表銀座縦走コースとは、北アルプス山麓の中房温泉を起点とし、合戦尾根を登り常念山脈を大天井岳まで縦走した後、東鎌尾根の喜作新道を経て槍ヶ岳へ至る登山コースの名称である。 尚、単に表銀座と呼ばれることも多い。 この場合は、単に登山コースの意味だけでなく、広く山群を指し示すこともある。 一説によるとこの「銀座」という名の由来は、かつて4~5日かかっていた中房温泉~槍ヶ岳への縦走路を、1~2日まで短縮した喜作新道を開設した山案内人「小林喜作」が、当時銀座で流行していた草履履きに提灯と言う、いわゆる「銀ぶら」の出立ちであった事が多かった事に加え、登山者の多いルートで銀座通りの様だと言う事から、表銀座・裏銀座と命名されたとの事です。 今回はその表銀座の変形コース、中房温泉~燕岳~大天井岳~常念岳~蝶ヶ岳~三股登山口という、北アルプス大パノラマコースとして紹介されているルートを歩いて参りました。 ※常念山脈縦走とするのが正しいのでしょうか? 前回この「中房温泉」(1462m)を訪れたのは昨年暮れの厳冬期。 その時は13.4km手前にある冬季ゲートが閉じられている為にここまで林道を歩いてきました。 あの時休憩した場所や交わした会話などを思い出しながら車を走らせるのはとても感慨深いものがありました。 車って凄いのね(笑) そうそう、今回よりK嬢がようやく復帰です(^^) 復帰戦一発目から表銀座縦走とは少々心配ではありましたが、本人やる気まんまんです。 安全第一で楽しんで参りましょう! 気温4℃、5:50、まずは「燕岳」(2763m)へ向けて出発です! 尚、今回使用したルートは合戦尾根を行く一般的なルートですが、シーズン中の混雑が嫌な人は東沢乗越経由がお勧めです。 夏にはごった返す渋滞ぎみのこの場所も、今日は人の気配すらありません。 静かな新緑の美しい登山道を我々のペースで登っていきます。 さすがに北アの登山道は整備が行き届いていてとても歩きやすいですね。 何故ここを北アルプス三大急登というのかは・・・謎です。 ほぼ30分間隔でベンチが設置されており、良い目安になります。 第一・第二共に休憩することなくスルー。 コイワカガミ・バイカオーレンなどがちらほら見られるようになり7:23、第三ベンチ着。 K嬢の調子も良さそうです(^^)/ ここ富士見ベンチはその名の通り富士山が見える場所ですが今回も見られず。 過去8回程訪れておりますが、かつて見る事が出来たのは2回程度だったかな? 富士見ベンチを越えると花崗岩の山特有の登山道に変わります。 また、木々の間からはこれから歩き続ける縦走路がちらほら(^^) 残雪も現れるようになりました。 8:50、誰にも出会わないまま「合戦小屋」(2350m)に到着です。 通常CTが4.0hなので1.0hの貯金が出来ました(^^) 夏場にはここで売られるスイカが有名ですが、この日は飲み物の販売のみ行われておりました。 ここから先は一気に視界の開ける尾根道となります。 劔岳やこれから登る燕岳も視界に入るようになりました(^^) 天気が良くて良かったね! 前回は何も見えない状態だったからねぇ(^^; ※下は厳冬期の写真です。 同じ場所だとはとても思えんですな(^^; 今の時期は夏道冬道のミックスで道が付けられています。 燕山荘に向け最後の登りに入ります。 まだ夏道ではない為、小屋を左手に巻く冬道です。 少々急登となる最後の頑張りどころです。 でもこの景色だもん、頑張れちゃうよね~?(^^)/ 自炊場の増築を行っておりました。 確かに以前のままでは小屋の規模の割りに小さかったもんなぁ。 ありがたや~。 10:48、名物ゴリラ岩を過ぎれば、誰もいない貸し切りの燕山荘(2712m)に到着です!! ゴリラ岩の向こうの山が燕岳です。 丁度5時間での到着となりました!!(CTは5.5h)。 K嬢頑張ったね(^^) 燕山荘の前には北アルプスの大絶景が広がります。 鷲羽岳・水晶岳が素晴らしい・・・。 厳冬期にはこんなんだったからねぇ(^^; お天気って大切。 テン場にも誰も居ませんでした。 