めていきます。
ホールドは多く有りますが、剥がれやすい岩や浮石などがある為、注意が必要です。
私もK嬢に落石をお見舞いしないよう慎重に慎重に・・・。

この日はかなりの勢いで水が流れておりました。
あと数ヶ月もすれば凍結し、一気に難易度が上がる場所であると言えそうです。



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ガリー上部は草付きの登りとなり、教科書通りのルンゼ形状。

下部の岩場より、上部の草で油断すると危険かもしれません。
上り詰めるまでは気を抜かないようにしましょう。



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南陵核心部、P3終了。
稜線に立つとかなりの強風です。
幸い雨は止んだままでした。



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そして最後のP4は基部を左に巻きます。
ここも積雪期には緊張する区間となりそうですね。



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阿弥陀岳山頂直下からは再び岩稜帯の登りとなります。
ここまで来れば山頂はもう目の前。



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そしてそして・・・



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阿弥陀岳山頂に無事到着!!

無積雪期の登頂って・・・・20年振りくらいになるのかなぁ。



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K嬢には私が山頂に到着している事は内緒にして、登って来るのを待ちます。

あと少しだ頑張れ!!



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そして何も知らずに顔を上げたK嬢。

目の前に突然現れた山頂にビックリ&大喜び(笑)
顔がくしゃくしゃだったので、本人の名誉の為モザイク処理w



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ガッスガスで何にも見えないけれど、やっぱり山頂は嬉しいねぇ(^^)/
阿弥陀岳(2805m)、登頂おめでとう!


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さて、阿弥陀岳頂上には石神仏が全部で24基あり、これは八ヶ岳の山頂石仏では最多となります。
現在の長野県諏訪郡原村払沢で奉納した、「嘉永七甲寅6月日」(西暦1854年)と刻まれた阿弥陀如来像が3基、直明行者に関連した講による石碑が4基建立されているなど非常に古い山岳信仰の歴史を持つ山であることが判ります。

※直明(じきみょう)行者は赤岳開山を行った内の一人



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また冬季でも比較的安全に登ることが可能な赤岳に比べ、この阿弥陀岳はかなりの難易度となります。
次回の阿弥陀はまた厳冬期になるのかなぁ。
冬季の南陵は経験が無かったので、今回は下見のつもりで登っておりました。

※2013年の撮影です。


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山頂は体が持って行かれそうな強風でした。
K嬢が急に寒がりだしたので早々に退散します。
低体温症は恐いですからね。



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下山は「御小屋尾根」「中央稜」方面へと向かいます。
少し下ると「西の肩」(2780m)が現れます。


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やや高度感のある梯子・鎖場を通過。



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その後、御小屋尾根(ノーマルルート)と中央稜(バリエーション)の分岐が現れます。

中央稜は御小屋尾根より距離が短く、それ故、急勾配のバリエーションルートです。
天候と登山道の様子が良くなかったので、今回は御小屋尾根へとコース変更を行いました。



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さらば中央稜、次回は遊びに行きますね。



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御小屋尾根も上部の辺りはなかなかの急勾配、そして悪路です。
私も何度か尻もちをつきました。



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不動清水を過ぎるとようやく斜度が緩くなり、足元がふかふかのトレイルへと変化します。
木々の間からは往路で使った南陵が見えていました。

ガスと風はどうやら2300mより上だけのようで、下界は穏やかに晴れています。
南アまでが良く見えていました。



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「御小屋山」(2136.7m)に到着。

さて、この御小屋山は別名御柱山(おんばしらやま)とも呼ばれます。
7年に一度行われる諏訪大社の御柱祭で使われる御柱は、この山から切り出されているんですよ。



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さあ、あと少しだね。



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そして事故もなく、無事に船山十字路まで戻ってきました。
これにて下山完了!

おつかれさま(^^)/


しかし私はここで大失態。
車の横にストックを置き忘れて来てしまったようです(T_T)
お気に入りだったのに残念だなぁ・・・。
あ~あ。


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下山後はお気に入りの「もみの湯」でのんびりと汗を流しました。

さて、この日は心配していた雨も気にならないレベルで、一日中誰にも会わない静かな山歩きを楽しむことができました。
何と言っても、お隣の美濃戸の様に観光地化されていないことが最高ですね。
距離も難易度もちょうど良く、少しアレンジすればもっと大きな周回コースを計画する事も可能な船山十字路起点の魅力にはまってしまいそうです。

それにしても秋雨前線が邪魔ですねぇ・・・・(^^;
そろそろ青空が恋しいぞ~!!

おしまい。


今回も最後までお読み頂きまして、大変ありがとうございました。



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by yama-nobori | 2015-09-02 23:39 | 登山 2015 | Comments(0)
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