山の版画家として有名な畦地梅太郎の彫刻「山男」にも再会を果たし、いざ燕岳へ!! ・・・とは行かず、まずはこれ(^^) この日から大ジョッキが販売スタートとのことでした(^^) あまりゆっくりしていると宿泊手続きに入り兼ねないので、燕山荘を後にし、いよいよ燕岳を目指します。 厳冬期には八甲田山死の行軍的な燕岳も、今の時期ならまさにハイキング(^^) しかも誰にも会わないので最高の気分です! 夏道CTは燕山荘から往復50分。 もう少し季節が進めばコマクサの咲き乱れる、鳳凰薬師岳に似た陵線をてくてくと散歩歩きです。 犬の散歩がとても似合いそうなトレイルですな。 厳冬期にはここから先が核心部となった眼鏡岩も、この日は安心安全な撮影スポット(笑) これ同じ場所です(笑) まっとうなガイドなら、絶対に中止とするレベルの中を進みました(^^; おそらくあの日の登頂成功者は我々のみだった事でしょう。 燕山荘との往復に2.0hかかりました。 やはり山は晴れてなんぼなのかもしれません(笑) この日は鳴き声はするものの雷鳥の姿を見ていませんでした。 山頂直下までやってきました。 すると突然、目の前を雷鳥が飛び去ります。 なかなか貴重なショットが撮れました(^^) そしてついに燕岳山頂をその視界に捉えます。 二度目の「燕岳」(2763m)登頂おめでとう!! さて、貸し切りの大変に贅沢な燕山荘でしたが我々の目的地はここではありません。 先はまだまだ長いのです。 やや後ろ髪を引かれる思いで、大天井岳への縦走路に入って行きます。 大天井岳は私も未踏の頂きです。 楽しみだ~(^^)/ 合戦尾根から最初に見えた槍ヶ岳に大興奮しましたが、この頃にはもう見飽きた存在でしかありません(笑) でもあまりにシンボリックなのでついつい撮影してしまいます(^^; 目立ちすぎてアングルの邪魔(笑) 蛙岩(げいろいわ2684m)と呼ばれる奇岩が見えてきました。 夏には蛙岩を左から巻きますが、冬季ルートは蛙岩の真ん中を通過するようになっています。 人一人がぎりぎり通過出来る小さな穴です。 今回はもちろん左を巻きます。 あらら、今夜は大天荘の冬季小屋利用を考えているんですけど、大天井岳までまだ5.6kmですか・・・。 真ん中奥が「大天井岳」(2922m)です。 まだまだ遠いねぇ。 いやな感じのトラバースがちらほら現れます。 このあたりの通過でかなりの体力と時間を失いました。 ガスと雲の様子も気になります。 ここは「大下りの頭」。 名前ほど大げさではありませんが、一度下ってから大天井岳までは大きく登り返しとなります。 K嬢もこれには不安そうに覗きこんでいました・・・。 気温2℃、時間は15:30。 実はこんなこともあろうかと、燕山荘で水を5L給水して来ました(^^) やや確信犯的なビバーク決定です(^^)/ 私はテント設営、K嬢はお酒冷却用の雪確保の役割分担。 調理&片付けなどはいつの間にか全て私の担当です。 こういう力関係って最初が肝心ですね(笑) 飲んで食べて この日は残念ながらガスが強く、夕日や夜景などは楽しむことが出来ませんでした。 良い感じで酔っ払って 第二部へと続きます(^^)/ おやすみなさ~い!!
by yama-nobori
| 2015-06-01 10:36
| 登山 2015
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Comments(2)
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sugishoo at 2015-06-01 21:20
こんばんは、ゆたかさん
まずはK嬢さんの元気な姿を拝見できて良かったです。 でも、余り無理はなさらない様に。
1
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yama-nobori at 2015-06-01 22:12
sugishooさん、こんばんは!
私も心配しながらの山行ではありましたが、足取りがしっかりしていたのでかなり安心出来ました。 この後の頑張りにもご期待ください!! でも毎度のことながら私の荷物は・・・重かったですよ(T_T)
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